北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

夕張の破産

2006-06-18 23:20:44 | Weblog
 天気予報は今日も雨、日中ときどき強く降るいやな雨。すっきりしてほしいものですが。 
 
【夕張が財政再建団体に】
 かつて炭坑で栄えた夕張市が財政再建団体の指定を国に申請するという考え方が示された、と新聞が報じました。

 過疎や人口減少に悩む他の道内市町村にとっては「来るべきものが来たか」という印象です。

 新聞の論調は、「90年代のバブル経済崩壊以降に、観光によるまちづくりが行き詰まり、人口減少などで地方交付税が減る中、財政悪化を覆い隠そうと複雑な資金操作を行った事が負債を雪だるま式に膨らませた(北海道新聞6月18日朝刊)」というものです。

 ある意味では炭坑というエネルギー政策によるバブルによって成長した大きな町にとっての経済環境の激変の歴史なのだと思います。

 病院や住宅など、かつては民間が所有していた地域サービスインフラを行政が買い取る形で維持してきたことも、地方交付税の激減と共に限界が急速に近づいたのでしょう。

 今の社会の論調は行政の借金が多い事をひたすら『悪である』と捉えがちですし、その結果は全て非効率的な官による運営の結果ということにされがちです。

 しかし経済の大きな循環を考えたときに、不況期には全く動かない民間資金に対してお金の流動性を高める事は決して無駄な政策ではありませんし、その結果は当然行政のその時点での赤字として残ります。

 しかしそのことは、好況期で民間によるお金の流動性が高まっているときには返済するということとの組み合わせでなくてはいけません。

 行政による民間資金流動性の補完的な役割は十分に考える事が必要で、経済環境の変化に対応した機動的な財政運営が望ましいのでしょう。

 しかしそれとても、夕張のように地域全体が疲弊してしまっているところでは地域だけでその役割を果たす事は出来ません。本来その上の広域行政としての都道府県や国がその役割を果たさなくてはならないのです。

 国も都道府県も、徴税権を行使してでも財政均衡を果たして地域を救うのがより広域な行政の役割なのではないでしょうか。
 
 そのような役割を忘れてしまって、「これからは地域の事は地域でやりましょう」などという面ばかりが強調されるような行政ではいけないのです。

 夕張を救えなかったのは地域の問題なのか、広域行政の問題なのかをもう一度考えてみる必要があるのではありませんか?

 そしてそのときの広域とはどの範囲なのでしょうか?それを考えなくては道州制を肌で感じる事は出来ないでしょう。夕張の事は他人事ではないのです。

    *   *   *   * 

 ワールドカップサッカー第二戦の対クロアチア戦は残念ながら引き分け。守護神川口のPKセーブもありましたが後半は押され気味。

 勝って欲しかったけれど次につなげてくれて良かったです。次、頑張ろう。


コメント
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