『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

二冠&八段

2020-08-21 06:20:00 | 風景
きのうは
37.6℃という
“爆暑日”だった。

最近では、
「命の危険がある」
というフレーズまで
聞かれ始めた。

事実、この猛暑で、
すでに130人以上もが
熱中症死している。

ことに
60代以上は
コロナ同様に要注意とのことである。

クワバラ・クワバラ(笑)。




コロナ禍、猛暑と
過酷な日本のなかで、
唯一、明るい話題が
ソーちゃんの
「二冠」&「八段」達成の
最年少記録更新である。

カミさんは
始業式だったが、
自分は来週からの勤務なので、
一日、王位戦を観戦できた。

木村王位が
序盤で研究手筋を放ったが、
それをものともしないソータに
ジリジリとポイントを離された。

80手での投了というので、
危なげのない大差の勝利だった。

解説者によれば、
棋士は練習で強くなるのではなく、
真剣勝負の対局を重ねて
強さが磨かれる…というので、
対局数トップのソータが
ここのところ、グングン実力を
増しているのも首肯できる。

なるほど…
「本番」の経験が実力を伸ばす…
というのは「演奏」にも
当てはまるなぁ…と、思った。

9歳でギターを始めて、
中一(13歳)から人前で弾くようになり、
発表会・文化祭・結婚式・葬式・
定演・リサイタル・ミニコン・レクコン…と、
数え切れぬほどの「本番」を
こなしてきたので、
“聴かせる”演奏というのが解って
身についてきたのかもしれない
と思わされた。

ギターが上手い人は
いくらも知っているが、
中には“風呂屋の釜”
(湯ぅばっかし/言うばっかし)
というのも少なくない(笑)。

また、“教え魔”という
輩(やから)もいる(笑)。

彼らは、人前では
多く弾いていないから、
いざ、聴かせてもらうと
てんで駄目なのである。

上がってミスるのは論外だが、
自己流の解釈はいいとしても、
聴かせ処のツボを外しており、
己れのパッションと楽器の
シンクロが出来ていない。

中には、
楽譜がキチンと読めていない、
ちゃんと勉強してないのもいる。

そーいう人は
人前で弾いてもらいたくないものである。



ソーちゃんのハナシから
それちゃったが…(笑)。

ソータは、
デヴューした中学生の時から、
「プロとして、魅せる将棋を
指したいと思います」
と宣言しており、
その通り有言実行してきたから
大したものである。

今まで、
誰も見たことのない
将棋の高み、遥かなる地平を
彼は見せてくれた。

心理屋から観た彼の強みは、
キュポロという3Dパスルと
詰将棋という2Dパズルの両方を
幼少期からトコトン解いてきたことに
拠ると思っている。

よくプロの解説者たちが、
「彼だけに見えている風景が
あるんでしょうね」
というのを聞く。

このセリフから、
例えるなら、
大きな迷路に入っている自分は
出口を探すのに試行錯誤して
時間と労力を費やすが、
バーズアイ・ヴューからだと
一目瞭然に出口が発見される。

これに似た現象が、
凡人には想像し難いが、
ソータの中にはあって、
二次元の複雑な図であっても、
三次元的な視点や思考を援用して
あの柔軟な発想、
常識を覆す視点が得られているのでは
と感じている。



…ともあれ、
次の今年度の目標は
渡辺三冠の持つ
「王将」タイトルである。

挑戦者まで勝ち進めば、
「棋聖」を3-1で奪取した相手なので
勝機は大いに有りだ。

そうなると、
「年度内、3期タイトル保持」
という規定により、
一挙に「九段」になる(笑)。

某将棋漫画家じゃないが、
「もう、マンガもドラマも
超えちゃってますねぇ…。
そんな作品書いたら、
リアリティーねぇよと、
編集者や読者に叱られます」
という、お笑い草になる。




書斎兼・カウンセリング室・
レッスン室は、日中は
使われていないので、
猛暑日には外気と同じくらいの
高温になる。

直射日光こそ避けているものの、
楽器も環境と同様に息づいてるので、
木は湿気を吸ったり吐いたりしているが、
ガット弦やナイロン弦はそうはいかず
切れてしまう。

なので、
弦楽器を多く所有していると、
そのメンテが大変である。

もっとも、
それを面倒臭がるようでは
楽器を持つ資格もないのだが…。

例によって、
将棋を観戦しながらも、
長考タイムに
リュートの切れた弦を交換した。

長らく、
古楽器を製作・販売していたので、
その弦に用いるフロロカーボンという
釣り糸をゲージ(太さ)ごとに
十数種ストックしてある。

これが、いちばん、
ガット弦に近い音がする…
というので、海外の弦メーカーも
日本の釣り糸をごっそり買い取って
切り分けてキレイに包装し
「弦」として売っているのは
業界者しか知らない。

ついでに、
ペグ・コンポジションという
クレヨンのようなものを
ペグ(木製弦巻)に塗布して
滑りをよくする。

弦数の少ない8コースの
ルネッサンス・リュートでも
15本もペグがあるので、
この作業をいちどにするのは
大変なので、滅多にはやらず、
回りがキツクなってきたら、
手製のペグ回しを使っている。




きのうも、
ソータの一手87分という
大長考があったので、
その間、動かない盤面を
見ていても仕方ないので、
中国古典の行書を
トレースして稽古した。

それにも飽きると、
リッ君のアップ画像を見ては
「か~い~な~…」
と、愛でていた。

なんだか、
「お喰い初め」の袴姿が、
ソーちゃんの立派な着物姿とダブり、
日本男児のカッコよさ、
スタイリッシュなスタイルについて
再認識せられた。

自分も65歳を過ぎたら
着物を着ようかしらん…と、
思ってしまった。

茶会用の略式の
羽織袴はあるのだが、
もう何年も袖を通していない。

着物を着たソータの
所作・立ち振る舞い・指し手が
艶っぽいと
解説者のフジイ九段も評していた。

たしかに…。

まるで、茶道の
見事なお点前を見るような
美しくも流れるような所作が
十八にして出来ているのは
素晴らしい。

この子は、
石田九段が賞するように
「生まれついての棋士」
なのだろう。

それゆえに、
昨日の能楽堂舞台での決戦では、
本舞台に通じる
「橋掛かり」という渡り廊下を
羽織袴姿で堂々と入場してきた
棋聖の姿は、まさに
「千両役者」そのものであった。

棋士映画の
『三月のライオン』での
主人公演ずる神木君が
ラストシーンで
初タイトル戦の対局室に向かう
姿をも彷彿させた。






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お喰い初め

2020-08-20 05:08:00 | 家族
ソーちゃんの三連勝で迎えた
王位戦の第4局。

勝てば、二冠達成、
八段昇段という
大一番である。

初日は、
AIによる形勢判断は
50:50の互角で
終了した。

いよいよ、
今日が勝敗の決する
二日目である。

きのうは、
ソータの「封じ手」の処で
一波乱あり、
それを宣言してから
更に40分も長考するという
場面があった。

これには、
解説者のハッシーも驚き、
「平凡な「2六飛車」という手なら
プロなら一秒で解かるが、
もしかしたら絶対に有り得ない
「8七飛車」と
飛車を切ってしまう
とんでもない手を
読んでいるのかもしれない…。
だとしたら、自分なんかが
勝てるはずもない・・・」
とため息をついた。

普段から憎まれ口の多い
ハッシーをして、
先日の順位戦で
圧倒的大差で負かされたのが、
当然である…という
口ぶりであった。

AIは、「230億手」読んで、
ソータの読み筋を
最善手にあげていた。

そして、
平凡手は3%勝率が低かった。

もし、ソータが
AIの候補手を今日の初手で
封じていたとしたら、
もう、その時点で、
勝利は確定的であろう。

ハッシー曰く…

「普通なら、1秒で思いつく
次の手を、大天才が
40分もかけて長考したとなると、
木村王位は恐ろしくて
今晩寝れないかもですね…」

「もう、今後30年は、
藤井君は無冠ということは
有り得ないでしょうね…」

「彼と対戦した時に、
羽生さんや木村さんなどから
受けるような威圧感とか圧迫感は
全く感じなかったんですねぇ…。
こういう人は
初めてかもしれませんね…」




今週のNHK杯では、
杉本師匠が佐藤会長に快勝するという
幸先のよい兆候があった。

ソータに3-1で敗れ
「棋聖」を奪取された渡辺二冠は、
棋界最強と言われる
トヨピー(豊島竜王/名人)から
「名人」位を奪取した。

そのトヨピーに
ソータは公式戦4連敗と
まだ白星がない。

9月には
JT杯で激突するので、
ソータがどれだけ強くなっているか、
宿敵トヨピーを倒せるか
注目の一番もある。

今日の夕方には、
おそらくは
「藤井二冠」が
誕生していることだろう。

奇しくも、
棋聖を奪われたものの
三冠に返り咲き
棋界最強となった渡辺三冠は
「今の彼なら、
二冠以上あっても
不思議ではない…」
と言っていた。

ハッシーも
「もはや、何が起こっても
驚くことじゃなくなりつつある。
むしろ、えっ?!
まだ、二冠なの?!
…という感じですねぇ」
と言っていた。

羽生永世七冠の
26歳での「七冠」達成の記録も
最短で順位戦A級に昇級する
2年後の20歳には
達成可能であるし、
それ以上の史上初の
「八冠」すらあり得る…と、
いずれの棋士も見ている。

またまた、
ハッシー曰く…
「むかし、杉本さんとこに、
とんでもないバケモノがいる、
という噂は
耳にしたことがあったんですが、
それが彼のことだったんですね…」

さる棋士は、
「スーパーカーがやってくる、
と聞いてたが、
ジェット機がやってきた」
と評していた(笑)。




カミさんのスマホに
リッ君の「お喰い初め」と
「お宮参り」の画像が
送られてきた。

生後3ケ月だが、
東京在住のため
未だに初孫とは会えていない。

それもあって、
しきりに爺婆は
「か~い~ね~!!」
と目を細めて
見入っていた。



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家内合宿?

2020-08-19 05:24:00 | 風景
猛暑続きだが、
きのうは階下の台所に降りたら
さほどに暑くないなぁ…と、
温度計をみたら
ちょうど30℃だった(笑)。

さすがに、
毎日35℃以上だと、
この5℃差でも
涼しく感じられるのだから、
ひとの感覚なぞ相対的で
あてにならないものである。

浜松では
二日連続で
40℃超えしたというので
ニュースになっていたが、
気候変動で日本は亜熱帯化してきた
と言われて久しい。

この冬は
雪国にあって一度も
積雪を観なかった稀有な
暖冬でもあった。

この夏は
38℃を体験したが、
それは気象台の芝生上に設置された
風通しのいい百葉箱での
測定値であるからして、
アスファルトやコンクリのビルで
熱放射する箇所では
市内でも40℃を超える。

この夏は、
駅前のデジタル表示が
43℃を示した。



ここ数日は、
左オシリの痛みに変わって、
同じ左オシリが激痒ゆく、
見たら、ひどい湿疹が出ていた。

どーなっちゃったの?
あたいのオシリ…
と、天を仰いで
嘆いてしまった。

とても耐え難い痒みだったので、
さっそく行きつけの皮膚科に行くも
「15~20日休診」の張り紙を見て
愕然とした。

仕方なく、ネットで
近場の医院を検索して、
初めての処に行ってきた。

行きつけの主治医のとこでは、
1時間以上待ちが常だが、
ここは、コロナのせいか…
30分ほどで診てもらえた。

患部に粘着テープを当てて
細菌検査もしてくれたが、
菌類はいなかったので、
ザコツで長らく湿布してたことが
原因かも…という診立てだった。

ステロイド剤をもらって
さっそく塗布しているが、
今朝方も激しい痒みで目が覚め、
掻くとよけい酷くなるから
掻くまいと堪えたが、
身悶えするほどの激しい痒さであった。

