この先、週末が一か月間予定が詰まっていて動けないことから、今日は休暇を取って、かねてより行きたかった北海道博物館の「松浦武四郎展」に行ってきました。
平日とあってさすがにそれほど混んではいませんでしたが、それでも歴史好きと思しき高齢者の方が多く見学に来ていました。
北海道の名付け親と言われる松浦武四郎は、6度に亘って当時エゾと呼ばれた北海道を探検・調査し、そのなかでサハリンや北方領土まで足を伸ばしています。
彼の生まれた三重県松阪市には、松浦武四郎記念館があって彼の事績を今に伝える活動をしています。
今回の松浦武四郎展は、この松阪市の記念館の収蔵品のほか、北大図書館や北海道博物館などが所蔵する手紙やスケッチ、当時「たけしろうもの」と言われた印刷物などを展示して、彼の人物像を明らかにしています。
彼は終生旅の人でしたが、北海道を旅したのは、28歳から41歳までの間でした。昔の人は若くして事を成し遂げるものです。
彼の、彼の探検にはアイヌの人たちの助けは欠かせず、そうして知った、虐げられている姿に対しては当時の松前藩を厳しく断罪し、逆にアイヌの人たちには温かい目を注いでいます。
彼は新政府に開拓判官として登用されて、そこで蝦夷地に対する新しい名前としていくつかを提示した中で「ホッカイドウ」が採用されて、北海道の名付け親とされています。
新政府によるより良い祭りごとを期待した向きもありましたが、賄賂が横行して武四郎の声は届かず、彼は早々に開拓判官を辞任してしまいます。性格的にはきついところもあったようですね。
今回の展示では、唯一残された武四郎の写真で、彼が身に着けている勾玉などでできた大きなネックレスも展示されていて、彼の好古家の面も見せてくれています。
彼のおかげでアイヌ語地名もたくさん残りました。
北海道の恩人の姿を、この機会にぜひ一度見ておいてください。