転勤が内定したので、
6年間でおよそ280回通った
福島-棚倉路勤務も
残すところ
あと6回となった。
高速通勤もなくなるので、
冠雪の安達太良山も
そろそろ見納めである。

矢吹ー棚倉線にある
小川や水辺風景とも
しばしのお別れである。
7月のアタマに、
講演依頼を受けたT幼稚園に
再来する予定があるので、
夏の棚倉路にきっと
懐かしさを覚えることだろう。
沿道の竹林では
よく通退勤時に
筍ハンティングをしたものである。
もう、ここで
筍採りできなくなるなぁ・・・と、
ちっと、さみしくも思った。

新車で、
高速の夜間走行も
行った。
計器類が旧車とは
配置が違うので、
視認の順を確認した。
本線から
ICのアプローチ・ロードに
進入する手前100mくらいでは
航空機の着陸マニュアルと同じく
「アプローチング・ミニマム」
とセルフ・コールして
機速(車速)を80km/hにダウンさせる。
そして、アプローチ内で
「ミニマム!」
とコールして
50km/hまで減速し、
ゲート前でさらに30km/hまで
スロットルを絞る。
高速では誰もが
黙々と無意識でやってることだが、
このセルフ・コール方式は
旧国鉄(JR)の「指差確認」と同じくらい
安全操作の手続きだと思っている。
ICやジャンクションで
合流する時には、
ナビから
「合流があります。ご注意下さい!」
とヴォイス・コールがあるので、
「ラージャー」
と応えて、指差視認後、
他車が来なければ
「ノー・エアクラフト」
と安全コールする。
要は、
高速運転・・・
じゃなく「操縦」が
退屈なので、
ゲーム化して遊んでるだけである。
購入したのは
第四世代ムーヴらしく、
現・第六世代ムーヴは
センター・インパネでなくなっている。

BSの『クラシック倶楽部』で
パク・キュヒの一時間物があったので
予約録画して視聴してみた。
ライヴではなく、
横浜にある古民家での収録で、
デッドな音場である
戸外で弾いたりしているので
CDのようなミキシング処理がされ、
映像と音像の乖離に違和感があった。
それでも、
現代のギタリストでは
注目株のひとりなので、
じっくりと視て聴いてみた。
村治佳織ちゃんは
白石でのリサイタルを聴いたが、
まったく感動しなかった。
ここ二十年、
いろんなギタリストを生で聴いたが、
感動したのが全くなくって
困惑している。
感性が鈍ったのかと
一時、心配もしたが、
オケや映画や小説では
ちゃんと感動するので
ボケちゃったわけでもないようだ。
思うに、
最高のテクニシャンで
超美音の持ち主だった
渡辺範彦さんの全盛期を生で聴き、
超絶技巧の天才・山下和仁も
長らく生で聴いてきたので、
ちょっとやそっとのギタリストでは
感動しなくなったのかもしれない。
キュヒちゃんも
たしかに巧い。
テクニックにキレがあり、
指がよく廻る。
歌心も感じられる。
感心はするのだが、
感動はしない。
ヒナステラやブローウェルの
難しい『ソナタ』を
見事に弾いていたが、
ちっとも感動しないのは
曲が佳くないのだろうか、
とも思ってしまった。
極論すれば、
音楽史上の大海にあって、
バッハ、ハイドン、
モーツァルト、ベートーヴェン、
ショパン、チャイコフスキー・・・
etc、エトセトラ…という、
錚々たる天才・楽聖たちの
名曲と比肩し得るものか・・・。
否。
そんな佳いもんじゃない。
どちらも
特殊奏法を多様した
ラテン系作曲家の
ギターに限局した
特異的な曲なのである。
著名作曲家でも、
全作品の中には
凡作・駄作もある。
作曲家の全集物を集めていると、
有名でない曲というのは、
やはりキャッチーなメロディーや
リズムに乏しく
魅力がないものである。
最近も、
ドヴォルザークの交響曲全集を
1番から繰り返し聴いているが、
2番、3番なぞは何度聴いても
耳に残らないし、口ずさめない。
それが、
7、8、9番という
有名曲になると
スッと入ってくるのは、
やはり曲に佳さがあるのだろう。
モーツァルトや
ベートーヴェンのピアノソナタでも、
有名でないものは、
楽譜の構造上、構成上は
見事で美しいが、聴いては
ちっとも心に響かないものもある。
***
キュヒちゃん。
最後に
『愛のロマンス』を弾いた。
そのテンポの速いこと。
まさに淡々と
スラッと
一陣の風のように弾いた。
ファイナル・リサイタルの
冒頭で弾く予定の
『禁じられた遊び』の
テーマ曲である。
ルネ・クレマンの映画を
二度ほど見て、
そのBGMとしての
イエペスの演奏が脳裏に
こびリついているが、
それは、別な意味で、
淡々とはしていたが、
それなりに叙情性はあった。
それとも、
映画の名シーンと
脳内で結びついてるが故の
錯覚的な感傷なのだろうか。
なんだか、
小4から飽きるほど弾いていて、
今更、どう弾いていいのか、
さっぱりワカラン状態になっちまった(笑)。
はたして、
あと2ケ月で
ファイナルの“皮切り”に
“ファイナル・アンサー”が
出せるだろーか。
ヾ(?Д?) ノ モウ、ワカンネ~!!