柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

無駄

2007-06-30 08:41:22 | Weblog
朝日新聞に「甲子園アルバム」という連載記事です。今日はあの箕島の尾藤監督の話です。東尾が投げている時代のことは知りませんが、島本講平はアイドルでしたからよく覚えています。そして星陵との延長18回。記事にもありますが、ファールフライを落球した後のホームランで追いついたあの場面、見てました、これもよく覚えています、こんな事があるんじゃと思ってましたね、ナイターでした。名物監督は多くいました、池田の蔦さん、沖縄水産の栽さん、PLの中村さん・・。尾藤さんもそのうちの一人です。高校野球が面白い時代でした。よく見てました。逸材が次々に輩出した時代でもありました。清原、桑田、水野、畠山、荒木、牛島、どかべん香川。あの頃の話なら何時間でもできそうです、皆そうですよね。昨日の記事は審判の話でした。審判員にももちろん相当の涙と汗とがあるのです、物語がある。その中にこういう話です、名審判員郷司さんのセリフです「木陰で着替え、試合がおわれば汗をふいて、すっと帰る。原点は、校庭や小さな球場でやる野球の中にある」ううん、こういう言葉に心が震えるんです、しびれます。郷司という名はよく聞きましたね、甲子園のバックボードによくあった名前です。華やかな舞台で活躍した第一人者の言葉だから効きますね。基本に帰れということです。どんな業界でも言われ続けている事柄でしょう。フナ釣りに始まってフナ釣りに終わる。外科医の場合は縫合に始まって縫合に終わる。でも、こういう風景がぱーっと目に浮かぶ表現がいいですよね。眩しい真っ白な夏の陽射し、大汗かきながら炎天下の野球、くっきり黒の木陰で冷えたお茶など飲みながら汗を拭く。白黒の強いコントラスト、夏の風景です。選手はともあれ、いい歳した大人(おっさん)がわざわざにくそ暑い中汗かきに出ていく、一銭の金にもならないことの目的に。いわばこういう無駄を嬉々としてやることが、馬鹿馬鹿しくていいんですね。心情十分に理解します、十分に共感します。そういう馬鹿さにかけては私も人後に落ちない自信がありますから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする