河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2178- アゲイン、柴田南雄、コンソート、シュトラウス、4LS、清水華澄、エルガー1番、ヤマカズ、日フィル、2016.9.3

2016-09-03 20:45:53 | コンサート

2016年9月3日(土) 2:00pm サントリー

柴田南雄  コンソート・オブ・オーケストラ 15′

シュトラウス  4つの最後の歌  3′5′6′7′
  ソプラノ、清水華澄

Int

エルガー  交響曲第1番変イ長調 19′8+12+12′

山田和樹 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


前日(2016.9.2)に続いて今日も。金土公演のうち二日目のほうの定期席もってますので今日が自分的にはいつも席。
シーズン開幕のこのプログラム・ビルディングの良さや演奏の事は前日かいつまんで書きました。
が、やっぱり、二日続けて聴くと理解が深まる。


最初の柴田南雄のコンソート・オブ・オーケストラは、二日続けて聴くと目から鱗が20枚ぐらいはがれ落ちる。作曲のスタンスは昨日書いた通りだと思う。
流れは、

Interlude1―混沌1(8バー)―i2―混沌2(10バー)―i3―混沌3(17バー)―i4

Interludeと勝手に書いてしまったですが、混沌1の前から間奏曲の雰囲気が濃厚。最後も間奏曲で終わる感じ。
混沌と書いてしまったのは、整理された混沌とでも言うべきもので、ヤマカズの指の指示はバー数だと思いますが、3回あり。1回目が8バー、2回目が10バー、3回目が17バーと見ました。数字は特に意味なく増加していると思います。ヤマカズの指揮も長さが全く一定していませんので、若干アドリブ的なところがある。
この「整理された混沌」、混沌と言っているのはプレイヤー個々人がトーンクラスター風味に別々のプレイをしているという話です。バラバラな世界を遠くから見るとなにかまとまって見えてくる、そんな感じ。
Interlude1はブラスの絶叫からスタート。混沌1の直前はウィンド・アンサンブルによる模索から混沌が始まる。そしてブラスに広がっていく、比較的穏やかな混沌。ヤマカズ左指は8つで終わり通常の振りに戻る。
混沌2への入りは今度は弦によるもの。混沌1でウィンドから弦のほうに広がりをみせたその弦の雰囲気で混沌2となる。ヤマカズの左手は握りこぶしの10バーまで。混沌1,2は出のインストゥルメントこそ異なれ同じようなアトモスフィアですね。
クライマックスと呼んでいいのかどうかわかりませんが混沌3への入りは、フルートソロからすぐにウィンド全般に広がりをみせるのはシェーンベルクの無調のあの灰色のサウンド。ウィンド全般からホルンへ。鬱な響きがたまらない。そして全楽器が灰色に。クレシェンドされた音圧はさらに増し、17バーを数えたところで引き伸ばし長めの頂点。そして最後のi4の通常棒となり、音楽はあっけにとられるうちにすぅっと弱音終止。
柴田の切れ味鋭い音楽、極みですね。
昨晩も書きましたが、曲と内容が一致した納得のタイトルでコンソートのオーケストラへの拡大系が見事過ぎる。
日フィル、ヤマカズの演奏は圧倒的で、とにかくわかりやすい。ブラスセクションは鋭利と柔軟、両方を備えたもので美ニュアンスに溢れている。精緻な弦は細やかにしてナイーヴ、神経細胞でも見ているような具合だ。鮮烈強烈なパーカス。最後の混沌3の大音響のバスドラにはぶっ飛びました。
オケ全体に、しっかりした室内楽アンサンブルからの広がっていく腕の確かさを感じました。曲にふさわしいものです。お見事な演奏。

昨晩、横の席で聴いたのでよくわからなかった4つの最後の歌、清水さん。
ギネス・ジョーンズとまではいきませんがちょっとぶらさがり傾向がある。正しいピッチに持っていくまでに少し時間がかかる。このような歌い具合は他の方でもたまに見かけます、男でも。
よくわからないのですが、フラットなあたりから少しずつずらしていって正しいピッチにもっていったほうが歌いやすいのでしょうか。
あまり大げさなフラット感はありませんが、正常ピッチ戻った後のフレーズ最初の音にスラーがかかって角が無い丸みをおびたニュアンスになる。個人的に少し気になるところです。
弱音のデリカシーは素晴らしい、ぶらさがるところもなくて美声がオーケストラとブレンドして美酒に酔っているようなえもいわれぬような目まい。あと、清水さんは場の空気を変えることが出来るというか支配するというか、独特の雰囲気を作り上げてくれますね。オペラモードの凄さ感じました。
この雰囲気づくり。オーケストラの完全伴奏越えのスーパー・ビューティフル・パフォーマンスが歌に完ぺきに寄り添う。
第3曲、床につくまえに。ヴァイオリンのソロの美しさ。そして静寂が支配するシュトラウスの筆舌に尽くし難い美しい音楽、それを見事に表現するオーケストラ。圧倒的でしたね。歌い手はただ茫然と立っているだけで絵になる。最高の瞬間でした。
昨晩同様、おしまいの高音のところでホルンが少し転がってしまいましたけれども、2曲目のソロは立派でしたし、まぁ、もはや、何も言うことは無い。
このシュトラウス4曲、日フィルさん、出色の演奏でした。!!


