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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

道東を楽しむ人間力

2012-07-16 23:45:46 | Weblog



 一年ぶりに釣りの大師匠Mさんの個人指導を受けました。

 場所は足寄町にある北海道アドベンチャーフィッシング倶楽部が管理する白糸山荘の管理釣り場。

 ここではニジマスを大きな池で飼っていて、ここでフライフィッシングの様々な練習をすることができます。

 狙ったところにフライを投げ入れるキャストはもちろん、どんなフライに対して食ってくるかのフライ選択、そしてフライに食いついた時のリールファイトや最後の釣り上げ方の練習などもOK。

 ニジマスはなにしろ魚体も大きく、フライを食ったあとにはダーッと遠くまで泳ぎだすので、リールと竿を上手に使わないと竿がおられたり釣り糸を切られたりするので、簡単に釣り上げられる相手ではありません。

 ここで存分にニジマス釣りの練習をしておくと、本物の川でニジマスに出会った時もパニックにならずにすむというわけ。釣りの初心者にはありがたい練習場です。

 
 Mさんとは一年ぶりの再開ですが、教えられたことがなかなかできずに苦笑いされながらの指導の連続。

 私が何度放り込んでも無視される魚たちが、Mさんが同じところに投げ入れると一発で食ってきます。

「私とは何が違うんですか?」
「あなたのは、ラインが先に落ちてその後にフライが落ちてるでしょ?魚は何かが落ちてきたらそこに意識が集中する。ラインが先だとフライには注意がいかなくなりますよ。僕のはラインより先にフライを落としているから、反射食いで食いついたんでしょう」




 キャスト一つでも、軽く振っているように見えてもドーンと遠くまで伸びるMさんの技は、何回見せられてもその通りにはできません。

「水面の上であんまり早くラインをビュンビュン振り回すと魚は引っ込んじゃいますよ。鳥の速さ以上のスピードには敏感だからね」
「魚の気持ちが分かるんですか?」

 釣りは投げ入れる前から勝負が始まっています。


    ※     ※     ※     ※     ※


 しかし今日はなかなか魚たちも渋くて、いろいろなフライを次から次へと試してはみるものの簡単には出てくれません。
 
「出ませんねえ、ビートルかなあ。甲虫のフライを巻きましょう」

 そう言ってMさんは管理所に置いてある道具で甲虫のフライを巻き始めました。その匠の技や細かい工夫にも豊富な知識に感心するばかりです。

 キャストの奥義から魚の気持ちまで、フライフィッシングの奥深さを改めて感じた一日となりました。


    ※     ※     ※     ※     ※


 つくづく道東のフィールドはドライブして宿泊するだけではもったいないと感じます。

 釣りに限らずバードウォッチングやシーカヤック、登山に乗馬にカヌーなどなど、自分が楽しむスキルを身に着けてこそ、真にその魅力を現わす懐の深いフィールドと言えるでしょう。

「あれは何?それはなぜ?」

 人に頼ってばかりでは現場での真の魅力に触れることはできません。

 体術スキルや眼力、体力、知識など自分自身の人間としての能力をフィールドの中で磨きあげる過程こそが楽しく、そして能力を身に着ければこそますます人生を楽しむことができるというわけです。

 フィールドにはパソコンはいりません。

 自分自身をフルに機能させる生き方こそが求められます。
 


 【リールファイトの練習成果】
コメント
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