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建国記念の日とW杯サッカーアジア予選豪州戦

(W杯サッカーアジア予選、対豪州戦 君が代が歌われる)

「建国記念の日」であった今日、ニュースを見ていて、「建国記念の日」関連の目立つ報道はほとんど無かった。「建国記念の日」らしい特別番組も無く、メーカーでは休みもなっていないところが多い。会社も今日は操業日であった。

「建国記念の日」は、戦前の紀元節で、日本書紀で神武天皇が即位されたと記されている日を、グレゴリオ暦に当てはめて、紀元前660年2月11日になるので、その日を国の誕生日として祝日にしたものである。昭和42年2月11日から「建国記念の日」と決められた。

当時から「建国記念の日」には何ら歴史的根拠がなく、これを許せば歴史が歪められるとか、戦争につながるという批判が、特に進歩的文化人と呼ばれる人たちからあり、長い間、奉祝と反対でそれぞれ集会を開いて、ある意味でにぎやかな建国記念の日が続いた。

あれから40年経ち、この間に「建国記念の日」によって歴史が歪められたという話も聞かないし、戦争を引き起こすこともなかった。あの当時、進歩的文化人は、日米安保で日本は戦争に巻き込まれるとか、社会主義国家は理想国家であるとか、色々な発言をして世論をリードしてきたが、その後、半世紀を経て、そのことごとくが外れていることに気付く。しかしながら、後年そのミスリードに対する反省に言及した人はほとんどいない。まあ、その間に鬼籍に入った人も多いわけであるが。

特別番組も無くて、今夜は、W杯サッカーアジア予選の天王山とも言うべき、対豪州戦のホームゲームをテレビ観戦した。セレモニーの最初に、オーストラリア南部の山火事で180人にも及んだ犠牲者に黙祷を捧げるところから始まった。6万人を越すスタジアムに、1分間、水を打ったような静寂が訪れた。世界を探してもこれだけ礼儀正しい観客はいないだろうと思った。ゲームを終始支配した日本であったが、試合は両者点が入らずドローとなった。

「建国記念の日」で愛国心を高揚されることはほとんど無い。ところが、若者たちの中には、サッカーなどで日本を熱狂的に応援し、一種の愛国心を発揚する人たちがいる。それを「プチ愛国心」「プチナショナリズム」などと称して、危険視する文化人もある。ことがスポーツに留まっている分には全く問題にならない。ところがその延長で、近隣諸国との関係がギクシャクし、一見理不尽と思われる立場に日本が追い込まれると、猛烈に反発を感じ攻撃的発言をする若者たちが多い。ネットの世界を少し見れば、そういう反発が増幅し巻くっている。今の若い人たちの多くは、海外に出ることもほとんど無く、新聞やテレビニュースも見ないで、情報のほとんどをネットから得ている。だから、考え方が一方的になるきらいがあるだけに、そういう面では、少し心配にはなる。もっと多くの若者たちを海外に出すような政策は無いのだろうか。
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