22日は川崎市駅前の109シネマズでこの春に米国アカデミー賞の作品賞はじめ、監督賞、主演女優賞など5部門で受賞した映画「アノーラ」を観賞した。ほぼ毎年この時期は米国アカデミー賞を受賞した映画を観賞することにしているのにならったものだが、のっけから登場人物がいきなり、過激なセックスシーンを繰り広げる予想もしていなかった展開で、一体この映画にどんな評価が下されたのか、と驚いた。幸い、周囲には小さな子供こそいなかったが、周囲はあっけにとられたような感じで、画面に惹きずり込まれたような感じであった。
映画はおそらく米ニューヨークでのストリップバーを訪れたロシアの財閥の御曹司のイヴァンが接待するホステスのアノーラと過激なシーンから始まり、意気投合した2人はそのままイヴァンの住むマンションに行き、そこでも思いのたけを繰り広げる。そして、そのまま自堕落な生活を続け、イヴァンはアノーラと7日間で1万5000ドル支払うと約束し、贅沢なしたい放題の生活を繰り広げ、その最後としてラスベガスに赴き、教会で結婚式をあげる。
ところが、その後になっって、突然イヴァンの両親がニューヨークへ尋ねてくることになり、その先駆けとして弁護士が用心棒2人を連れてイヴァンの住んでいる住まいに乗り込んでくることとなった。しかもその数時間後にはイヴァンの両親もニューヨークに来ることがわかり、イヴァンは一人で自宅から逃げ出してしまう。イヴァンのいなくなった自宅に弁護士らはアノーラを閉じ込めてしまうが、肝心のイヴァンを探さないと両親に合わす顔がなくなる、とアノーラを連れて、ニューヨークのあちこちを探しまくるが一向に見つからない。そのうちにアノーラはかつて勤めていた「ヘッドクォーター」なるストリップバーにいるに違ないない、と言い出し、そこでイヴァンを見つける。
そして、弁護士は2人を連れてニューヨークの法律事務所に赴き、離婚の手続きをしよう、とするが、「ラスベガスに行かないと手続きができない」と言われ、再びラスベガスに行くこととなる。そして離婚の手続きを終えたところへイヴァンの両親がやってきてアノーラに別れることを告げ、やむなくアノーラは弁護士の用心棒の送る自動車に乗って然るべきところへ移送される。そして、その用心棒を別れ際になぜか、運転席でその用心棒といい仲になったところで、幕となる。自らの幸せを自ら勝ち取ろうと全力で奮闘する主人公の行く末は一体、どうなるのか、わからないまま映画は終わってしまった。
一体、この映画のどこが米国アカデミー賞の最高の栄誉に輝いたのか、全くわからないまま終了してしまった感じであった。米国はトランプ大統領の再登板で米国のみならず世界を不況の真っただ中に陥れようとしているが、そうした事態を象徴しているのがこの映画なのではないか、思わずにはいられなかった。この「アノーラ」は当初、いつも行っている二子玉川の109シネマズで見ようとしたが、異例の短期間で上映がうち切られてしまって、川崎市駅前まで来てしまったのもこうした評価が災いしているのではないか、とも思った。世の中がおかしくなっているのだから、映画もこんな作品が高い評価を受ける、としか思えないような気もしてきた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます