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山田館で“おもてなし”を考える

(山田温泉「山田館」)

小布施で3時になり、宿泊先を決めなければならない時間になった。女房との旅で、宿泊先を予め予約して出掛けることはほとんどない。どこで気が変わるか判らないし、宿泊先にこだわりは無く、泊るところぐらい何とかなるという気持もある。今回のように途中で地震でもあれば、行き先変更を余儀なくされるかもしれない。連休の最終日、しかも台風の後、夏休み前、どれをとっても混む条件は無い。しかも、この地震の後である。

小布施ガイドセンターという喫茶店を兼ねた観光案内所に行った。今夜温泉に泊まりたいと頼むと、湯田中温泉が有名だという。観光バスが沢山着くような大きな温泉町ではなくて、小規模な温泉がいいと注文を付けた。それなら近くに山田温泉があると、主な旅館を3軒教えてくれた。山田温泉なら山田館だろうと選んで、ケイタイで交渉し予約した。その間10分と掛からずに完了した。

山田館は我々のほかにもう一組客が居るだけであった。まずはロビーで抹茶のご接待。ここでも、揺れましたかと聞く。揺れたし、余震もあるけど耐震は大丈夫だという。もちろんそうでなくちゃあ困る。

山田館は松川渓谷の岸壁の上に建っていて、渓谷がはるか下に見える。部屋は地下2階。地下1階に大浴場があり、最近出来た小さな露天風呂は一階から階段を下って下りていく。露天風呂は男女交互に時間を決めて入れるという。地下といっても片側の窓からは渓谷が見下ろせる。渓谷は急流らしく水音が一晩中していていた。夜に一回余震で揺れた。

夕食は一階の食事処に出掛ける。幾皿あっただろうか。これでもかと食べきれないほど次々に出てくる。酒飲みや健啖家なら満足するのであろうが、我々には多すぎた。歳を取ると少食になる。無理なさらないようにとは言ってくれたが、団塊の世代は食事を残すと親に叱られた世代で、残すことに罪悪感を抱いている。はじめに食事の量について注文を聞くことがあってもよいと思った。“おもてなし”の大きな要素となるのではなかろうか。一つ一つの量を減らして、美味しく完食できたという満足感で食事が終えられるような“おもてなし”があってもよいと思った。最初出されたものを食べてしまい、お腹いっぱいで後に出てくるものが食べられないのはいかにも残念である。


(貸切状態の掛け流し大浴場)

お風呂は食事前に露天風呂、寝る前に大浴場に入った。熱くて掛け流しで、しっかりした温泉だった。もちろん貸切状態である。

夜はサッカーアジアカップ、日本-ベトナム戦を夫婦して歓声を上げながら見た。4対1、負けたホームのベトナムも、めでたく決勝に進出したために、友好的に試合が終った。ベトナム戦争終結から30年、平和の尊さを改めて思う。今もイラクで苦しんでいるアメリカはベトナム戦争で何を学んだのだろう。
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