後半のエルガー1番は昨晩と概ね同じ感想です。
ブラスは前日より締まっていて隙間が無い吹奏でした。第3楽章の瞑想は増して静かで美しい演奏となっておりました。
ヴィオラの1プルト内側の髭のちょっといかついさんなどが、このエルガーから一番後方のプルトに移動していたのは第1楽章のコーダあたりからある弦による別アンサンブルのためと思われます。ヤマカズさんがあとで立たせていたのはヴィオラ2人、チェロ2人だと見受けましたが、ほかの弦もこの別アンサンブルに加わっていると思います。メイン主題の別演奏というか分離したアンサンブル、全体の音がでかいのでよくわかりませんでした。


以上3曲、二日にわたり心ゆくまで楽しめました。
ありがとうございました。
おわり


2177- 柴田南雄、コンソート、シュトラウス、4LS、清水華澄、エルガー1番、ヤマカズ、日フィル、2016.9.2

2016-09-02 23:34:42 | コンサート

2016年9月2日(金) 7:00pm サントリー

柴田南雄  コンソート・オブ・オーケストラ 16′

シュトラウス  4つの最後の歌  3′5′6′7′
  ソプラノ、清水華澄

Int

エルガー  交響曲第1番変イ長調 19′7+13+12′

山田和樹 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


シーズン開幕、日フィルのプログラムは絶品です。これ以上ない素晴らしいもの。
日フィルは今年、創立60周年の節目。その最初に生誕100年、没後20年、やはり今年節目の柴田南雄の曲をもってきた。いいビルディングで意味のあるものです。
柴田の曲は昔の録音の掘り起し記念碑的なものもいいが、オーケストラの腕が飛躍的に向上し、さらに録音技術もよくなった今この時代に鳴っている音の方が昔のそれよりよっぽどわかりやすい。
柴田の曲は合唱や歌曲はとりあえず横に置き、室内楽的なコンパクト編成のもので鳴りの鋭い曲が峻烈で面白い。今日のコンソートはそのタイトルからして、室内楽的な響きをオーケストラ規模まで広げた作品だと思います。柴田の室内楽は楽器の組み合わせが作品により色々とあって、それらを集め合わせた集合体の合奏という感じ。個々の楽器を集めても合奏となるのでしょうが、室内楽アンサンブルの単位の楽器群を集めた、つまりアンサンブルから合奏へというイメージ。曲は単一の楽器で奏されることはほとんどなくて(フルートなどに少しある)、アンサンブルの束で動く。特にブラスの鋭さは金管六重奏「エッセイ」を思い出させるものがありますね。ブラスアンサンブルの迫力はエッセイの上をいきます。
そして作曲のもう一つのポイントとして、未知の語り口を開拓する冒険は避け、これまでに定着していると思われる奏法、語法の枠内で作った、とある。確かに全ヨーロッパの響き満載ながら、それでも1973年当時は斬新なものであったと思う。今聴けば当時流行の素材の活用という気はするがそれでもやっぱりフレッシュですね。
ブラス、パーカスのアンサンブルとしての活躍が耳をひく、輝く響き。そして弦を中心にした多彩な手法による響きのバリエーション。整理された混沌。難解というものではなくて素材の活用が見事といったところか。指でのバー指示が3回あり(たしか)、最後のところはかなり長め、16型の弦60人全プレイヤー違うことしていて、さらに他楽器も加わって混沌としていき、音圧がどんどん上がっていく。指図が通常の指揮に戻ったところで静寂が訪れ、あっけなく終わる。切れ味の鋭い柴田語法を楽しめました。柴田の節目イヤー、もっとたくさんやってほしいですね。

