今年もまた三百人劇場で「ソビエト映画回顧展」開催中。
でも無念にも、この劇場は年内に閉館してしまうのだという。
三百人劇場でソビエト・ロシア映画に出会ってから幾年か。
いろんなことがあったなー。
通い始めたころは、いつ行っても大盛況だった。
雨のなか、大行列に辛抱強く並んだこともありました。
立見で人垣の間からのぞくようにして見たのは『石の花』。
爪先立ちして見ていたら、押され押されてふと気がつけば、
かかとを下ろそうにも下ろす隙間がナイではないか!
そのまま爪先立ちを余儀なくされて終わるころには膝がガクガク。
当時、ソビエト・ロシア映画を見るのは体力勝負でした。
そもそも長編が多いところへもってきて、
「千石くんだりまで来たからにゃ!」と回数券を買って
2本続けて見るのが義務のようになってたし。
最大の危機に瀕したのは、『オブローモフの生涯より』鑑賞時。
座席は確保できたものの、ちょうどお昼どきで
観客がいっせいに食べ始めた弁当の匂いで吐き気を催し、
エンドロールが終わりかけるや脱兎のごとくトイレに飛び込んだもの。
あー死ぬかと思った!
苦しい思い出とともに、脳裏に焼きついたこの名画、
今でも大好きな作品のひとつである。
あのころは、いかにも「ソ連おたく」といった感じの
地味な学生や学者先生ふうが集っていたものであるが、
いつのころからか、ごく普通の映画ファンの姿が増え、
かわりにかつてのような混雑は見られなくなったように記憶する。
それでも、ロシア映画上映という貴重な機会を逃すまじと、
ここには往年のロシア好きがどこからともなく現れる。
ロゴスキーN氏とばったり会ったこともあったけど、
あれはなんの作品のときだっけ。
エイゼンシュタイン、タルコフスキー、ミハルコフの
大半の作品を見たのもこの劇場だったし、
『アエリータ』のアヴァンギャルド美術に酔いしれ
『ジャズマン』のユーモアに心地よく笑ったのもここだった。
三百人劇場がなくなってしまったら、
もう千石という場所に行くこともないだろう。
ロシア映画の上映は明日18日が最後。寂しいかぎりである。
でも無念にも、この劇場は年内に閉館してしまうのだという。
三百人劇場でソビエト・ロシア映画に出会ってから幾年か。
いろんなことがあったなー。
通い始めたころは、いつ行っても大盛況だった。
雨のなか、大行列に辛抱強く並んだこともありました。
立見で人垣の間からのぞくようにして見たのは『石の花』。
爪先立ちして見ていたら、押され押されてふと気がつけば、
かかとを下ろそうにも下ろす隙間がナイではないか!
そのまま爪先立ちを余儀なくされて終わるころには膝がガクガク。
当時、ソビエト・ロシア映画を見るのは体力勝負でした。
そもそも長編が多いところへもってきて、
「千石くんだりまで来たからにゃ!」と回数券を買って
2本続けて見るのが義務のようになってたし。
最大の危機に瀕したのは、『オブローモフの生涯より』鑑賞時。
座席は確保できたものの、ちょうどお昼どきで
観客がいっせいに食べ始めた弁当の匂いで吐き気を催し、
エンドロールが終わりかけるや脱兎のごとくトイレに飛び込んだもの。
あー死ぬかと思った!
苦しい思い出とともに、脳裏に焼きついたこの名画、
今でも大好きな作品のひとつである。
あのころは、いかにも「ソ連おたく」といった感じの
地味な学生や学者先生ふうが集っていたものであるが、
いつのころからか、ごく普通の映画ファンの姿が増え、
かわりにかつてのような混雑は見られなくなったように記憶する。
それでも、ロシア映画上映という貴重な機会を逃すまじと、
ここには往年のロシア好きがどこからともなく現れる。
ロゴスキーN氏とばったり会ったこともあったけど、
あれはなんの作品のときだっけ。
エイゼンシュタイン、タルコフスキー、ミハルコフの
大半の作品を見たのもこの劇場だったし、
『アエリータ』のアヴァンギャルド美術に酔いしれ
『ジャズマン』のユーモアに心地よく笑ったのもここだった。
三百人劇場がなくなってしまったら、
もう千石という場所に行くこともないだろう。
ロシア映画の上映は明日18日が最後。寂しいかぎりである。
それにしても、本当に閉鎖は残念でなりません!
久し振りに訪問したところ、目にした記事が「三百人劇場の年内閉鎖!」。「満員のため、爪先だって辛うじて名画を鑑賞した」などの貴重な想い出の開陳、有難う御座います。
この劇場で私が鑑賞した映画と云えば、プロブレーマちゃんも堪能された「オブローモフの日記」の他に、「ストーカー」「惑星ソラリス」「鏡」「戦争と平和」、そしてセンゲレーエフ監督の傑作「ピロスマニ」など、枚挙に暇がありません。
特に「ピロスマニ」のフィルムは、日本国内の各地で散々上映されてきた所為でしょうか、画面全体の粒子が粗く、常に上からザーザーと雨が降っている状態にまで劣化していました。しかし、映画内容そのものは流石にしっかりと纏まっており、ソビエト連邦の僻地・グルジア共和国にて撮影された原作の雰囲気を十分に堪能できました。
この映画では、話の展開よりも寧ろ、映画場面の一齣一齣が、監督の入念な計算に基づいて演出・撮影され、まるで泰西名画が一作づつ巡回展示されていく様な運びとなっており、映画場面の一つ一つが、監督の情念が篭められた名画のような按配で、漫然と絵を眺めているだけでも十分に堪能できた作品です。
また一つ、文藝路線の映画館が閉鎖されていくとの由、これは時勢とは云え、寂しいですね。
お元気で。2006/08/27(日) Yozakura 敬白