ザコツ痛に変わって
オシリ痒になるとは…。

これも、
心身の健常化のための
デトックスの通過儀礼、
大病を小病にお奉り替え頂いている、
と信仰的に解釈して、
なんとかお礼を申し上げようと
努力している。

痛いとこ、痒いとこ有りながらも、
それでも、生きてゆく…
というのが"生身の人の生"
というものなのかもしれない。

ならば、
この痛みも、痒みも、
悶絶しながらも味わえよ、
というものである。

コロナだ、長梅雨だ、猛暑だ…
と環境とて楽じゃぁない・・・(笑)。

それでも、生きている。
とりあえず、生きている。

先ず、生きている…
のを、「先生」と言うそうな。




そろそろ寿命っぽいなぁ…と、
懸念していた寝室のエアコンが
突然、機能停止してしまった。

連日の猛暑で、
日中と夜中をフル稼働させているので、
時折、停止させて休ませながら、
冗談でなく、手を合わせながら、
今日もありがとう、
頼むから壊れないでね…と、
祈っていたが、
とうとう逝ってしまった。

前の前の家に
京都から越してきて、
カミさんが豪気にも
4台まとめて購入した一台なので、
もう、25年も働いてくれたものである。

子ども部屋のは先に故障して、
去年、換えたばかりである。

カミさんの寝室のも
何年も前に故障しているが、
豪気にもエアコンなしで、
今も熱帯夜を
「アチー、アチー」
と言いながら寝ている(笑)。

*

そんなんで、
親の代から我が家の
家電一切を任せている
近所の電気屋さんに来てもらった。

もう顔馴染みなので、
パナソニックの特約店なのに、
いっちゃん安上がりの方法を相談したら、
『パワーコメリ』でニイキュッパの
冷房専用機を買ってきて
付けてあげるとのことで、
それだと一切合切で
5万代にあがるというので、
願ったり叶ったりであった(笑)。

やはり、
こういう時は、
出入りの電気屋さんは
「家電の主治医」然として
頼りになるものである。

ちなみに、
カミさんがオーダーした
子ども部屋のやつは
CM物の『エオリア』で、
3倍もするという。

退職金リッチなカミさんは、
金に糸目を付けぬ質(たち)なので、
丸投げお任せで
居間と二台取り替えて、
いくらかかったか忘れたという(笑)。

そのくせ、
自分の寝室には
エアコンを入れようとしないので、
このシト、冷房がキライ婆さんなのかも…(笑)。

あたしゃ、
虚弱・病弱ジイの
熱中症体質なので、
冷房なしではマジで生きていけない(笑)。



・・・んなわけで(笑)、
緊急要請だったが、
さすがに繁忙期の
オヤッさんの手が空くまで
三日は待たねばならず、
それまでは、エアコンの効く
隣室の仕事場で起居している。

いつもは、
カウンセリングや
ギターレッスンしている部屋で
寝起きするのは初めてだが、
初日こそ違和感があったものの、
書室のテレビと
寝室のブルーレイ・レコーダーを
持ち込んでセットしてみたら、
なんだか合宿してるみたいで、
これはこれで、夏休み中の
退屈しのぎになりそうである(笑)。

ただし、
クーラーが設置される明日までは
カウンセリング予約は
承れない状態である。

ついでに、
寝室のベッド下も
何年かぶりに掃除できた。




録画していた
『あやしい彼女』を
観てみた。

韓流映画のリメイクらしいが、
物語よりもヒロインの
多部 未華子の歌唱シーンが
印象的だった。

リサタイルで
6年間アンコール曲として演奏した
『見上げてごらん夜の星を』他、
『真赤な太陽』『悲しくてやりきれない』
など60年代の名曲を
多部自信が熱唱しているが、
これがなかなかに佳かった。

劇中のロックフェスで歌った
『帰り道』というのは
本作のオリジナルだが、
これもカッコよく歌っていた。

レヴューによれば、
彼女は、歌は大の苦手らしく、
この役のために、
トレーナーから3ケ月の
特訓を受けたという。

ヴィブラートこそ出来ないが、
音程は正確で、
ストレートでキュートで
パンチの効いた歌声は
聴きごたえがあり、
なにより、歌手になりきるという
女優の表現力というものは
凄いものだと感心した。

