北大での学生さんたちへの講義を終えてきました。
講義と言っても、パワポをネタにしながら公務員、社会人として世の中にどのように向き合うか、ということについての、半分は経験談です。
基本的なテーマは、昨日も書いたように、『課題を探し出し、持っている財産を駆使して解決できる方法を提案し、社会を変えて行こう』ということです。
それを踏まえたうえで、国土交通省の造園職であれば、世の中の様々な課題に対して、都市の中の緑やオープンスペースをフィールドとした解答を求められますよ、ということ。
これが環境省であれば環境のための規制政策や、フィールドとしての国立公園などの自然公園ということですし、林野庁であれば森林をフィールドあるいは財産と捕えて、これらを使ってどのような回答をプレゼンテーションし、世間の共感を得られるか、ということになります。
その本質さえぶれなければ、あとはどこへ行ったって当たる仕事は運と不運に左右されるもので、なんとかなると思って良いでしょう。
そして、これまでの課題に答えてきた施策を踏まえて、これからの人たちはこれからの課題に答えなくてはならんのだ、と。
そういう心構えができていれば、まあ何とかなる世界ですので恐れずに自分を広げてほしい、とまあそんなお話をしてきました。
学生さんからの質問のなかには、「転勤はどのようなことになるのか」という、転勤を気にするものもありました。
私からの答えは、「どんなに素晴らしい人でも同じところにいては限界が来るから、人を変えることでパフォーマンスをかえるべきだということでしょう」というもの。
また、問題解決型思考でいられればどんな土地でどんな立場になっても課題は見つかるし、それを一生懸命解決しようと努力すれば、人はその姿を見てついてくるし、信頼を得ることもできるでしょう。
いろいろな土地や立場を経験しますが、それは単に経験したから身につくというものではありません。
その立場で最善を尽くして、課題解決に向けて頑張ることで様々な知識や経験や支援者を得ることに繋がるのです。
就職希望の学生さんのなかには、国家公務員に受かっても、転勤のない地方自治体に合格すればそちらへ行くという傾向が見られますが、転勤を恐れて自分の今生の命を狭くすることはありません。
自分はいったいどこまで広がるものか、を試してみればよいのに、とも思います。
私の話が少しは役に立ったでしょうか。
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また変わったところでは、「女性が働くということをどう考えますか」という質問もありました。
安倍政権は女性の登用については積極的で、、来年度の国家公務員の三割は女性を採用するようにという強い方向性が示されました。
このことで女性に対して可能性が大きく広がったことでしょう。
質問者の趣旨の奥底には、「転勤や結婚、子育てなど女性には厳しい職場環境に置かれるのではないか」という不安があるようにもうかがえました。
しかしそれに対しての私の答えは、「女性が多く採用され登用されるようになれば、自ずから今迄通りのような仕事のやり方ではやっていけない環境になるということ。
今はまだ具体的にイメージされていませんが、女性が体も家庭も子育ても大事にしながら仕事を続けられかどうか不安だ、というのであれば、それ自身が『社会の課題』ということです。
だから誰かが『現状をこう変えましょう』と提案して職場環境を変えることも社会を変えることになるわけです。多くの女性にはそこを逃げずに立ち向かってほしいと思います」というもの。
女性の発想と参加がなければ、次の時代は成り立たないと思いますので勇気を持って社会に立ち向かえば良いと思います。
自分の子供よりも若い学生さんたちを相手にして、言いたいことを言うというのは気持ちが良いものです。
さて、少しでも優秀な若者が次の世代を、自覚を持って支えてくれることを願います。
君たちの未来は君たちが拓くのです。