神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

利源隆の安化黒茶講座

2018-07-08 | 麗香茶課
先月末のことになりますが、湖南省の「利源隆茶業」総経理・呉昱瑾氏の講座を
麗香茶課でお手伝いさせていただきました。

湖南省の黒茶は日本ではまだ知名度がそれほど高くありませんが、
茶の生育に適した環境の中で良質の茶葉から作られる安化黒茶は美味しく効能があり保存も効きます。

今回の講座は、現地を訪れ、呉氏と懇意にされている「茶友の会」の佐々木さんと山本さんの
日本の中国茶ファンにも広く安化黒茶の素晴らしさを紹介したいという強い思いから実現しました。

講師の呉氏は若くて可愛らしいのですが、
父君は安化黒茶のパイオニアで利源隆茶廠の董事長、呉建利氏。
小さい頃から茶に囲まれ、茶歴は年齢と同じとおっしゃるだけあって、
茶の知識も聞き茶も茶の淹れ方も素晴らしい。

プロジェクターを使いながら安化黒茶の歴史や製法をご説明いただいた後、試飲タイムに移ります。

まずは三磚茶(黒磚茶、茯磚茶、花磚茶)を飲み比べます。



金花がつき、独特の香りを持つ茯磚茶が今は生産量が一番多いそうです。

そして、安化の黒茶と言えば名が知られているのは千両花巻茶。
千両というのは重さの単位で、竹ひごで編んだ筒状の籠に茶が詰められ、その大きさは長さ150㎝、重さ36.25kg。
輸送のために考えられた形で、キャラバンが安化の街を起点とする「万里茶路」の道のりを北へと運んでいきました。

1958年、新中国の経済政策「大躍進」によって従来の製法による千両花巻茶はいったん生産がとだえます。

その安化千両茶を復活させた四名の中心人物のうちの一人が呉建利董事長。
当時は白沙溪茶廠の廠長でした。
1997年に300本作り、以後は千両茶を作る工場が増え、今や安化のほとんどの茶廠が作っているそうです。

試飲させていただいたのは、
2016年洞市府千両花巻茶
2005年千両花巻茶
1997年復刻版千両花巻茶
の三種類。

洞市府と言う名前がついたお茶は
海抜600m以上の放置農園の茶葉を使っているものに限られます。
2011年からこの名のお茶が作られるようになったそうです。

1997年復刻版はまさに呉董事長らが復活させた最初の千両花巻茶です。
今回は特別に崩したものをお持ちくださいました。

古い千両茶は煮出した方が美味しいとのことで、鉄瓶で煮出したものをいただきました。
最初はかすかに漢方薬のような香りがして、煎が進むにしたがって甘露のような美味しさが出てきました。

たいへん貴重なお茶をいただき、安化の黒茶についても理解を深めることができました。

呉総経理と利源隆のスタッフの方に御礼を申し上げます。
そして佐々木さん、山本さん、ありがとうございました。



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