札幌での熊騒動。
私のいた滝野公園をはじめ、支笏湖から森が続く南区や、手稲山をいただく西区での話かと思いきや、東区や北区にまで出るとは思いませんでした。
しかも家庭菜園に居座って作物を食べるどころか、住宅地で人を襲うという衝撃的な事件になってしまいました。
私はてっきり、南区から豊平川伝いに北上した挙句に住宅地に出てしまったのかと思っていました。
しかしどうやら、札幌の北部にある当別町の山に生息している個体ではないか、とのことでかなり意外でした。
報道では「水路がはるのでそこが通り道になっているのではないか」とのことでしたが、そうなると今後も防ぎようがないのではないか、と心配です。
また衝撃的だったのは、鉄条網の張られたフェンスをいとも簡単に乗り越えていった映像でした。
以前滝野公園で熊が出た際に、一定のエリアを守るために鉄条網を張ったのですが専門家からは「そんなものは効きませんよ。せいぜいそこを越えて行ったときに毛が引っかかるので後で『ああ、ここを越えられたか』ということが分かるとか、それで個体の遺伝子が分かるくらいなものです」と言われたのをまざまざと見せつけられた思いです。
四肢の肉球なら刺さるのじゃないかと思いきや、まったく気にしていませんでした。恐るべし。
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それにしても、相変わらず報道は衝撃的な映像を欲しがって、熊を追い回したり駆除のための発砲シーンを映し、それを各局が競う野次馬的な振る舞いが目立ち、気持ちの良いものではありませんでした。
このような市街地に熊が出るリスクがあるのが札幌市の縁辺部だという理解の上で、どのような対策と備えをするかが今後への反省でしょう。
…というより、もうすでに南区や西区ではこんな事件が起きていたわけですから。
南区では、耕作放棄された果樹の伐採や、森林との境界付近の草刈りを行うことで、熊が身をさらすことを嫌うような措置をしたりして効果を出しているところもあります。
かつて春の冬眠明けの熊駆除ができていた時代は個体数も抑えらえていましたが、今やハンターの高齢化や数の減少で、それも難しくなりました。
まちなかで熊スプレーを持ち歩かねばならない時代になるとは。
環境の変化はCO2だけではありませんね。