北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

湿原の守り神、辻井達一先生の訃報

2013-01-15 23:45:54 | Weblog
 自然保護活動の大家として、また人格者として地域を良くご指導頂いた辻井達一先生が亡くなられた、との訃報に接しました。

 先生と最後にお会いできたのは、昨年11月21日に開かれた、先生の秋の叙勲での瑞宝小受章、並びにラムサール湿地保全賞を受賞されたことへのお祝いの会でした。

 先生には、「ラムサール条約湿地のこれから」と題した講演をしていただき、冒頭で釧路市を代表して先生をご紹介するという場面をいただきました。

 かつて北大農学部で先生の授業を受け、その後仮にもその教えを実現できる仕事をしてきた者として感慨もひとしおでした。

 またさらに、釧路市としてもラムサール条約締約国会議を開催するということへの多大なご尽力を戴いた事に関しては本当に感謝の限りです。

 先生は、「湿原の守り神」などとも呼ばれましたが、一貫して「自然はワイズユースが良いんですよ」と言い続けてくださいました。

 ともすると、触らせもしないような行き過ぎた保護になりがちな自然保護の世界におられながら、全身から滲み出るような優しさと、直接フィールドに携わられた経験から来る確たる見識が相まって、辻井先生の意見なら皆納得することもしばしばでした。

 何でも辻井先生にお願いすれば、うまくまとめてくださるという絶大な信頼があった反面、先生に軽々しお願いばかりではなかったかと反省することがあるかもしれません。

 大きな精神的支柱を失った無念さと、北海道環境財団をいつ訪ねても「おや懐かしいね」と優しく接してくださったときのことを思い出して悲しみに暮れるばかりです。

 年末に体調を崩されて入院された、という噂を聞いていて心配していたのですが、誠に残念です。

 今は辻井先生の生前のご厚情に感謝申し上げつつ、ご冥福をお祈り申し上げます。

 本当にありがとうございました。


 【ありし日の辻井先生のお姿】



【辻井先生の釧路での最後の講演会】
 「ラムサール条約湿地のこれから」 湿原の守り神、辻井達一先生の叙勲受賞記念講演会  http://bit.ly/TfE6GI

 
コメント
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