柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

話し言葉

2007-09-11 08:42:35 | Weblog
昨日今日、夜朝がすっかり涼しくなりました。窓開けていると冷たい風で目が覚めます。秋が来ました、昼の暑さも時間の問題です。しかし暑い夏でしたねぇ。
 昨日休刊日だったからでしょうか、各紙のコラム、二日分の思いを吐き出す感じで同趣旨非難です。安倍さんの退陣発言を巡っての話です。丁度昨日に所信表明演説がありましたからいいタイミング。辞めろ辞めろと周りが言ってるときにはしがみついて、今度は自分で辞めるって?という非難。絆創膏農相の更迭やら辞任やら分からぬあのドタバタを彷彿させます。横文字が多すぎるという非難。見栄の切りどころを心得ていないとの非難、これは小泉さんと比較してのことでしょう。言葉を相手の心の奥底に投げ込む能力に欠けるという非難。この能力は人に伝えようとする情熱と鍛えた話術によって為されることだが、安倍さんの口吻は心がこもらず自信なげだと。退路を断つとは自ら花道を飾ろうとすることでもあるという揶揄。結局辞めるんかい?という皮肉。どなたも考えるは同じってわけでした。これらは政治専門の記者じゃなくても、コラム子のような批評家でなくても、私達一般人でも気づいていたことですよね、小泉さんと違いすぎるから。というか、小泉口調に、小泉手法に十分馴らされてしまっていたから(ワンフレーズポリティックスって奴です)、安倍さんのにっちゃりした笑顔(少なくとも鋭さはないですわね)やら、冗舌の気味に溢れた演説(しかもそこかしこに横文字単語が散りばめられて)にあれれ?と膝が折れちゃったわけです。ああこれでは届かない。初めから私達も気づいてましたよね。気の毒だったんです、小泉さんの後だったから。小泉さんの前だったら別にどうって事のない普通の人ですから。でも、気負いが空回りして、失礼ながらもともと語彙(ボキャブラリィ)に富んだ人じゃないんでしょう、平易に説明しようと思えば思うほどに横文字多用に傾くという悪循環。キャロルや佐野元春の歌詞じゃなんですから。そして早口。あげつらうとどんどん出ます、こういう非難はいくらでもできますから、程々にしておかねばなりませんが、ううむ、言葉ですねぇ。話し言葉。文章じゃありません、人を動かすのは目の前の人の口から降ってくる投げられてくる言葉なんですね。テクニックも大切なんでしょうが、如何に伝えようと強く念じるか。その為には喋る者の頭の中がきれいに整理されていないと言葉が並びません。そして語彙力。ううむ、勉強になります。本当にそう思います。
コメント
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