河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2712- ラター、バッハ、小山実稚恵、フィンジ、ハイドン、バターワース、広上淳一、日フィル、2019.7.13

2019-07-13 23:00:13 | コンサート

2019年7月13日(土) 2pm サントリー

ラター 弦楽のための組曲  3-3-3-3

バッハ ピアノ協奏曲第3番ニ長調BWV1054  8-6-2
  ピアノ、小山実稚恵

フィンジ エクローグ ~ ピアノと弦楽のためのop.10  11
  ピアノ、小山実稚恵

Int

ハイドン 交響曲第104番ニ長調 ロンドン  10-8-6-6

バターワース 2つのイギリス田園詩曲  5-4


広上淳一 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


エルガーやRVWはもとよりときにデリアスなんかでもブラバン風味のデカいブラスセクションの鳴りが有ったりして、歌い口が鮮やかであったバルビローリなんかも結構、力任せのサウンドを出させたりするイギリス音楽の多様な作品や演奏に興味は尽きないのである。それはそれとして、今日の広上が選集したピースは愛しむような演奏が映える作品の集合体であった。
素晴らしい作品、そして時にその上を行く極上の演奏。この日の極上演奏のポイントは弦だと思うし、それをねらった指揮者の意図が満遍なくプレイヤーに浸透、そしてよく表出されていた内容でしたね。
音響バランスが広げて見る完成された図面全体図のようでもあり、時間の流れを忘れさせてくれる絵の様な鮮やかに滴る音楽。このバランス感、そして各フレーズのアンサンブル・エッジの角度まで悉く配慮された、いわば計算され尽くしたフレームがごく自然に流れだしてくる。
練られたイギリスプロ。珠玉の様なラター、フィンジ、バターワース。そこにバッハとハイドンが入念に挟み込まれている。作曲家たちの時代性の広がりも感じさせてくれるが大いなる強調はさてと横に置き、シルキーサウンドに存分に浸る。エクローグは心情告白の様な趣き、小山のピアノの揺れ具合も心がこもったもので魅了された。

今日はいつもの席をP席に変えて座る。広上さんの凄味がよくわかる。的確な両腕での指示、正確なリズム取り、先の事と今の事が同時にわかっているような振りだ。だからテンションが連続していくのだろう。鮮やかな演奏になって当然のような納得の棒ですね。
5作品、ツボにはまった実にいい内容の快演でした。ありがとうございました。
おわり