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武雄温泉、元湯へ入る

(武雄温泉 楼門)

昨日、大クスを見た後、街に戻ってホテルのフロントに教わった温泉街に向った。

大クス見物の途中で、武雄郵便局に寄り、葉書に風景印(風景入り日付印)をもらった。旅に出て郵便局を見つけると、風景印をもらうことを趣味にしている。その局の名所などの絵の入った消印で、葉書に打ってもらえば、たった50円で旅の記念になる。日付は埋め込み式になっていて、その都度、ピンセットで日付を差し替えたり、けっこう手間が掛かる。50円では割りに合うものではないが、郵便局で嫌がらずにやってくれる。


(武雄郵便局、風景入り日付印)

図柄は、手前に武雄温泉の竜宮門(楼門)、湯けむりの背後には街のシンボルの御船山が見える。ちなみに、武雄の大クスはあの御船山の山懐で3000年の歳を重ねている。

郵便局の女性事務員に、図柄の竜宮門はどこかのお寺にあるのかと聞くと、お寺ではなくて温泉施設の門だという。どうやら、これから行く温泉はその門の中にあるらしい。

まっすぐ北へ、国道とJRの高架線を突っ切って進むと、武雄温泉街に入り、その突き当たりに楼門があった。

この楼門は、その奥の新館とともに、国の重要文化財に指定されている。案内板によると、東京駅の設計をした辰野金吾はここからさほど遠くない唐津市の出身だというが、晩年に武雄温泉組(現在の武雄温泉株式会社)から依頼されて、この楼門及び新館を設計し、大正4年に竣工した。辰野金吾の設計では、現存する中で数少ない木造建築で、佐賀県では唯一の建築物である。正面に竜宮門を置き、複数の浴室と休憩室を一体化した新館を置く配置など、保養施設の歴史を知る上でも重要なことから、平成17年に国の重要文化財に指定された。

楼門を入って左手の建物が共同浴場で、受付に聞くと元湯が300円、蓬莱湯が400円、古い方は元湯で、こちらにはシャンプーも石鹸もないという。ホテルでタオルとシャンプー、石鹸を持たせてくれた理由がわかった。当然、元湯に入ることにした。

元湯は明治9年に建てられたもので、天井のむき出しの木組みが面白い。ご近所の老人が数人、盥に道具一式を入れて入っている。中に湯船がお湯の温度の高低で二つあり、温度のひくい方が42~43℃、高い方が44~45.5℃(源泉のまま)と記されていた。夏では高温は厳しいので、低い方だけ入った。泉質は嬉野温泉に似ていて、肌にとろりとまつわるような美肌の湯であった。武雄温泉元湯は45湯目の日帰り温泉である。

夜、ホテルで遅くまで足が火照って、冷房を入れた上で、足だけ蒲団から出して寝た。
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