柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

自己責任

2007-09-03 08:40:38 | Weblog
世界陸上、「カミカゼ吹かず」ですって読売。沢木陸連会長(この人順天堂の駅伝監督で有名な人ですよね、政治力もあるってわけです)曰くメダル5ヶが目標だったんですって。それが神風頼みだって言うの。初めから吹くという前提ですからなんともお目出度いこと。いいえ、今回のこの大会に限った話じゃありません、TBSに売ったバレーボールに象徴されるが如く日本のスポーツは全て神風前提です。5の力しかない者が20も30も出すが如き幻想、そして風が吹いて相手が病気になるか怪我するか食中りするかの「僥倖」待ち。いいえ彼らばかりを責められぬのです、これが日本人の歴史なのですから。今までの歴史上の転換点において、相手の失着なり後退なりを「天佑」と受け取ってきた認識、神のご加護は我らにありとすり替えてきた体質です。こっちが強いのではなくて向こうさんが勝手に転けたことを、こちらの力(大なる力、得体の知れぬ力、実態のまるでない力、それがやがては念ずれば通ず!なんて空っぽの精神論に繋がります)にすり替えて、神秘の中に放り込む。もうやめましょうよ、せめてこういう場では。そう思われませんか。
 官邸の危機管理能力なんだそうです、この手の不正経理問題に係る登用罷免のドタバタ。ずっと胸のランプがピコピコ鳴りっぱなしなんでしょうね安倍さん。わき出てくる問題(危機なんですかね、そんな大仰なものじゃないでしょうに)への対応、今回は早かったですけど、辞めさせなければならない様な奴を登用するな!ですわねまず。この一連、いつ終わるんでしょうか。そうこうしているうちに人心も離れていきます。
 呉の小学生溺死事件、フェンスを乗り越えての事件だったそうです。虫取り、鯉への餌やり。普通に遊んでいたんです、フェンス乗り越えようなんてことくらい誰でも考えます、たまたま運悪く、ということでしょう。でも教育委員会は黙っていません、だいたいこういう過保護自体が馬鹿親を生み増長させていることに気づいていないお目出度さですが、全ての学校に通知を出して危険な場所には近寄らせないようにするんでしょう、どんどん遊び場がなくなります。有名な話ですよね、ここに入るな、ここで遊ぶな、このカーブは危険・・・、どこに行っても道路という道路には白や黄色のガードレールが張り巡らせてあって、危険危険の看板ばかりなのは日本だけだって。カーブ曲がりきれなくて転落したってそれはあんたの責任です、危ないか危なくないかはその者が判断するべき事、崖から落ちたくないなら近寄りなさんなわざわざに。そうですよね。でも日本はそうはしません、一旦事故が起きるとすぐに立入禁止です、遊具は即撤去されます、一面にフェンスです。おまけに、その器具の所有者やら危険地域の監理者が謝罪させられます。当の本人の不注意が原因に違いないのにです。いえ、エレベータの事故とかジェットコースターの事故とかは、機械の不備が原因ですからこれとは種類が違います。今回のように池に落ちるとか、川に流されるとか、遊具で指を挟む、首を挟むなどの事故は本人の問題です。でもマスコミの集団暴力はまるで関係のない、例えば学校長までを引っぱり出して糾弾している、校長も頭を下げている。そしてそういう対応が普通になると、何でもかんでも子供に不都合が起きれば文句言えばいいとなります。当の親が黙っていても、正義の味方のマスコミが黙っていません、群がり食いつき噛みつきます。こんな風潮下に、馬鹿親が出てきても不思議じゃないですわね。文句言えば向こう(学校やら教育委員会やら)は謝ってくるんですから。これが左翼思想だとお気づきでしょうか。個人主義の爛熟(腐乱と言いましょうか)、民主主義のなれの果て。馬鹿親 monster parents を生んだのは、何でもかんでも人の所為にして恬として恥じない思想の蔓延が原因なのです。そうですよね。亡くなった子達には気の毒でしたが、親や近くに住む人達がここいらは気を付けにゃぁいかんぞと子供たちに注意していく、当の子供たちも一層注意深くなる分には順方向ですが、だからといって行政や学校が立入禁止の看板立てたり、フェンス張ったりするのが余計なお世話、余計な介入です。だから子供たちが考えなくなる、危険に対して鼻が利かなくなるんじゃないんですかね。いえ、亡くなった子達には気の毒なことでした、これは別問題です。怖かっただろうね、可哀想に。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする