北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

シンポジウムでツイッターに挑戦

2010-03-13 23:55:49 | Weblog


 今回はスタッフにお願いして、会場で【ツイッター】によるつぶやきを同時に上映するという試みをしてみました。
 
 ツイッターとは、携帯電話やパソコンを使って、140文字という短い文字数の制限の中で感じたことを「つぶやき」としてネットに掲載するという新しいコミュニケーションツールです。今や芸能人や政治家まで【つぶやく】ようになっていて話題になっているのです。

 上の写真の右側のスクリーンにはネットで繋がったこの会場の模様をつぶやいてくれる人の会話が写されていますが、みるみるうちにどんどん増えて行きました。

 私自身ツイッターのアカウントはもっていたものの、(こんなの使えるのかな)とやや懐疑的でした。たった140文字では深みのある文章を届けることなど不可能だろうと思っていたのです。

 ところが田中先生の講演中に実際にやってみると、そこでは話の中で感動したことをネットの先の人に知らせたくなると言うマインドが働いて、より熱心に聞きながら要約したキーワードを伝えよう、伝えようとする自分がいました。実に不思議なものです。

 ツイッターは携帯電話でも参加出来るのですが、事前にあまり会場に宣伝しなかったので身内のスタッフだけの感想かな、と思っていたところ、会場にいた中の人から発言が相次いで面白い感想の重なりが出来上がりました。

 おまけに、「あれ?○○さん来ているんですか?」「はい、会場の右前のパソコンの所にいます」なんて会話があったり、「こままさん、ネクタイはずしちゃえ」というちょっとやんちゃな発言に気づいた田中先生がネクタイを外して、また「お?田中先生がネクタイ外したぞ、本気?」なんてコメントがあったりと、舞台の裏側での賑やかな盛り上がりが案外面白い者でした。

 報告書に載るであろうパネラーの発言の裏で、会場の人たちが聞こえないつぶやきを共有して感想や疑問などをどしどし出し合っているという面白い世界が展開していたのです。

 これはこうしたイベントに参加する人たちの一体感を高める不思議なコミュニケーションツールであると思いました。やはり新しい世界にチャレンジし続けて実体験をしてみることは大切ですね。

 ツイッターって初めて本格的にやってみましたが、なんだか不思議。おまけにつぶやいていたら、札幌の知人から「見ているよ」という知らせが届いたりして、実に興味深い経験でした。

 ふーむ、なかなか奥が深そうですぞ。
 
 
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地域SNSシンポジウムin掛川~ここがいいじゃん!

2010-03-13 23:43:22 | Weblog
 掛川で開かれた地域SNSフォーラム「ここがいいじゃん、掛川シンポジウム」に参加してきました。

 前半は東大大学院情報学環教授でネットワーク経済論がご専門の田中先生の基調講演。肩書きは難しそうですがご本人はいたって気さくで、全国各地の地域SNSに参加したりアドバイスをしたりして、地域活性化を実体験する行動派の先生。なんたって私よりも数歳若いし、これからの時代に日本の情報戦略を担ってくださる方です。





 講演の内容も分かりやすくて、最初に「一番お伝えしたいこと」というパワーポイントのスライドが登場、三つのポイントは、①地域情報化とは地域づくりであること、②地域を作るのは「人」であること、③皆さんの「気持ち」で「人」が動き、それが「地域の力」になっていく、ということ。

 そう、地域情報化というのはネットが使えるとかパソコンが得意というようなことではなくて、自分のまちを良くしたいという思いが先にあって、それを道具として多少便利なネットによって繋がりあうお手伝いをするということなのです。

 全国にも地域SNSを使った面白い地域の試みがありますが、掛川の活動もマラソンで言えば先頭集団にしっかり入っているよ、という評価をいただきました。それは又同時に、時代の先駆者としていろいろなことを試みて、成果を後に示さなくてはならない立場であるとも言えます。

 掛川のSNSでは特定の人たちが興味に応じて作り、意見交換の場となる「コミュニティ」という活動が比較的活発なんだそう。他には、小学校がホームページを作っていたり地域の美味しいもの紹介活動、また市民記者が地域の話題を掘り起こして紹介する「まち本」なども面白いとか。どれも面白がって参加している人の顔が見えるようです。ご講演ありがとうございました。

    ※    ※    ※    ※

 休憩をはさんだ後は私の登場するパネルディスカッションのコーナーです。今回は私がコーディネーターとして話を振ったりまとめたりする役です。





 パネラーには、私からのたってのお願いで三人のかたにご登場願いました。まずはe-じゃん掛川を活発に使って自転車によるガイドサイクリング活動に情熱を燃やしているO畑さん。

 次に旧大須賀町で地域の奥さん達との会合を通じて地域の特産物であるおよそ北限のサトウキビから取れる「横須賀白」という砂糖を作って楽しんでいる女性のO太さん。

 そして新幹線駅の中の売店「これっしか処」の店長として、地域の産物を紹介しながら本当によい品を欲しいという人に買ってもらうという経営方針を貫きながら、実はネットがほとんどできないというN田さんのお三方です。