次のシュトラウス。
この前(2016.8.23)、ヘーバー読響ヴァイグレを聴いたばかり。今日は清水華澄さんの絶唱を。
シュトラウスのオーケストラ伴奏付きの歌ではやっぱりこの曲が何度聴いてもマーベラスで絶品。ヤマカズも清水さんのあとコンマス立たせ、ホルンのプリンシパル立たせてましたから、曲のツボはどこかなんていう言葉もおこがましい、といったところなんでしょうね。
今日の席は横だったので今一つ聴こえてくるものが断片的でしたけれども、オーケストラへの溶け込み具合が進行するにつれて徐々に良くなっていった。高音はオーケストラの音にブレンドさせるかそれともかい離させていくのか。ハイ音は少し気張り気味で歌いこむほどに溶け込み始めた。土曜日、正面席で聴きますので楽しみですね。

後半のエルガー。
パルジファル風な序奏に続き提示部、第1,2主題とも序奏の節が入り込む。結局この曲は序奏の節で出来ているとあとで思うわけですが、それはそれとして、序奏から提示部へのモード切替はすっきりしている。柔らかい日フィルのサウンドが角を立たせることなく滑らかに推移。展開部は提示部と異なりかなり激しいものでスピード感もある。主題間のコントラストよりはむしろソナタ形式の中での動きのメリハリコントラスト感が印象深い。
エル1はイギリス・ブラバンみたいなブラスセクションの咆哮が魅力的で、展開部からさらに過激さを増す。オーケストラの全咆哮はオケサウンド大好きにとってはこれ以上ない醍醐味なわけです。結構ラフな鳴りで、詰めるところはもっと詰めなければならない。
第2楽章は激しい音楽ですけれども、1楽章の余韻を押しとどめるような具合ではなく、すでに次の緩徐楽章のムードがたれこめている。ヤマカズのエル1真骨頂はこの3楽章緩徐楽章でした。
切れ目なく静かに歌う。2楽章最後の急激なリタルダンドはこの緩徐楽章を既に食っている。それは余韻というにはあまりに美しい音楽の開始です。味わい深い楽章です。
ヤマカズ棒はよく歌う。ストリングセクションまで息を吸い込むときの吸いぎわ、みたいなものが出ていて、呼吸にパースペクティヴを感じるという稀な極美ニュアンス。音楽が呼吸している。いやぁ、お見事というしかない。オケにあすこまでさせるヤマカズ棒はたいしたもんだ。素晴らしい楽章でした。
第2,3楽章はもともと切れ目ないが終楽章へもそのまま突入。暗雲漂うような序奏から始まる。でも提示部以降、あとで考えるとあれは何だったのかしらというぐらい暗雲の無い明るい音楽が快走。パルジファル動機が華々しく回帰する。ヤマカズ棒はもはや抑えることをせず一気に3連符刻みが交錯するブラスセクションを押しとどめることもなく開放フィニッシュ。クライマックスでのパースペクティヴ感もマックス。
静かさから派手な爽快感まで盛りだくさん、味わい尽くしました。
ありがとうございました。
おわり


2176- 河童ライブラリー 4つの最後の歌 (NV.1)

2016-09-01 13:00:18 | ライブラリー

2010年8月10日時点で、保有している音源一覧です。演奏会で聴いただけのものはいれてませんが、当日や後日、放送されたもので音源を保有しているものは掲載しました。



1.
アンナ・トモワ=シントウ
カール・ベーム
シュターツカペレ・ドレスデン
1976.8.11ザルツブルク
1976.12.22NHK-FM

2.
キリ・テ・カナワ
アンドリュー・デイヴィス
ロンドン交響楽団
COLUMBIA

3.
キリ・テ・カナワ
ズービン・メータ
ニューヨーク・フィル
1985.1/10,11,12,15 (聴衆)
エイヴリー・フィッシャー・ホール
1985.4.28WQXR-FM

4.
アンナ・トモワ=シントウ
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィル
DG 1985/11

5.
エリザベート・シュワルツコップ
ジョージ・セル
ベルリン放送交響楽団
EMI

6.
エリザベート・シュワルツコップ
オットー・アッカーマン
フィルハーモニア管弦楽団
ANGEL 1953.9.25

7.
ルチア・ポップ
クラウス・テンシュテット
ロンドン交響楽団
ANGEL

8.
エディット・マティス
若杉弘
シュターツカペレ・ドレスデン
1989.4.5サントリーホール(聴衆)
1989.4.30NHK(映像)
1989.6.14NHK-FM

9.
ルチア・ポップ
アンドレ・プレヴィン
ウィーン・フィル
1989.8.29フェルゼンライトシューレ
1990.5.2NHK-FM

10.
ジェシー・ノーマン
クルト・マズア
ゲヴァントハウス管弦楽団
PHILIPS 1982.2

11.
リサ・デラ・カーサ
カール・ベーム
ウィーン・フィル
DECCA 1953.

