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「江戸繁昌記 ニ篇」 51 箆頭舗9

(散歩道の土手のオオイヌホオズキ)

小さい、目立たない花だが、近付いてみると、白にわずかに紫色を帯びて、花格の感じられる花である。

夕方から、東海道金谷宿大学、特別講演会、パーマイ雅晴の「勉学を勉楽に変えてしまおう!」に出席する。雨上がりで今年一番の冷えの中、開幕前の交通整理から行う。参加者が少ないのではと心配したが、200名ほど参加者があって、何とか形が出来た。「3ガガヘッズ」のメンバーで、海外公演で訪れた国々の気になった話、お笑いの彼としては、場違いな演題に、何とか、一時間半、飽きさせることなく頑張ったと思う。なお、パーマイ雅晴氏は当地、金谷の出身である。

「江戸繁昌記 二編」の解読を続ける。

吾が明徳を明らかにすると、吾が中和を致すとに在りて、既已(すで)にこれを明らかにす。また、天下の人をして、またこれを明らかに使(し)めんと欲す。正心誠意はこれを明らかにするの工夫、既已(すで)にこれを致す。その效(効)、天地をして自ら位せしめ、万物をして自ら育(はぐく)ませしむ。
※ 中和(ちゅうわ)- 性格や感情がかたよらないで穏やかであること。
※ 正心誠意(せいしんせいい)-「大学」より、心を正しく保つには、自分をいつわらず誠実に対処すべきであるということ。
※ 位す(くらいす)- 居るべき所にいる。


これを致すの工夫、独りを慎しむに始める。孰(いず)れか言う。これはこれ王公の事と。士人の家は天子の天下と同じく、無籍児(ヤドナシ)の躬(み)は、何ぞ士大夫の家に異らん。設(も)し、この児をして、その徳を明らかにし、その和を致さ使(し)めんに、果して知る、その體中の天下、胸中の天地、平(たいら)にして、かつ位(くらい)せん。
※ 王公(おうこう)- 王と諸公。また、身分の高い人。
※ 士人(しじん)- 高い教養と徳を備えた人。
※ 士大夫(したいふ)- 中国で、士と大夫。のち、知識階級や科挙に合格して官職にある者をさした。


今、儒人一(ひとり)も、能く、これを明らかにして、平にこれを致して、位せしむる者有りや否や。世儒、概(おおむ)ね、この地に到りて、理會し去らず。(大言)
※ 世儒(せいじゅ)- 世俗的で見識のない儒者。
※ 理會(りかい)- 理解。


その貨殖する所において、(め)。(貨財殖し、宝蔵興す)その好色する所において辟す。(声と色に大(さかん)なり)名聞に辟し、(庶幾は永くに、誉れに終る)穿鑿に辟し、(徴なく信ぜず)飲食に辟し、(食して、その味を知らず)詩文に辟す。(文理密察、以って別つ有るに足る)
※ 貨殖(かしょく)- 財産を殖やすこと。利殖。
※ 辟す(めす)- 偏る。公平な判断ができなくなって、片手落ちの態度をとる。
※ 名聞(みょうもん)- 世間での 評判・名声。めいぶん。
※ 庶幾(しょき)- 心から願うこと。
※ 穿鑿(せんさく)- 細かなところまで根ほり葉ほりたずねること。また、むやみに憶測してとやかく 言うこと。
※ 文理密察(れい)- 文章の筋道を、細かく調べて見ること。
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