鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

小沢一郎とともに自爆した野田民主党首相

2012-12-17 | Weblog
 衆院選が自公で325と3分の2を超える圧倒的多数の議席を獲得する意外な結果となった。田中眞紀子や仙石由人ら大物議員が落選するなどマスコミ受けする話題が盛り沢山な結果となったが、煎じ詰めれば小沢一郎がかき回した政局に対し、国民が強烈なしっぺ返しをしたに過ぎない。決して自民党に支持を与え、日本の未来を託した訳ではない。そのあたりを間違えると、今度は自民党にノーの刃が突き立てられることだろう。
本当に今回の衆院選はうざかった。12もの政党が乱立して、消費税増税反対、脱原発、景気対策などの争点に百家争鳴するさまは、まさに世紀末を思わせる状況で、心ある人をどうもいい気持ちに追いやった。事実、福島、宮城など東日本大震災の被災地からは「だれがやっても同じ。」との声が伝わってきた。
 そのことは投票率にはっきりと出ている。今回の衆院選の投票率は59.21%前後と前回を10%程度下回ったようで、 1996年の小選挙区比例代表並立制の導入後最低だった96年の58.65%を下回りそうだ、という。都道府県別でもすべての都道府県で前回を下回るものと見られる。一見、盛り上がっているように感じたのはとかく目の前の事象に流されやすいマスコミだけのようだった。
それても冷静に見れば、圧勝した自民党てもたとえば東京の比例区の得票は128万7856票で、全体の25.36%を得ているに過ぎない。3分の2近い議席数を獲得したのは小選挙区制のなせる業で、それでも前回選挙で民主党の得た308議席には及ばない。ということは次の総選挙で再逆転がありうる、ということである。
 民主党の歴史的大敗北はなによりも野田佳彦首相が負わなければならないが、ここまで悲惨な状況に追い込んだのはやはり小沢一郎だろう。消費税増税に反対し、小沢ガールズを引き連れ、党を割って「国民の生活が第一」を作り、勝算がないとみるや、嘉田由起子滋賀県知事を担ぎ出し、「未来の党」を擁立し、結果的には62議席から9議席に減らした。小沢一郎本人よりも悲惨なのは嘉田知事、野田首相だろう。そこまで状況を見通せなかったのは政治家として、小沢より下だったとしかいえないが、いくら悔やんでも悔やみ切れないことだろう。
 ただ、もとはといえば民主党政権をもたらしたのは巧まざる政治手腕を持つ小沢一郎なのだから、それを壊滅的な状況にしたのも元に戻しただけのことと見ることもできる。民主党員は 3年3ケ月夢を見ていたと思って、原点に立ち戻って大いに反省して出直すべきだろう。野田首相としては小沢憎しの一点で年内解散を強行突破したのだから、内心は小沢とともに自爆したことは最悪のシナリオとして覚悟していたとはいえ、まさか前回の麻生太郎自民党元首相と並んで大敗の汚名を着せられる政治家として歴史の名を留めることになる、とは思いもしなかったことだろう。麻生と違うのは天下の悪徳政治家の小沢をつぶした首相として名を馳せることをもってよし、とすべきだろう。
コメント (1)
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