柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

来し方

2008-03-18 08:37:34 | Weblog
北京五輪、当局が大気汚染認めました、屋外で一時間以上かかる競技には選手への身体的影響を否定できないって。すごいことですよこれ。マラソンの男女の第一人者が二人とも出場しないと表明したのが応えてますね。マラソンの期日を延期するとのこと、どうするんでしょうね、一ヶ月前くらいから周辺の工場の操業を減じさせて、一週間くらいは止める、それを国家が保障する、とか。東京五輪の時はどうだったんでしょうね。東京には空がない、と高村光太郎が書いたのはあれいつなんでしょう。光化学スモッグは70年代でしたよね。道路が空に延び(高架)あちこち掘り返されで、東京が大きく変わるきっかけになった五輪ですが、それは日本が豊かになっていくファンファーレでもあったわけです、今の中国と同じような道を辿ってきたわけです。開発は破壊の上に成り立ちます。中国のことを笑えません、なじれません。来た道ですから。ただ五輪のタイミングが違っているだけです、日本の高度成長で生じた多くの問題(公害、自然破壊)はお国事情で済みました、中国のように世界中にバラす必要がなかったのです。それだけの差です。農薬やら産業廃棄物による汚染も、昔に日本にもごろごろ例があるはずです。何人か死んで初めて国が禁止する、そういう手順を時期早く踏んできただけです。餃子の農薬もTVが言うでしょう、もう何十年も日本では使われていないって、つまり何十年前には使われていて何人かが死んだんでしょう。ただただ繰り返されているだけのことです。安価な、製作に技術のいらない、消毒効果の強力な薬剤がまず汎用される。どこでも同じです。あの薬は危ないと、もちろん人々は知っていましょうし、当局も禁止までは言わずとも高価で安全なものに換えなさいと勧告はしているのでしょうが、そんなこと現場が聞きますかいな。虫がよく死ぬ薬が良い薬ですから。工場廃液もそうです。規則にないことならもちろん、少々抵触しようが海に流せばわかりゃぁせんわい!って垂れ流す。水俣病、イタイイタイ病、ですね。空に垂れ流せば光化学スモッグ。今の中国と寸分変わらぬ事でしょう。向こうさんは広いし人が多いから汚れ方も日本とは桁が違うんでしょうし、あるいは偏西風とやらにのってこっちにまで大気汚染が波及するやも知れませんが、日本が歩いてきた道なのです。人ごとみたいに誹るのは間違いでしょう。むろん、程度の問題です、国民性の問題でもあります、どう対処していくかは別問題です。が、一概に笑えることではないはずです。眉を顰めて嘲うことでもないと思うのです。
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