鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

何か物足りない加山雄三の「若大将ゆうゆう散歩」

2012-12-04 | Weblog
 テレビ朝日の午前9時55分から加山雄三の「若大将ゆうゆう散歩」が土日を除く毎日放送されているので、家に居る時は見ている。知っているところがあると、どこが紹介されるのかな、との興味があり、知らないところだと面白そうなところはあるのかな、と期待して見ている。ところが。加山雄三は超有名人なので、場所を紹介するというより、街行く人との交流が中心で、言ってみれば知らない場所の紹介よいうより、有名人の行脚といった感じで、以前の故地井武男さんのやっていた頃と比べると何か物足りない。
 3日の番組では「緑豊かな街 小平さんぽ」と小平駅周辺を紹介し、森田オープンガーデン、手作り神輿、小平神明宮などを訪ねていた。最初の森田オープンガーデンで近所の住民が談笑しているところへ加山雄三が入っていくが、座って仲間に入っても主役は加山雄三で、みなさんが加山雄三をもてなして、ご馳走するといった感じで、なぜこのガーデンを開いたのか、どんな役割りを果たしているのか、といった視聴者が興味を抱くようなことを聞かず、お客様然として終始している。肝心なことはナレーションの宮本隆治が語ることで補っている始末で、番組としては成り立っているのだろうが、人々との掛け合いや心の交流、それから生まれるハプニングといったものがないのがさびしい。
 この番組は以前、地井武男さんがやっている時に溝の口周辺を訪れたことがあり、近くの馴染みの豆腐屋が紹介されていて、あとで裏話を聞いたら、あらかじめスタッフがロケハンして、訪れるお店などを選定したうえで、地井さんが訪れる仕掛けになっている、という。訪問される方も来ることがわかっていて、ほぼ台本通りに撮影が進められていく、ということだった。それでも地井さんは意図的にか、台本にないことをやったりして、思わぬ反応を引き出したりして、それが番組の魅力ともなっていた。
 ところが、加山雄三の場合はスタッフが描いた通りに街を歩くだけで、街の人々と心からの交流をしたり、相手の思ってない良さを引き出したりするようなことはまずしない。地井さんは俳優でも脇役が主で下住みの苦労人だから、人々が何を思って暮らしているのかがよくわかっていて、その心情に深く入り込んでいく。加山雄三はスター街道をまっしぐらに歩んできたので、下住みの人の心情を思い遣るような心は持ち合わせていないので、通り一辺のやりとりしかできない。
 これでは番組としては成功とは言えないだろう。地井さんと比べて加山雄三の出演料は高いので、加山雄三を起用したのはマイナスということになるだろう。まだスタートして間もないので、替えるには時間を置かないといけないのだろうが、テレビ番組は視聴率が優先する、常に結果論の世界で、以前はこうだったという通念が通用しない。番組つくりとはかくも難しいものなのだろう。この道20年、30年の専門家といえどもやってみないとわからないところがある、ということなのだろう。
コメント (2)
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