私の通っている歯科医では、毎月初めに歯の磨き方チェックをしてくれます。
受診する直前には歯を磨いてから診療に臨むのですが、歯垢を着色する薬を歯に塗ってみると、磨き残しがくっきりと濃い青色で浮かび上がります。
磨き残しになるのは大抵歯と歯の隙間で、歯科衛生士さんは歯ブラシでそこをきれいにしてくれながら、「残るのはここですね。歯ブラシを歯に当てたら大きく動かさないで、細かく動かしてくださいね」と同じように教えてくれます。
こちらも毎月のことなので、ここがいつも指摘されるという部分をとくに熱心に磨くのですが、今度はその周辺に磨き残しが出る始末。
毎回「今回はここの汚れが取れていませんねー」と汚れを指摘されるのを聞いているうちにわかったことがありました。
それは、歯科衛生士さんは汚れに色を付けているからどこが汚れているかわかるのだ、ということ。
逆に言うと、私が一生懸命磨いても磨き残しをするのは、汚れがどこにあるかがわからないからなのです。
「考えたら、汚れに色がついて汚れの場所がわかれば、私もそこを集中的に磨けば良いだけのことなんですよね」と言うと、「そうですよね、汚れに色が付く薬をあげましょうか?」と言うので、「いえ、考えたら家にもありました」と答えました。
よく考えたら、いつも歯磨きをする洗面台のところに、汚れに色のつく薬があって毎日眺めていたのでした。これを使えばよいだけだったのです。
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不都合なことも、目に見えればよくわかるし、逆に見えないとなかなか理解ができません。
「これは大問題だ」と感じたり思ったりしても、それを他の人に伝えようと思うと、わかるような工夫が必要です。これを「見える化」と言います。
社会問題も仕事の上の課題も、自分だけがわかるというのでは協力者も得られにくいでしょう。
まずは問題の所在がどこにあるのかを目に見えるようにしてこそ、そこから先になにを為すべきかがわかるようになるというものです。
歯医者さんで、舗装事業のこれからに思いが繋がるとは(笑)