アップの表情は、
宮崎 あおいと加藤 紀子にも
どことなく似ていた。




『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』
という映画には驚いた。

娘のひとりが
天才ピアニストの母親の
私生活にずっと入り込んで、
現在の姿と、これまでの人生について
深く尋ねて、彼女の時々の心情や
自らの思いなどをも赤裸々に
描き出していた。

高校時代に
アルゲリッチに文字通り
惚れ込んで、
さながらアイドルのように
"お熱"だった時期がある。

その美貌と
ほとばしるような才気に
圧倒され、明けても暮れても
アルゲリッチばかり聴いていた。

なにより、
彼女の黒髪に白い肌、
時折見せる射るような眼に、
あどけないような笑顔…
といった容貌が、
中学時代に恋い焦がれていた女の子に
何処となく似ていたというのもある。

このドキュメント映画では、
アルゲリッチの奔放な側面が
描き出されていて、
まさに波乱万丈の生涯を感じさせた。

印象に残ったシーンは、
娘のリダは生後すぐに
養育院に預けられたり、
その中国人の父は
ピアノをやりたいと言う娘に
「母親には絶対勝てないから、
やめた方がいい・・・」
と言われてヴァイオリンをやった
というのがあった。

そのリダも、
「ママは美人で、有名で、
そして、天才だ…」
と評し、今は、一緒に
室内楽をやっている。

別府の「アルゲリッチ音楽祭」で、
日本特有の形式ばった運営に、
楽屋では
「仰々しいのは大嫌い…。
イライラしてきた…」
と忌々しい感じで舞台に向かい、
関係者の待ち受ける舞台袖で
「体調が悪いの…。
とても、ピアノを弾く気分じゃない。
やめたい…」
と不平不満を撒き散らしていた。

それでも、
舞台へのドアがサッと開けられると
颯爽と進み出て
深々とお辞儀していた。

このあたりに、
彼女の"キャンセル魔"という
片鱗を垣間見た気がした。

2歳8ケ月でピアノをはじめ、
4歳から人前で演奏し始めたというから、
生まれながらのピアニストなのである。

・・・と、同時に、
二度も結婚・離婚し、
三人の国籍の違う娘がいる
母親でもある。

離婚後の憔悴で、
重症のうつ病にもなり、
2年間、活動をやめた期間もあったという。

彼女の母親も登場したが、
かなり風変りな人であった。

父親に溺愛されて育った
"父の娘"であった。

作曲家の中では
シューマンがいちばん
自分の魂に通じるものがある、
と断言していたので、
改めて、彼女のその演奏を
聴いてみようと思った。

高校時代は、
『子どもの情景』を聴いて
第1曲目の
『見知らぬ国と人々について』に魅了され、
今もそれを弾いている。

『幻想小曲集』もよく聴いたが、
その中の『飛翔』も
凄い演奏だなぁ…と、
当時、驚いた記憶がある。








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文字コラージュ

2020-08-18 05:26:00 | アート
連日の熱帯夜続きなので、
どうしても眠りが浅く、
極早朝に覚醒してしまう。

朝4時頃には
明るくなっているので、
“目が覚めたら朝”
ということにしている。

毎朝のルーティンは、
台所でアイス・コーヒーを作って、
新聞を取り、
ゴミがあればゴミ出しに…
である。

きのうは、
前々から考えていた、
手習いの巻紙(障子紙)を
廃棄する前に
いちど全部拡げてみよう、
という思いを、
近所のプレオ(園芸店)の
駐車場で実行してみた。

