とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2012巻機山登山

2012-07-30 22:37:57 | 山登り
今年初めて登る日本百名山は、上越国境の巻機山(まきはたやま)だ。通算では、68座めとなる。まだまだ、百に到達するのは先のことになりそうだ。

さて、梅雨が明けて最初の週末は登山には最適な時期なので、これを外すわけには行かない。土曜日の夕方から浜松を出発して、一路関越道の塩沢石打ICから巻機山登山口の桜坂駐車場まで車をとばした。片道450キロ近くもある長いドライブだ。かなり時間がかかるかと思ったが、意外と順調で午前1時過ぎに駐車場に到着する。駐車場は、しっかり舗装され手前と奥のほうを入れればゆうに100台以上は止められそうな広さであった。トイレと水道もあり、登山者にとってはありがたい設備が整っている。ただ、昼間帰るときに出口の料金所で、駐車代500円を徴収される。

現地では、既に1週間前から山旅を続けているkazukawaさんと合流する。今回は全部で6名のパーティである。既に車中で寝ていたKazukawaさんを起こし、私の車とkazukawaさんの車2台に分かれ、仮眠をとる。帰りのことも考えると朝ものんびりは出来ない。実質3時間くらいの仮眠で、午前4時半に起床して5時半に出発することにした。


5時半と言えば、もう完全に日は上っている。既に多くの登山者が入山していた。巻機山は、美女が機織をしていたという伝説に由来し、機織の神として山麓の人々の信仰を集めている山である。かなり人気があるようで、駐車場も満車に近くなっていた。


巻機山には、幾つかのコースがあるようだが、沢沿いのコースは危険な箇所が多く現在は通行止になっており、一般的な井戸尾根コースで行くことにした。


ブナやミズナラが茂る山腹を、3合目、4合目と登っていくと東側の米子沢を見下ろす5合目に到着する。開けた場所からは、上越のマッターホルン又は槍ヶ岳の異名を持つ大源太山が見える。


ブナ林を進む。風の通りがなく、かなり暑くなってきていた。


6合目の展望台からは、雪渓が残った沢が見える。


7合目は、視界が大きく広がり休憩の適地である。大勢の登山者が休憩しており、我々も休憩をとる。ここに着いたのは、午前8時40分。歩き出して既に3時間は経過している。天気はいいが、それにも増して気温も高く、暑さがかなり応えてきていた。飲み物も、既に底をつきそうなくらい減ってきていた。奥に見えるピークは、前衛峰の前巻機で、ニセ巻機と呼ばれている山だ。


暑くなってきてはいたが、避難小屋近くに水場があるとの事で、期待しながら緩やかな登山道を進む。ニッコウキスゲがところどころ咲き始めていた。


青い羽に白い縁取りの珍しいチョウチョを見かける。


9時40分。9合目であるニセ巻機山に到着する。.


ニセ巻機山から木道を一旦下る。


木道沿いには、ワタスゲの群落が見られた。


木道を下りたところの鞍部に避難小屋がある。トイレもあり、きれいな避難小屋だ。小屋からさらに下ったところの水場に向かう。


水場に向かう道沿いには、ハクサンコザクラの群落がみられた。ウスピンクの可憐な花である。高山植物の中では、私が最も好きな花だ。




イワカガミも咲いていた。


水場では、雪渓から溶け出した冷たい水が流れ出していた。雪解け水を目一杯飲んでペットボトルも満杯にする。この日の暑さを思うと、まさに命の水である。首等を冷やすために、雪渓から雪の塊を持っていくことにした。


避難小屋に戻り、先に進んだ。ニッコウキスゲも増え始め、たおやかな山頂の巻機山が見えてきた。山頂部には人影も見える。




木道を半分くらいあがったところで後ろを振り返る。ガスが湧きあがってきたが、なかなかいい眺めである。


ササの斜面を上がって行くと、空や巻機山を映す池塘がいくつも見えてくる。自然が織り成す見事な景観だ。




そして、午前10時40分に巻機山山頂(1967m)に到着する。水場でのんびりしていたこともあるが、歩き出してもう5時間くらいも経っていた。


時間を考えると、そうそうに下山したほうが良かったのだが、山頂周辺の景色が素晴らしく、ニッコウキスゲのすごい群落が牛ヶ岳方面にあるとの話を聞き、更に先に行ってみることにした。山頂部のおおらかな景観や池塘が点在する高層湿原や雪渓など、いつまでものんびり見ていたい景色が続く。






牛ヶ岳手前辺りの斜面に、黄色い塊が見えてきた。ニッコウキスゲの群落である。まだ咲き始めのようだが、ピークになれば、黄色で埋め尽くされそうな景観である。






ニッコウキスゲ以外にも、ハクサンフウロなどの高山植物も見られた。まさに夏山の最盛期である。




トキソウ


山頂周辺でのんびりしすぎたので、下山を始める。帰りは、ほとんど寄り道はせずただひたすら下るだけだ。しかし、帰りの道も長い。木陰も風があまりなく、日射しが当るとたまらなく暑くきつかった。後半疲れて転びそうにもなる。結局、駐車場に戻ったのは、午後2時半くらいだ。延べ9時間、うち歩行時間は7時間半くらいだろうか。さすが、百名山だけあって、簡単ではない。しかし、きつかった分だけ、山頂の景色は素晴らしく「やっぱり山はいい」と再認識した。




駐車場を出ようとすると、料金所に人がいて駐車料金500円を払う。巻機山周辺にはいい日帰り温泉がないので、湯沢まで戻り川端康成の「雪国」ゆかりの「駒子の湯」に入り、帰路についた。帰りは、予想通り大渋滞にはまり結局家に着いたのは午前0時を回っていた。