柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

ポパイ

2008-05-04 07:38:36 | Weblog
popeye物語という本の書評を新聞に見つけ、ああこの本には世話になったと釘付けになりました。丁度私が大学に入った頃、昭和52年です、の創刊でしょう、田舎もんの私にはとても適当な(厚さといい値段といい)教科書だったことを思い出します。男用のファッション雑誌、情報誌、どう分類されるのか知りませんが、とにかく何でもかんでも真似していた頃がありました。私は二浪のすえやっと大学に入った間抜けなんです、その二年間京都で予備校通いました、そこでまずカルチャーショック!何じゃこいつら?って格好ばかり。髪の毛の逆立ってる奴がいる、女たちはバリバリの化粧、赤やらピンクやら目がくらくらする、一番印象深いのは衣服もさることながら靴やら靴下の派手さ多様さでしたか。こっちは田舎もんそのままです、いえ、精一杯考えて着て来てるんですよ、でもこれでもかって落差。大人と子供、おしゃれなお兄さん達と山猿って落差。身なりなんて関係ないって奴でもなかったんです、十分にこっちに興味があったもんですからこのショックは大きかったですねぇ。そうそう靴下です。高校時代は外出時は制服(黒詰め襟の普通の学生服)って校則でした、制服と私服って概念のなかで中学高校を過ごして来ましたから制服と家着という区別しかないのです。靴下は白です。健康な白です。他の色を組み合わせるなんて考えたこともない、というかTシャツとかポロシャツとかはさすがに何着か持ってました(でしょう)が、下はGパンです、靴下は白、靴は運動靴です、他がないんです、必要もなかった、周りが皆そうなんですから。そんなタコが京都ですわ。一時外へ出るのも嫌になってましたね(予備校サボる口実にして)。それでも浪人でしたからね、こっちに血道を上げるわけにも行かないわけです、その感覚を磨かぬままにやっと大学に入って、そこからがまた一からやり直し。まぁおるおる、キンキラ派手なのが大勢。でも、予備校と違うのはやはり山猿も多かったですわ、これは大学の特徴でしょうが。すぐバスケット部に入って「謳歌」するわけですが、コンパやら色々あるでしょう?そこで困るわけです。どうしても靴と靴下が鬼門。上と下がバラバラ。自分でもわかるんですがどうすればいいかわからない。色を合わせる?コンビネーションなんて言葉がカラカラ回るだけ。メンズクラブを買ってきて読んでみるけれど、どうもこっちはスーツ系が主流でちょっと違う。そこにポパイです。ほうれん草のあのポパイが表紙の雑誌です。週刊誌タイプの装丁で読みやすい、その時の私のニーズにぴったりでした。言葉遣いも今風(その時風)でした、お楽しみグッズとか必須アイテムとか。グッズなんて受験英語の知識だけです、名詞になると品物って意味だと。ああ、こういう使い方するのかという驚き。アイテムもそうです。何のこっちゃわからなかったですから。お手軽グッズがこの夏の必須アイテムだ!なんてね。靴下です、靴です、あれこれ試しましたよ。よくクラブの後輩にからかわれました、ポパイから出てきたみたいですよって。つまり全然身についてない、着せ替え人形的風貌だったということです。今から思えば恥ずかしいことですが、この本にはそういう熱い思い入れがあります。読まなくなってもう何十年も経ちます、別に廃刊になったわけでもないんでしょうが。漫画のポパイも popeye と綴るんでしょうか、寡聞にして知らないのですが、この本を見たときあのポパイと pop な eye という意味を合わせたおしゃれなネーミングだことと感心したことも覚えています。すぐあとにブルータス Brutus という雑誌が出てきて、こっちはもう少しヘビーな感じの内容でした、あまり読みませんでしたね。ブルートとかオリーブとかいう名の雑誌があったかどうか、これも記憶にありません。今は昔の物語でした。
コメント (2)
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