こういう愚行は
人目のつかない早朝に限る(笑)。

都合よく、
コーンがあったので、
そこに先端を止めて、
巻紙の芯に両人差し指を突っ込んで
トイレットペーパーを回す要領で
クルクルクルと拡げてみた。

お他人様に見られたら
さぞかし奇行にも映るだろう。

でも、
やってるほうは
童心に返ったみたいに
「おっ。まだまだ行くな…」
と、けっこう
ワクワクもんである(笑)。

民報のアホ番組なら、
「車4台分の長さですッ!」
と女子アナが
叫ぶところだろう(笑)。

夏休み中の
わずか数週間のお稽古の足跡が
地層の堆積を見るように
時系列的に見てみてると
わずかながら進歩上達の跡が
見て取れた。

楷書に始まり、
途中から墨色に飽いて
顔彩の七色に変わり、
行書の週刊には
字体がうねり…と、
その変化(へんげ)の様も
面白かった。

回収は、
また端っこから
トイレットを巻き取る要領で
クルクルクルと時間をかけて
元の筒状にした。

そのまま
放(ほ)かすのも
なんだか惜しい気がしたので、
書室に戻って、
いま一度拡げてみて、
一千以上の字の中から
気に入ったものをカッターで
切り抜いた。




“貼り交ぜ屏風”のように、
「切り抜き字」を
色紙にコラージュして
唐の古文書みたいに
家族中の陰陽落款を
押しまくった。

これはこれで、
なんだか、モダンアートっぽく、
「真行草」の「草」の“遊興”として
いつか室礼に飾るのも面白かろう。





2008年に
色鉛筆で描いた
我が庭のサクランボを
顔彩で彩色し、
「2020.8」のサインに改めた。

今年も
こんな感じのサクランボが
収穫できたので、
あの時の喜びを
改めて別の絵具で
表現したかったのだと思う。

これならば、
額装したら、どなたかへ
差し上げても恥ずかしくはない。

この3月にも
Y中の同僚で
SCコーディネーターを務めてくれた
新卒のK先生に、
お気に入りだった
『水庭で遊ぶ子どもたち』
という作品を
お餞別に差し上げて
喜んで頂いた。





盛夏に狂い咲きした
庭の木瓜(ぼけ)が
さすがにこの猛暑で
冷房の効かない玄関では
萎びてしまったので、
庭に咲いていた月見草に
活け換えた。

夏の茶花は
花入れの水面が見えたほうが
涼しさを表現できるのだが、
生憎とぐらつくので
蓋をせざるを得なかった。

茶花は利休居士の
「花は野に在るやふに」
という遺訓に従い、
“投げ入れ”とし、
乾山は用いないのである。


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お見舞い

2020-08-17 03:47:00 | 頂きもの
同世代のドクターに、
10年来、クライエントを
何十人か紹介させて頂いており、
そのご返礼に恐縮にも
盆暮れにはお中元とお歳暮を
頂いている。

リサイタルにも
ご夫婦でおいで頂き、
お祝いを頂戴し、
返礼の拙い自家製CDにも
お喜び頂いた。

そんな先生が、
お盆前に過労で倒れられ、
救急搬送されたというので、
驚いて心配したが、
幸いにも、今は回復され、
自宅静養されているとの事だった。

そんな大変な時にも、
ちゃんとお心遣いを頂いたことも
勿体なく思わせて頂いた。



いつも、
拙著とCDと共に
ワープロによる令状をお送りしていたが、
今回は、書の稽古を毎日していたので、
お見舞い状として
“心を込めて”一字一句ずつ
丁寧に手書きした。

直筆文を書くのは
夏休み前の執務記録来で、
ひと月ぶりだったが、
毎日、練習していた漢字が
けっこう出てきて、
行書も適度に交えて
スラスラと書くことが出来た。

まさに、
楽器に限らず、
無駄なお稽古はない・・・
とも実感した。

また、
“書をする”という
実用的な意味をも
悟ったような気がした。

そう…。

演奏に「本番」があるように、
書においても、
これがそれなんだなぁ…
と思った。

毛筆と硬筆を
毎日、交互に稽古していたのも、
極細筆ペンでお手紙をしたためるのに
ちょうどよかった。





最近、果物を
“皮ごと喰らふ”
という事に取り組んでいる(笑)。

Eテレの『クールジャパン』の
影響なのだが、
外人さんは何処の国でも
フルーツの皮は剥かないという。

皮と実の間にこそ
果物の旨味・酸味がひそんでいて、
それを除去する日本人はオカシイ…
というのである。

言われてみれば、
魚も皮と実の間の
“皮ぎし”に脂や旨味があり、
肉も骨際が美味い。

なんと!
番組の街頭インタヴューでは、
オーストラリア人は
キーウィまで皮ごと食べた!!