12.
ギネス・ジョーンズ
ロベルト・パテルノストロ
東京交響楽団
1991.4.29サントリーホール(聴衆)
1991.4.29NHK-FM
1992.1.20NHK-FM

13.
グンドラ・ヤノヴィッツ
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィル
DG

14.
ジェシー・ノーマン
ジュゼッペ・シノポリ
フィルハーモニア管弦楽団
1990.8.11ザルツブルク
1991.6.15NHK-FM

15.
シルヴィア・シャーシュ
エルヴィン・ルカーチ
ハンガリー国立管弦楽団
HUNGAROTON

16.
エディット・マティス
クルト・マズア
ベルリン・フィル
1990.9.22フィルハーモニー・ザール
1991.8.8NHK-FM

17.
セーナ・ユリナッチ
ミラン・ホルヴァート
オーストリア放送交響楽団
1973.5.24コンチェルトハウス、ウィーン

18.
テレサ・ツィリス・ガラ
フランツ・パウル・デッカー
ハノーヴァー放送交響楽団
RODOLPHE

19.
キリ・テ・カナワ
ゲオルグ・ショルティ
ウィーン・フィル
LONDON 1990.6

20.
フェリシティー・ロット
ネーメ・ヤルヴィ
スコッティシュ・ナショナル管弦楽団
CHANDOS 1986.12.8

21.
チェリル・スチューダー
ジュゼッペ・シノポリ
シュターツカペレ・ドレスデン
DG 1993.6

22.
チェリル・スチューダー
ウーヴェ・ムント
NHK交響楽団
1994.10.15NHKホール
1994.10.16NHK-FM

23.
エリザベート・メーヤー・トプシュー
ハンス・ノルベルト・ビルマー
コペンハーゲン・フィル
KONTRAPUNKT 1993.2

24.
ビルギット・ニルソン
レイフ・ゼーゲルスタム
スェーデン放送響交響楽団
BLUEBELL 1970.1.3

25.
バーバラ・ヘンドリックス
ヴォルフガンク・サヴァリッシュ
フィラデルフィア管弦楽団
EMI 1994.9.26,27,10.5

26.
ルネ・フレミング
クリストフ・エッシェンバッハ
ヒューストン交響楽団
RCA 1995.3.14,20

27.
フェリシティー・ロット
ジュゼッペ・シノポリ
ウィーン・フィル
1996.9.11クンストハウス
1997.5.14NHK-FM

28.
デボラ・ヴォイト
クルト・マズア
ニューヨーク・フィル
TELDEC 1998.12

29.
カリータ・マッティラ
クラウディオ・アバド
ベルリン・フィル
DG 1998.12

30.
ジェーン・イーグレン
ドナルド・ラニクルス
ロンドン交響楽団
SONY 1999.2.13,3.3,
10.12,14,15

31.
キルステン・フラグスタート
ウィルヘルム・フルトヴェングラー
フィルハーモニア管弦楽団
レーベル多数 1959.5.22

32.
エリザベート・シュワルツコップ
ジョージ・セル
コンセルトヘボウ管弦楽団
AUDIOPHILE 1964.6.19

33.
メラニー・ディーナー
デイヴィット・ジンマン
トーンハレ管弦楽団
ARTENOVA 2002.5.6-8

34.
ソイル・イソコスキ
マレク・ヤノフスキ
ベルリン放送交響楽団
ONDINE 2001.7

35.
ルチア・ポップ
マイケル・ティルソン・トーマス
ロンドン交響楽団
SONY 1993.5.21,22

36.
クリスティーネ・ブリューアー
ドナルド・ラニクルス
アトランタ交響楽団
TELARC 2006.4.1,2

37.
ミカエラ・カウネ
大植英次
北ドイツ放送管弦楽団
BERLINCLASSICS 2004.11.15-17

38.
ニーナ・シュテンメ
アントニオ・パッパーノ
コヴェントガーデン
EMI 2006.9.1,2,4,5,11

39.
ルネ・フレミング
クリスティアン・ティーレマン
ミュンヘン・フィル
DECCA 2008.4

40.
シャルロッテ・マルジオーノ
エド・デ・ワールト
オランダ放送フィル
BRILLIANT 1933.2.22

41.
ヒーザー・ハーパー
リチャード・ヒコックス
ロンドン交響楽団
EMI 1987.2.11,16

42.
リカルダ・メルベス
ミヒャエル・ハラス
ワイマール歌劇場
NAXOS 2006.8.28,30

43.
アニヤ・ハルテロス
ファビオ・ルイージ
シュターツカペレ・ドレスデン
SONY 2007.21-23


以上、NV.1