    ※    ※    ※    ※

 私の最初の狙いは、「地域SNSは現実の商売や活動にメリットをもたらすんでしょうかねえ?」という問いを下地にして、それぞれ自分の活動をしっかりと持っている方達にSNSを使うことのメリットや批判などを伺ってみたいというものでした。

 最初に登場のO畑さんは、実は私も参加している【そば研】のコミュニティに憧れて、自転車のコミュニティを立ち上げたとのこと。

 最初は自分一人から始めたのですが、少しずつ自転車乗りを集めて一人ずつ声を掛けながらコミュニティへの参加を誘い、自らも情報発信の場としてこまめに使うことで、今ではe-じゃん掛川のなかでも一、二を争う発言数をほこる立派なコミュニティに成長しました。

 でも発言数が一番だということを単純に自慢しているわけではなくて、自転車による地域発見ルートをいつも探して回り、とにかく地域を自転車で楽しめるコンテンツを充実させて、この掛川をガイドサイクリングの天国、ガイドサイクリングのメッカにしたいんだ、という情熱があふれています。

 SNSで同じくらい情熱あふれる人と出会って世界も広がるし、入ってくる情報の質や量もどんどん高まっていると言います。しかも自転車って、どんどんグレードアップがしたくなるのでパーツや自転車本体の購入需要にも貢献していて、地域経済にも結構貢献していますよ(笑)とのこと。

    ※    ※    ※    ※

 O田さんは、砂糖で地域をなんとかしたいね、と「横須賀白」を作ってみたものの、実際に売るにはどうしたらよいだろうか、と思案。実はそこから先はお隣のN田さんに相談してみたところ、「中が見えた方が良いよ」とか「小口のお手頃なおやつがいいかも」、「売る時はカワイイ雰囲気が大事だね」などとアドバイスをもらったことで商品化が実現したのだそう。

 O田さんはe-じゃん掛川よりは他のブログを愛用していて、「ちょっととっつきにくい印象があります」とか「民間のサイトはやっぱり華やかで使いたくなる雰囲気がある」と、行政が始めたSNSへの注文も。このあたりは大いに参考にしたいところ。

 最後には、「自分たちの身の回りで作る産物の割合をこのあたりの遠州地方にひっかけて『遠州率』と呼んで、遠州率をあげるような商品で楽しみたい」と豊富を語ってくれました。こういう活動こそ本人がイヤでも、回りや市民記者なんかが拾ってあげて物語として紹介してあげたい話題なのではないか、と強く思うのでした。

    ※    ※    ※    ※

 最後のN田さんは、ネットで紹介することで商売繁盛よりも普段来店してくださる方達との語らいで信用と信頼を得る商売が合っているように思っておられるのでした。その結果、駅の売店という、一見観光客向きの商売かと思うような立地でありながら、実は売り上げの6割以上は地元の方が日常の買い回り品として買う需要に結びつけているのでした。

 N田さんがこのお店の店長としてやってこられてからは、それまで箱で売っていた商品をバラでも売るようにして、一個だけでも欲しいという要望に応えながら、たくさんのニーズに応えるような商品展開が始まりました。

 決して広いとは言えない店舗スペースの中で近在の有名商品を並べるその並べ方は1センチ単位のスペース管理ですし、お客さんのニーズで最近は近場の生鮮野菜も置くようになりました。

 その野菜ももってきてもらうものを並べるだけなどというようなことではなく、N田山自らが畑に出向いて作っているおばちゃん達と談笑しながら掘って、品定めをして持って行くというこだわり。こんな情熱あふれる話題は、私自身もこのお店を何度も訪れながら知らないことでした。
 
 商売繁盛のためのSNSやネットなどということではなくて、やはり人生はもっと感動を伝えることに努力しても良いし、感動が先にあればビジネスは後から結果として着いてくる、というような活動を地で行っているお三方なのでした。

 なんと「リアルな儲け話のためのSNS」をもくろんだ私の構想は、結局田中先生が講演の冒頭で示された、「一番お伝えしたいこと」というパワーポイントのスライドと同じ所に着地してしまったようです。

 つまり、三つのポイントである①地域情報化とは地域づくりであること、②地域を作るのは「人」であること、③皆さんの「気持ち」で「人」が動き、それが「地域の力」になっていく、ということそのものではありませんか!

    ※    ※    ※    ※

 掛川は今でも来るたびに目からウロコの落ちる思いをさせてくれる場所です。

 田中先生はもうパネルディスカッションの中で語られる話に深く感じて頂いたようで、最後にコメントをお願いした時には興奮してステージの真ん中までスキップしてくるほどでした(笑)

 パネルディスカッションは人選が8割だと改めて私も胸をなで下ろしました。さて会場の皆さんはお楽しみいただけたでしょうか。私自信はとても深く感じ入るものがありました。ご参加の皆さん、ありがとうございました。

 掛川はやっぱり人が良いのです。
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