あのモサモサした
毛深い皮をも苦にせず
女性もガブリとやるのである。

これには、
MCの鴻上氏も驚いていた。

でも、物は試し…である。

今日は、
冷蔵庫にあるのを
いっちょ、やってみようかと
目論んでいる。

口ん中が
ザラつくやろなぁ…
とは容易に想像がつくが…(笑)。

でも、
皮と皮ぎしの旨味…
というのも
味わってはみたい。

考えみりゃ、
野生の獣たちだって
みな皮ごと喰らってるもんなぁ…。

してみりゃ、
日本固有の果物ナイフなんつーもんは
欧米にはないんだなぁ…。

ペティ・ナイフというのはあっても、
もっぱら、ジャガイモの皮剥きや
タマネギの芯取り用だもんねぇ…。

そういや、
国産でバナナ栽培に成功した
岡山の農家では
バナナを皮ごと喰ってみせたのを
『旅サラダ』で視たことがある。



スモモは、
皮ぎしが飛び上がるほど
酸っぱかった(笑)。

スモモも桃、モモも桃、
桃も色々ある…
という言葉遊びがあった。





きのうは、
散歩がてら、
いつもの古書店巡りコースで、
近所に密集している
「ブックオフ」「ツタヤ」
「万サイ堂」を回った。

そしたら、
万サイ堂で、
マンガを買おうか
パラパラと試し読みして
検討していたら、
初めて、女店員に
「立ち読みはご遠慮ください」
と注意された。

こっちは、
タダ読みでなく、
ちゃんと買おうかどうか迷ってたのに、
なんだか、ちっとばかり
ム…とした。

見たら、
店内のあちこちに
「コロナ感染防止のため
立ち読みはご遠慮ください」
の張り紙がしてあった。

そして、
あらためて、周囲を見回したら、
普段はわんさかいる
立ち見客が全くいなくって
スカスカ状態だった。



ツタヤの古書コーナーで、
ペーパーバックの
コンビニ本で
『まんだら屋の良太』
という初めて見るのを
“引いて”きた。

かつて、
ヤフオクの黎明期に、
“背取り”をして
月商5~10万の副業を
していたことがある。

「本の背表紙を見て引く」
というのは、
業界用語で、
転売できそうなものを
買い集めることである。

子どもたちが幼い頃は、
市内と郡山の8店舗ある
ブックオフを毎月回って
100円本を500冊ほど仕入れていた。

それを、
始まったばかりのヤフオクで
一冊600円で転売していたが、
飛ぶように売れて、
発送作業に子どもたちまで
駆り出してバイト代を払っていた(笑)。

本が好きで、
本の目利きで、
あらゆるジャンルに精通してることが、
“背取り”には要る。

昭和期の『明星』や『平凡』なぞは、
600円で出しても
オークションで競り上がり、
数千円にもなって
10冊ほどで7.7万になったこともあり、
当時は笑いが止まらなかった(笑)。

しかし、我が世の春は
長続きせずに、
アマゾンの登場で
「1円古本」にやられて
あえなく500冊の在庫抱えて
転売業も倒産してしまった(笑)。

なので、
負債額は5万で
トーサンである(笑)。



『まんだら屋』は、
けっこう面白かった。

作者は、つげ義春と同世代で、
近所に住んでいて
親交もあったようだ。

だから、
雰囲気が『ガロ』っぽく、
つげ風でもあり、
所々、貸本時代の水木風でもあり、
泉昌行風でもある。

下ネタ満載の猥雑感は、
まさしく昭和風テイストで、
“こっつぁかなさ”(くだらなさ)も
昭和親爺のツボでもあった。

全巻ほしいなと思って
あれこれ見たら、
全53感で4~7万もするので、
こりゃまた、古書店を
足しげく巡って
100円本を探した方がよさそうである。









コメント
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