今日は恵庭市で開催中の全国都市緑化フェア「ガーデンフェスタ2022」を見学に行ってきました。
大学では造園学専攻の私ですが、この間なんだかんだでずっと行けておらず、いよいよ開催期間が今週の日曜日までになった今日、ようやく現地を訪問できました。
開催会場は、国道36号線と漁川の交点にある「道と川の駅 花ロードえにわ」を中心施設とした公園で、メインの大きな円形広場を「はなふるエリア」として実に多様な花々で彩られています。
そもそも恵庭市はもう長いこと、市民による花のまちづくりが盛んな都市で、自分の家の庭を花々で飾ってそれを道行く人に見せるというオープンガーデンの文化が豊かに展開されていました。
地元には花と緑にまちづくりを熱心に行っている個人や団体も多く、行政が主体のイベントというよりは、市民の熱意が花を咲かせて一つの到達点と言えるでしょう。
以前一度日曜日のそれも真昼間にやってきて、駐車場に入れずに退散したという苦い思い出があるのですが、イベント開催期間の終了が迫ってきたこともあって、なんとしても見ておきたかったものです。
園内は大きなスケールの花壇から立体花壇、テーマ性を持った庭としての展示や協賛企業からの出展庭園など多彩です。
またただ広いだけではなく、高低差や立体感を上手に工夫して花々を単調に見せないような工夫も随所に見られます。
イベントとしての開催は6月25日から今週の日曜日の7月24日までの一か月間で、せっかく咲いている花々もイベント終了後には撤去されてしまうものがあるのだそう。
もったないような気もしますが、一か月にわたって約30万人の来客を迎え、花のまちとしての恵庭市の名を高らしめた恵庭市、そして市民の皆さんのこの間のご尽力に心から拍手を送りたいものです。
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恵庭市のエニワという土地の名は、 アイヌ語の「エ(頭)」+「エン(先が尖った)」+「イワ(岩)」に由来すると言われ、これは支笏湖の横に単独法としてそびえる恵庭岳のこと。
それに由来するエニワですが、今は静岡県知事になられた川勝平太さんが、以前"国際日本文化研究センター客員教授"であられたときに恵庭市へお迎えして講演をされたことがありましたが、その時に「エニワって、『恵まれた庭』ですよ、素晴らしいじゃありませんか」と激賞されたことを今でも覚えています。
またそれでいて、庭園というのはただ見て美しいだけではなく、これだけの花々を美しく見せるためには、朝早くから日中人目につかないようにしながらの花がら摘みや草取りなどの地道な手入れがあればこそ。
それがただ恵まれただけではなく、庭の文化を市民一人ひとりの力で守り育ててきたその継続の力が立派ですね。
イベントが終わっても、この経験と達成感が地域の誇りとなり続けることを願います。