平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
ブログ「片雲の風に誘われて」
友人のS氏が定年を直前にして自転車に目覚めた。そして「かさぶた日録」に触発(たぶん)されて、ブログを始めた。ブログのタイトルを「片雲の風に誘われて」と名付けた。
今、世を挙げて自転車ブームだという。リタイアを始めた団塊の世代が自転車の世界に怒涛のごとくなだれ込む絵が浮かぶ。CO2削減とストップ温暖化の時代、高速料金が安くなったとはいえ、車を乗り回すのは抵抗がある。かといって、企業戦士として突っ走ってきた彼らには、上の世代が好むウォーキングのノロノロ感では不満である。そこで選んだのが自転車なのだろう。
旅をするのに、徒歩、自転車、バイク、車と色々なレベルがあるが、おそらく最もタフなのが自転車であろう。自転車は漕ぎ続けなければ倒れてしまう。S氏は自分と同じ徒歩派だと思っていたが、最近宗旨替えをしたようだ。
休日に奥さんと自転車の日帰り旅を始めたと思ったら、この7月の夏休みに自宅から軽井沢、東京を巡る8日間の旅を行った。出発前に、モバイルパソコンなど、旅からブログ発信をするための道具をそろえて出発した。旅の記録はS氏のブログで見られる。
ブログを書くのはけっこうプレッシャーになる。行動したことをそのままブログに書き込んでいるつもりが、いつの間にかブログに書くために行動している。夜、疲れて宿に入り、それからブログを書くのはいかに大変かということがよくわかった。S氏からそんな感想が出た。しばらく続ければ、S氏もそれでもブログを書き続ける自分を発見することになるだろう。
「片雲(へんうん)」は辞書で見ると「ちぎれ雲」である。「片雲」はまさに組織からちぎれて漂い始めるS氏自身であろう。この片雲はどこへ漂泊して行くのだろう。S氏の話では海を越えて行くらしい。
「片雲の風に誘われて」というブログのタイトルは、芭蕉の「奥の細道」に「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」の冒頭から少し後に、「予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず」と出てくる言葉から取ったのであろう。有名な言葉なので、同じ名前のブログがたくさんある。「かさぶた日録」とは違って、検索ではなかなかたどり着けない。興味のある方は下のタイトルをクリックするとブログが見られる。
S氏のブログを読んでいると、徒歩と違って、道具を使う自転車にはけっこうトラブルが多いことがわかる。大事になりかねない事故には、十分気をつけて、漂白の旅を続けて欲しい。
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