【先生、お久しぶりです】
東京大学名誉教授の月尾嘉男先生を迎えて、地域を考える「釧路湿原塾」が開かれました。
月尾嘉男先生からの講演タイトルは「足元の宝物で地域再生」。文字通り、全国各地で行われているさまざまな地元素材による地域再生の事例を紹介していただきました。
上勝町の葉っぱビジネスは、刺身のつまである葉っぱをお年寄りが集めて売りさばくことで、町のビジネスになりつつお年寄りがどんどん元気になるという効果を生んでいます。
高地の馬路村では町特産の無農薬ゆずを前面に押し出しつつ、既存の流通システムを使わずに直接販売をめざし成功しました。
山形県鶴岡市の加茂水族館は、見せるものに困って前の海で獲れるクラゲに注目。世界一のクラゲ水族館を目指したところこれが人気になりました。そんなころ下村教授がオワンクラゲの発光の謎でノーベル賞を受賞されたことから俄然注目され、来場者が大幅に伸びたのだそうです。
金や銀、レアメタルに至っても、もはや日本では携帯電話や家電の中に使われていて、今や都市鉱山と呼ばれるくらい、上手に回収すれば元々の鉱山よりもずっと効率的に回収ができるようになりました。
要は、あまり遠くに解決策を求めずにまずは身近なものに光を当ててみて、あとはちょっとした知恵をもって実践してみることが大切だ、ということですね。
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また、経済成長がそのまま国民の幸せに結び付いてきたのだろうか、という素朴な疑問が出始めていると言います。
ブータンでは1972年に、当時のブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク氏が「国民全体の幸福度」を示す“尺度”としてGNH(=Gross National Happiness)という指標を提唱しました。
日本ももはや人口減少局面に入ると、経済の大きさのGDPなどで順位を争っているようでは必ずじり貧になります。
そのことをもって、中国やインドなどに追い抜かれてゆくのをただ「情けない」と嘆くのではなく、別な指標を目標にしてそれに向かう国づくりをすべきではないか、とおっしゃいます。
そんな新しい指標として、GNC(=Gross National Cool:
国民総カッコよさ)など、日本が進んでいるアニメ文化や食文化、歴史と伝統などを指標化して日本の良さを前面に出した指標で国同士の対決をすれば、まだまだ日本は世界に冠たるクールな国として生きていけることでしょう。
そんなCoolさやHappinessを国レベルで競うのも良ければ、自治体同士で競うという話も出始めているそう。
荒川区ではGAHという指標を打ち出しました。GAHとはGross Arakawa Happinessといって、荒川区民の幸せの総量を上げてゆこうというのです。
こういうことを自治体単位で考え始めて競い合うというのも面白いかもしれません。
でもそうなると幸せを定義する必要がありますね。
幸せって何なのか、ちゃんと考えてみることが必要です。
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