2017年6月19日(月) 6:30-8:30pm 日経ホール
シューベルト 12のドイツ舞曲Op.171 D.790 & 17のドイツ舞曲D.366
抜粋シャッフル演奏 8′
D.366-10,1,8,9, D.790-5, D366-9 D790-6,3,4 D.366-2,3,4,5,10 da capo
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第21番ハ長調 ワルトシュタイン 10-4+9′
ラヴェル ラ・ヴァルス(ピアノソロ版) 11′
Int
シューベルト ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D.958 11-8-4+7′
(encore)
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ 5′
ツェルニー シューベルトのワルツによる変奏曲 4′
ピアノ、クリストファー・ヒンターフーバー
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お初で聴きます。端正な風貌からは想像つかないような止めようもない激烈な演奏。最初のシューベルトのドイツ舞曲のシャッフル演奏は飛び跳ねるような快活な演奏でこんな曲なんだろうぐらいにしか思わなかったのだが。
ワルトシュタイン、もともと激しい第1楽章で最初はあまり感じなかったがどんどん過激になっていく。スピード感、飛び跳ね感。終楽章に至ってはきれいな縁取りの流れを少し横に置いて第1楽章と同じようなテンポ感でビンビン進めていく猪突猛進型。
第1楽章終わったところで長めの拍手。主催とか協賛の招待客が多数だったのだろう。なにしろ入場もぎりでは一般客より招待列のほうが長かった。座席指定リサイタルとは言え。
わからない連中の拍手は仕方がない面もあるが、GGBB連中はなかなか拍手をやめない。自分たちの非を認めたがらない年寄りたちを前に奏者は苦笑いするのみ。といったところもあったのだが、すぐに切り替えてコラール風味のアンダンテ。キリッと落ち着くあたり大したもんだ。
激しいベトソナでした。
と、ここで一服する間もなく、さらに過激なラヴェル。開いた口が塞がらない。そもそも徐々に崩れいていくワルツ。それがヒンターフーバーのプレイで崩壊的になる。低音から始まり入念な盛り上がり、叩き、グリッサンド、荒れ狂い。悶絶ラヴェル。これもワルツ。なぜか築城感。物が一つ出来上がったような感覚。不思議と言えば不思議。
後半のシューベルト。遺作1番。ほぼベートーヴェンという印象。形式感が前面にでる第1楽章、それにアダージョ楽章の対比が際立っていて、見事な演奏でした。
メヌエットから終楽章アレグロは一気。特に終楽章の飛び跳ねエネルギーには恐れ入る。音楽がこれから先このまま永遠に続いていきそうな気配すら感じる。
沸騰リサイタルでした。
アンコール1曲目のパヴァーヌは整理体操のような雰囲気が醸しだされて、こっちも一息つけた。
おわり