北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北東京を巡る~谷中・根津・王子・十条・板橋・巣鴨

2007-07-21 23:03:36 | 東京ウォーク
 気温もそれほど上がらず涼しいくらいの一日。日差しも弱くて外を巡るには最高の一日。週末は東京巡りです。

 文京区春日にある貸し自転車場を起点にして、今日は北方面への足を伸ばすつもりです。

 今日は電動自転車を借りてみました。どんなものだか一度乗ってみたかったのです。料金は他と変わらず一日500円。左に電気のはいるスイッチがあって、右にはふつうの自転車と同じく三段の変速機能もついています。スイッチを入れなければ少し重たいだけの普通の自転車です。上り坂にだけ使えば良さそうです。

  

  

  

 そんな自転車でまずは「谷根千(やねせん)」と呼ばれる、谷中・根津・千駄木方面へ向かい、根津神社へ。

  

 ここ根津神社は、日本武尊が千駄木の地に祀ったと伝えられる古い神社で、文明年間には太田道灌も社殿を奉建しているそうです。江戸時代の五代将軍徳川綱吉が、世継が定まった際に現在の社殿を奉建し、千駄木にあった旧社地から今の地へ御遷座したのです。
 宝永二年のこのときに五大将軍綱吉は、世に『天下普請』と言われる大造営を行ない、現在の権現造りの社殿・唐門・楼門・透塀等をつくり、これらは昭和六年国宝(現重文)に指定されています。

 後に六代将軍家宣は正徳四年に、江戸全町より山車を出し、俗に天下祭と呼ばれる壮大な祭礼を執行しましたが、江戸の三大祭りとは、山王祭、神田祭、そしてこの根津神社のお祭りなのそうだそうですよ。いや、立派な神社でした。

    ※    ※    ※    ※

 続いては谷中~千駄木の裏路地の密集地帯を散策。へび道路と呼ばれる左右にくねくねと曲がった道路を走ると「なんでこんな道路ができたのか」と不思議に思います。

 密集地区によく見られるのは元気のある商店街。よみせ通りを走っていると「谷中銀座」という路地があったので入ってみると、これがまた人通りが多く賑わいにあふれています。

  

 お腹がすいたので立ち食い蕎麦屋さんに入れば、店主のお爺さんとも会話が楽しめます。
「おじさん、地図にある『夕焼けだんだん』ってなあに?」
「そりゃ、店の前にある階段がそうさ」

  

「なんで『夕焼けだんだん』って言うんですか?」
「あの段々から観る夕焼けがそりゃきれいでな、それで夕焼け段々って言ったんだ。今はビルが建っちまって駄目になったがナ。このあたりは東京でもひときわ高いところでナ、富士山もよく見えたもんであちこちに富士見○○という地名があるんだよ」

  

「へー、おじさんは何でも知ってるねえ」「へっへっへ~」

 こういう会話ができるのが商店街の触れあいですね。それに、ただの階段が「夕焼けがきれいに見えた」というだけで地域の名所になるというのもすごい。地域の財産はこんなところに転がっているのか、という思いです。

    ※    ※    ※    ※

 それから今日は庭園巡りとしゃれ込みました。まずは六義園(りくぎえん)。

  

 ここは柳沢吉保が元禄15(1702)年に築園した本格的な大名庭園です。明治時代になって三菱の創業者岩崎弥太郎の別邸となり、その後昭和13年に岩崎家から当時の東京市に寄付され、今では国の特別名勝に指定された貴重な文化財です。すばらしく目の保養になりました。
 六義園の六義とは、中国の詩の分類法(詩の六義)にならい、古今集の序にある和歌の分類の六体に由来したもなのだとか。名勝はその名の由来を知るにも教養が必要なのです。

    ※    ※    ※    ※

 六義園に来たならすぐ近くにあるのが旧古河庭園です。ここは上野御徒町にある旧岩崎邸の洋館設計や鹿鳴館、ニコライ堂などを手がけ日本の建築界に偉大な足跡を残しているジョサイア・コンドルの設計した洋館が残されています。

  
  
 そしてこの西洋建築に、日本の庭園技術を併せ、洋風と和風の組み合わせの妙が観られるこれまた名園なのです。

 こちらの洋館は、内部の見学の時間帯を決めたボランティアツアーによらないと見せていただけないのがちょっと残念。洋館を観たければ時間を確認してから行くのがよいですよ。

    ※    ※    ※    ※

 そこからさらに自転車を走らせて、飛鳥山公園、王子から十条の密集地区などをぐるりと観て回りました。

 最後は板橋から旧中山道を通って帰ってきましたが、この旧中山道はずーっと商店街が続いています。そうして都電荒川線と交差するところにあるのが、以前も紹介した駅直結で甘味処のある庚申塚駅。

 その庚申塚というのは、巣鴨地蔵通り商店街の入り口にある猿田彦神社と一緒になったところ。
 そうか、やっと地図が実感としてつながりました。

  

 巣鴨地蔵通りはこれまた人通りの多い商店街ですが、一番の賑わいはやはりとげ抜き地蔵として知られる高岩寺です。

 観光客の多くはここへお参りに来て帰るというパターンが多く、賑わいのある商店街として巣鴨地蔵通りを見学して、「商店街にこうした信仰を集める施設があるとにぎわう」と感じがちです。

 しかしこの中山道はずっとこうした通りが続いているわけで、そもそもは周辺の住民の人たちとの密接なつながりがベースにあるということを知ることが大切です。

 はやらなくなった商店街にお地蔵さんを置いてもそれだけでは駄目なのです。

    ※    ※    ※    ※

 電動自転車は坂道ではぐいぐいと引っ張ってくれるので非常に楽。自転車乗りとして少し恥ずかしいけれど、はまりそうですよ。

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