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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

半径300mの箱根観光 ~ 岡田美術館で充実した一日過ごす

2019-01-12 22:39:50 | Weblog

 

 昨日は、宿泊先でのパソコンの調子が悪くて、スマホによる短文のアップとなり、失礼しました。

 さて今日は、一日箱根観光で過ごします。宿泊は昨日と同じところなので、余計な荷物は持たずに、軽装で箱根を見て回ります。

 箱根には何度か来ていますが、今回は婿さんのお母さんも一緒の三人旅。

 娘夫婦の親同士では、ときどき一緒に会食などをする気の置けない仲なので、今回も両方の親(先方はお母さん一人)と子供と孫という七人旅なのでした。

 今日は妻の「箱根の滝を見てみたい」というたっての希望で、最初の目的地を小涌園のすぐ近くにあるという、「千条(ちすじ)の滝」にしました。

 宿泊先からバスに乗って小涌園で降り、そこからは徒歩で15分足らずで行けるくらいの、ハイキングにもならないような滝への道です。

 千条の滝は、幅30メートルくらいで、小さな滴りが石の隙間から数多く見られる、文字通り水の筋がたくさんある滝でした。

 これは、近くにあった箱根ジオパークの説明看板によると、滝の岩盤が火山の噴出岩の軽石が固まってできた岩だからだそうで、軽石の隙間からしみ出した水が流れ落ちているのです。

 しかも水は上流から湯気を発していて、少しは温泉も流入しているのでしょう。これもまた箱根らしい雰囲気を醸し出しておりました。


     ◆


 滝の後は、ここまで来るときの道すがらに見えた、ユネッサンス向かいの岡田美術館で時間を過ごすことにしました。

 ここをちょっと見学して、それからまた次の滝へ移動するつもりで、行きあたりばったりの短時間美術館見学のつもり。

 ところがこれがその後に、大変な目論見違いであることに気が付きました。

 まず、美術館入り口までのエントランスを歩いている段階で、正面のガラス越しに、俵屋宗達の描いた風神雷神を、何枚もの陶板の組み合わせで作った巨大な作品に度肝を抜かれます。

 館内での撮影禁止はもちろんのこと、「スマホもロッカーに預けてください」という強気の指導と荷物も金属探知機で調べられるという、厳重な著作権管理のなされた入り口を過ぎて中へ入ってみると、5階建ての建物内の展示面積の広さと、展示されている美術品の内容に圧倒されました。

 収蔵品の中心は、近世・近代の日本画と、日本・中国・韓国の東アジアの陶磁器ですが、その他にも土偶、埴輪、蒔絵、ガラスなどの工芸品などが含まれる、主にアジア文化を発信する美術館です。

 まだオープンしてから5年目ということで、地元でも新しい美術館ですが、十分に見ごたえのある展示内容です。

 受付の女性に、オーナーがどんな方なのか、を尋ねてみたところ、「精密機械の特許によって一代で財を成した方で、まだご存命」なのだそう。

 しかし、一代で財を成した方も世にたくさんいるでしょうに、このように内外の貴重な絵画や美術工芸品を集めて、保存・展示をするというのは、その財産の使い方として実に見事と感じ入りました。

 結局、午前10時くらいから17時の閉館直前まで館内で作品を見て回り、これで今日一日を過ごすことができました。

 見学中には、5階のホールで午前と午後に各一回ずつ、学芸員さんによる展示内容のミニ説明会もあって、展示作品にまつわる小ネタをたくさん教えてもらって知的刺激も十分。

 作品の説明も丁寧で、特に陶器などの絵柄に用いられる多くの植物にまつわる古人の感性のなんと多様で豊かなことか!

 こうした植物の話題は、造園の勉強をしてきた自分の知識に関わることが多く、新たな知識も増えて、よもや今日がこんなに脳をフル回転させる一日になろうとは思いもしませんでした。
  
 結局朝バスを降りてから、半径300mくらいの中で一日を過ごしたことになり、「最初の滝のチョイスが良かった」と笑いました。

 箱根観光の際は、ぜひ一日をかけるつもりでここを選択肢の一つにされることをお勧めします。

 はー、眼福、眼福。

【岡田美術館】https://www.okada-museum.com/

 

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