東京文化会館、2008年1月10日ソワレ。
戦死ソロル(イーゴリ・コルプ)が虎刈りから帰ってきて、苦行僧のマグダヴィア(ラシッド・マミン)に恋人である舞姫ニキヤ(アナスタシア・コレゴワ)への伝言を頼む。寺院から大僧正(マラト・シェミウノフ)や舞姫たちが出てきて、聖なる火をたたえる儀式が行われ、ニキヤが踊りを披露する。大僧正はニキヤを見初めるが…作曲/L・ミンクス、台本/M・プティパ、S・クデホフ、振付/M・プティパ、演出・改定振付/N・ボヤルチコフ。ガムザッティはエレーナ・エフセーエワ。
2004年に同じバレエ団でこの演目を観たときの好印象がたいそう頭に残っていて、楽しみにしていたのですが…「さてどこにどう感動したんだっけ…」と思いながらの観劇になってしまいました。記憶って難しい…
今回感じたのは、このお話のオチは、ソロルが一度は神に誓ったニキヤとの愛を、ガムザッティとの政略結婚で裏切ったことで、怒った神が人類に怒りの鉄槌を下すべく地震を起こし、神殿は倒れ人々は死す…ということなのですが、どうしても「神様像」が欧米人とは違う日本人の目からすると、神殿を崩したのは裏切られたニキヤの呪いのためのようにも見え、またソロルたち人々は一応は逃れられて、倒れた神殿の中に消えていったのはニキヤの悲しい亡霊のみ…というように見えました。
前回の観劇で疑問に感じた、ガムザッティが最後にソロルを拒絶するというくだりは今回はなかったようで、むしろガムザッティに渡した花束にニキヤの影を感じたソロルが最後の最後に後悔の念に捉われてガムザッティを拒絶するくだりがありました。これはわかりやすい。しかし時は戻せない。ソロルの心がもしかしたらガムザッティに傾いてしまったとしても、ニキヤがそれでもソロルを思い切れなかったことも、ソロルとニキヤの関係を知ったガムザッティがそれでも自分の恋心を押し留められず結婚話を進めたことも、みんなみんな仕方がない。これはそういうお話なのかな、と思いました。
今回も、ゲスト・ソリストが踊りタイトルロールであるニキヤより、やっぱりキャラクターとして可愛らしいのはガムザッティかなと思ってしまいました。
ソロルも、単なる浮気者には見えないようにきちんと演じられていて好感。
しかし、婚約式でも影の国でも、いわゆる普通のチュチュを出すのって、ちょっと物語世界を壊しませんかね…全部、謎のインドふう(笑)の衣装で通せばいいのに…
戦死ソロル(イーゴリ・コルプ)が虎刈りから帰ってきて、苦行僧のマグダヴィア(ラシッド・マミン)に恋人である舞姫ニキヤ(アナスタシア・コレゴワ)への伝言を頼む。寺院から大僧正(マラト・シェミウノフ)や舞姫たちが出てきて、聖なる火をたたえる儀式が行われ、ニキヤが踊りを披露する。大僧正はニキヤを見初めるが…作曲/L・ミンクス、台本/M・プティパ、S・クデホフ、振付/M・プティパ、演出・改定振付/N・ボヤルチコフ。ガムザッティはエレーナ・エフセーエワ。
2004年に同じバレエ団でこの演目を観たときの好印象がたいそう頭に残っていて、楽しみにしていたのですが…「さてどこにどう感動したんだっけ…」と思いながらの観劇になってしまいました。記憶って難しい…
今回感じたのは、このお話のオチは、ソロルが一度は神に誓ったニキヤとの愛を、ガムザッティとの政略結婚で裏切ったことで、怒った神が人類に怒りの鉄槌を下すべく地震を起こし、神殿は倒れ人々は死す…ということなのですが、どうしても「神様像」が欧米人とは違う日本人の目からすると、神殿を崩したのは裏切られたニキヤの呪いのためのようにも見え、またソロルたち人々は一応は逃れられて、倒れた神殿の中に消えていったのはニキヤの悲しい亡霊のみ…というように見えました。
前回の観劇で疑問に感じた、ガムザッティが最後にソロルを拒絶するというくだりは今回はなかったようで、むしろガムザッティに渡した花束にニキヤの影を感じたソロルが最後の最後に後悔の念に捉われてガムザッティを拒絶するくだりがありました。これはわかりやすい。しかし時は戻せない。ソロルの心がもしかしたらガムザッティに傾いてしまったとしても、ニキヤがそれでもソロルを思い切れなかったことも、ソロルとニキヤの関係を知ったガムザッティがそれでも自分の恋心を押し留められず結婚話を進めたことも、みんなみんな仕方がない。これはそういうお話なのかな、と思いました。
今回も、ゲスト・ソリストが踊りタイトルロールであるニキヤより、やっぱりキャラクターとして可愛らしいのはガムザッティかなと思ってしまいました。
ソロルも、単なる浮気者には見えないようにきちんと演じられていて好感。
しかし、婚約式でも影の国でも、いわゆる普通のチュチュを出すのって、ちょっと物語世界を壊しませんかね…全部、謎のインドふう(笑)の衣装で通せばいいのに…