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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

出番を待つ杉玉~福司酒造を見学

2010-11-30 23:44:12 | Weblog
 地元の造り酒屋「福司(ふくつかさ)酒造」さんを訪ねて、今まさに行われている新酒の仕込みを見学してきました。

 福司酒造さんは大正8年に敷島商会を設立し酒類などの卸売をはじめ、大正11年に現在の土地に酒造蔵を新築、同12年に税務署から酒造免許をいただき、銘柄「福司」の醸造を開始し今日に至っています。

 この間、太平洋戦争中の原料不足にもまけず一度も休造することがなかったと言いますからご立派なものです。

 こちらでは原料米に酒造りにはこれ以上ないという酒専用米の山田錦を使うほか、最近では道産酒造米「吟風」などもつかっており、吟醸・純米・本醸造などの品目で年間約270キロリットルを生産しています。

 生産量の8割は道東で消費されますが最近は札幌や東京などへも出荷され始めているそうで、見かけたらぜひお試ししていただきたいもの。


 初めに蒸した酒米に種麹をつけて麹を作っているところを見せていただきました。気温7℃のひんやりとした一角に静かに置かれている麹はまるで赤ちゃんが寝ているかのようで神聖な感じがします。


                 【寝ているかのような麹】

 創業当時に建てられたという木造の酒蔵には大きな金属製の樽がいくつも置かれていて、このなかで麹がお米のでんぷんをブドウ糖に変え、できた糖を同じ樽の中で酵母がアルコールに変える「並行複発酵」が行われています。


                 【この中にお酒が仕込まれています】


 糖をアルコールに変えるのは割と簡単。しかし、でんぷんから糖を作りそれを同時に絶妙のタイミングでアルコールに変える並行複発酵でなければ、20度近い高いアルコール度数は実現できないのだそう。

 それは度数を高くしようとすると糖分を多くしなければならず、糖圧と言って糖分が多くなると微生物は活動ができなくなるからです。作り出す糖を次々にアルコールに変えることで、どんどんアルコール度数が高くなるというのは日本酒を生み出した祖先の知恵なのです。

 仕込みを終えた樽のなかでは発酵による炭酸ガスがぶくぶくと出ていて、静かにしているとたくさんの樽からサワサワ…という音が聞こえてきます。「これが酒蔵の音ですよ」とは案内をしてくださった梁瀬社長さんの言葉。

 酒の神様がささやいているようです。

 
 そろそろ新酒ができた印である杉玉(すぎだま)の用意もされていて、これは新酒ができた時に、酒造りの神様である奈良県の三輪明神大神神社へお酒を寄贈すると、神社から送られてくるということで、それを使われているのだそうです。

 そろそろ年末が近づいて、今年の新酒の恵みがいただけそう。

 お正月は日本酒でお祝いと健康祈願をしたいものですね。 


                 【出番を待つ杉玉】


【福司酒造】
 http://www.fukutsukasa.jp/contents.html

【日本酒ほろ酔い健康法】
 http://www.japansake.or.jp/sake/horoyoi/index.html
コメント (2)
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