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六郷筋御成りの節、勤め方(3) - 駿河古文書会

(故郷の繁華街、豊岡市大開通り、先週土曜日)

(昨日の続き)六郷御成りもいよいよ復路に入る。

それより六郷へ参り付、御目付と張紙これ有り候町屋にて、御先へ参り居り候御徒目付へ、又兵衛、馬乗兼ね候に付、自分と代り合い参り居り候段、且つ、かれこれにて遅くなり候趣、御居船御固め、大原大次郎へも申し達し候様、申し遣わす。ほどなく御場懸り戸川藤十郎より御鳥見をもって申し越され候は、表向き御供宜しく候わば、申し聞けさせ候様申し来り、則ち御鳥見留め置き、御徒目付へ申し付け、諸向へ申し達し候処、宜しき旨、即刻御徒目付申し聞け候間、その段、御鳥見へ申し遣わす。又候、根本内膳より同様の趣、申し越し候に付、戸川藤十郎よりも申し来たり、宜しき段、只今申し遣わし候段、挨拶に及ぶ。
※ 御居船御固め - 係留した船に乗り、川筋の警備をする。
※ 御場(ごば)- 江戸時代、将軍家が鷹狩の場として用いた土地。


それより御上り場参り候処、大次郎、御固め上がられ、川端にて又兵衛と逢い、代り合い候訳、申し談じ、並び、御乗返しの節、心得方、馬に乗り居り候にて通御の節は、平伏致し候様、又兵衛、申し聞けられ候間、その心得にて候段、申し談じ候処、若し馬立ち居り候辺まで御歩行のほどは計り難く、その節、急々下馬致し混雑にても如何一躰の処も馬に附き居り候趣の懸け合い済に付、馬立ち候前、御乗馬にて通御の節、下に居り平伏仕り候分は苦しからず候間、その趣に心得、然るべき旨、申し聞けられ候間、その通り心得、表方早乗り御供の向へ御徒目付を以って申し達す。

それより御目付と張紙これ有り候、町屋にて休息致し居り候処、ほどなく御徒目付罷り越し、只今川端へ御着船の由、申し聞く、それより諸向へも申し達す。銘々馬に附くまま罷り在り、御上り場より直ちに御乗馬、銘々馬の前へ平伏、御通り相済み候て、直ちに乗り上り、御支配方御側衆跡より乗り出し、御小休まで早乗り御供相勤め候。

一 浜川御小休へ乗り附け候処、又兵衛、差引致され、御供立ち候て居り申し候、又兵衛へ逢い、六郷にて取り計い候趣、申し達す。又兵衛、申し聞けられ候は、御小休より還御の節、前条の通り御目見え済み候わば、直ちに引き下り、騎馬にて虎御門外まで御供仕り候様、申し聞けられ候に付、その通りに致す。還御の節、飯倉町にて御歩行に成らせられ、御支配方御側衆にも下馬致され候間、自分も下馬致す。段々欠け抜け、惣御供へも薮小路辺にて、近づき、御供致す。坂下より還御、浜御殿御成りなどの通り相替る儀これ無く候
※ 差引 - 差図すること

一 浜川に残り居り候、御供も中の和中散にて御賦頂戴相済み候わば、六郷まで参り候御規定に候えども、一躰道のりも遠く御早乗りの事ゆえ、その間には御乗り返しにも相成るべく候につき、差略の趣にて、御賦所より直ちに御小休へ引下げ候事に候間、その趣、兼て心得候様、申し聞けられ候

※ 差略(さりゃく)- 適当にとりはからうこと、斟酌、考慮、配慮
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