prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「レイ Ray」

2005年02月20日 | 映画
なんといってもジェイミー・フォックスのレイ・チャールズが、似てるって段ではない。「ガンジー」のベン・キングスレー並み。
もともと物真似をやっていた人だというが、歌もピアノ演奏も盲目の表現も、それからさまざまなコンプレックスや人間的な弱点の描出に至るまで、よくもまあと思わせる演技。
他の候補を見ないでいうのもなんだが、この人がオスカー取りそうな気がする。

サクセス・ストーリーに絡めて身障者・人種差別や、女性関係や麻薬中毒、ビジネス上の裏切りや抜け駆け、あと音楽の映画的処理等などの要素をほぼ過不足なく揃えているが、プラスアルファの部分である母親へのコンプレックスが、クライマックスに置かれるにはやや魅力と独創性不足。

ちらっと写るだけの場面で水着を含めた衣装や車などいちいち時代色を出しているのは、贅沢な見もの。
(☆☆☆★★★)