北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

小さな店が生きる術

2008-06-22 21:46:16 | 東京ウォーク
 朝からいかにも梅雨らしい強めの雨が降り続いています。九州や東北の地震被災地の苦労が偲ばれます。

    ※    ※    ※    ※

 さて、単身赴任先の家の近くには一階で食料品、地下で衣料品を売っている中規模のショッピングセンターがあるのですが、その30mほど離れたところに家族経営の食料店があります。

 大きなショッピングセンターの近くの食料品ではお客はいないのではないか、と思いがちですがどうしてどうして、これが結構な人気のお店。かくいう私もまずはこちらで買い物をしてからショッピングセンターへ行くのです。

 自分自身がどうしてそういう買い物行動をするかを考えてみました。

 この小さな店には、
①ここで必ず買う安い商品(特に野菜類)がある
②良い品を薦めてくれることがある
③お店の人と会話がある
 という、大きなお店にはない特徴がある事に気がつきました。

 何を買うか迷うくらいに買い物を楽しむ人ならば数多い品揃えのお店の方が良いのでしょうが、野菜など大体買う品物が決まっているなら少しだけ安くて少しだけ新鮮な方が良いというものです。

 先日も長ネギを買おうとしたらレジで「お客さん、これを買うんだったらあの棚の下にある北海道のネギの方を買わないかい?柔らかくて美味しいよ」と話しかけられました。どっちもこの店で売っているのに、こっちのほうが良いよという会話はショッピングセンターではまずありません。

 昨日は常連さんとお店の人がなにやら会話をしたあとで、お客さんが「そりゃ良かった!おめでとうございます!」と喜んでいます。なんの事だろうと思って、「さっきのお客さんはなにをおめでとうと言っていたんですか?」と訊いてみました。

 すると「いや、うちの息子が自衛隊のレンジャーに合格したんですよ」「へえ、大変なんですか」「ええ、三日三晩寝かせてもらえないという試験みたいでね」 
 
 こういう会話を楽しめるのもこのお店に慣れてきた証拠なのかも知れません。小さなお店が大きなお店に対抗して生き延びるにはこういう戦略の違いを際だたせるのが良いということでしょうか。

 ショッピングセンターの袋を持ったままこのお店で買い物をしているお客さんもいたりして、客の側もお店を使い分けているようです。

 商売は単純な経済原理だけでもなさそうだ、という見本のようなお店。商売って難しいものです。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金融リテラシー | トップ | ありのすさび »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
街なかの商いも、 (サトー)
2008-06-23 16:12:45
難しいけれど、実はごくシンプルなことをしていないだけかもしれません。掛川の中心商店街も、商店街自体に集客力があった時代とは異なり、ついで需要が無くなったわけですから、商圏を広く捉えて専門店化を進めることを試みて欲しいのですがね。そのためにもアーケードを取り外すことで、ひとつひとつの店の構えをもう一度明らかにしてもらいたいなぁ。
返信する
余裕 (管理人)
2008-06-24 00:07:03
 いろいろな事にトライするのも余裕があればこそかと。だんだん試行がすぐ成果に繋がってくれないと辛くなってくるのでしょうか。

 目の前の道路を廃止して広場にしてみるとか、やってみたいことはいろいろあるのですがね。
返信する

コメントを投稿

東京ウォーク」カテゴリの最新記事