prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

追跡『第三の男』

2005年02月24日 | Weblog
第三の男

アイ・ヴィー・シー

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NHK-BS2にて「追跡『第三の男』」を見る。

もう60年近く前の作品だが、未だにこういう番組が作られるのだから驚き。
ウィーン全体で照明器具が四つしかなかったとか、トレバー・ハワードの役名キャロウェイが当時ウィーンを占領していたイギリス軍のギャロウェイ少将からとったものだとか、アパートの管理人をやっていたパウル・ヘルビガーが現地では人気スターで、ロケ地を借りるのにウェルズやコットンの名前を出してもダメだったのにヘルビガーの名前を使ったらどこも1発だったとか、セルズニックやキャロル・リードがアンフェタミンを使ってたとか(日本でも深夜・徹夜の撮影が続いたものでヒロポンを使う映画人は多かった)、オーソン・ウェルズが下水道に漬かる演技を嫌ったもので、そういうカットはみんな代役だとか、いろいろ面白いネタがいっぱい。

ふとんにくるまって文句ばかり言っている婆さん役の人の名前は、Hedwig Bleibtreu。どこか無気味な子供をやっていたヘルベルト・ハルビクが爺さんになって登場、ちゃんと面影があるから驚き。

題材といい、集まっている人材の出身地の幅広さといい、改めてこの映画の国際性を思う。
番組とすると映画のシーンを変にいじって挿入しているのは目障りな感じ。