鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

世の中をなめきっているホリエモン

2006-12-04 | Weblog
 昨3日朝、テレビを見ていて「こんなことがあっていいのか」と一瞬、目を疑った。チャンネルを回していたら、10チャンネル、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」画面にホリエモンが大写しに1人映っている。過去の出演シーンをビデオで流しているのか、と思っていて、画面をよく見ると司会の田原総一朗と対談し、右下に「逮捕から10カ月、独占生出演」とタイトルが出ている。出る方も出る方だが、出す方も出す方だ。一体、どこの世界に逮捕され罪を問われた被告が公判中に公開のテレビに出演して、自ら無実を訴えることがあるのだろうか。
 こうした企画を立てた田原総一朗、そしてそれを許した、というか、認めたテレビ朝日当局、そして何よりも出演したホリエモン本人、いずれも無見識と言わざるを得ないが、まず責を負うべきはテレビ朝日当局だろう。公共のテレビをそうした個人の言い訳の場に提供した罪は重い。放送法上はどういう罪が課せられるかはわからないが、仮に法的には問われなくとも少なくとも道義的責任はある。
 ホリエモンはまだ刑こそ確定していないが、粉飾決算、それに株価操作の嫌疑で疑いをかけられている被告である。大勢の被害者が損害賠償の裁判を訴えている。そんな被疑者の言い分の片をもつようなテレビ出演を許す理由がわからない。
 公判中の裁判官がどういう印象を持つか、を考えたら、仮に出演要請があっても出演しないだろう。ホリエモンが普通の人でないことが、これではっきりした。
 ホリエモンのテレビ出演はざっと40分のものぼった。ホリエモンは嫌いなので、言っていることはほとんど聞く気にならなかったので、聞いていなかった。が、サンデープロジェクトの看板の冒頭の40分だから、テレビ朝日の魂を譲り渡した、と言ってもいいだろう。その後に1人で出演した森喜朗元首相が安っぽい三文役者にみえた。
 翌4日付けの朝刊ではホリエモンのテレビ出演を批判するような記事は出なかったのが不思議なところだ。テレビ各社も何も触れていない。同業者の見識のなさには目をつぶろう、ということなのか。まあ、マスコミ、特にテレビはだれか見識のありそうな人か、機関がものを言わないと報道しない体質なので、火がつくのに時間がかかるのかもしれない。
 ここは、ひとつ見識を持った報道を望みたいものだ。

追記 ここまで書いてきて、朝日新聞朝刊を見たら、アエラ12月11日号で頭記事が堀江独占告白「ボクは無罪」と大見出しになっていた。テレビ、新聞は扱っていなかったが、テレビ朝日の親会社の朝日新聞社が発行している週刊誌、アエラがサンデープロジェクトと同じようなことをしている。これがわかっていたから、テレビ朝日は放映したのか、因果関係はわからないが、お先棒担ぎとしては同列である。どこか、狂っているのではなかろうか。

追記その2 5日付け朝刊に今度は週刊朝日が12月15日号で「ホリエモンがまるごと語った150分」という記事を載せている広告が出ていた。少しも買って読む気はないが、また、朝日で、これでホリエモンは朝日の関係するマスコミ、ミディコミに総出演している。本当に、どこまでも、いやな奴である。ホリエモンは以前から朝日志向で、相変わらずかつてのグローリアス朝日に幻想を抱いているのだろう。滅びゆく者は世の中の流れを知らない。
コメント
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