河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2169- サマーフェスティヴァル2016、板倉康明、東京シンフォニエッタ、2016.8.25

2016-08-25 23:24:15 | コンサート

2016年8月25日(木) 7:00pm ブルーローズ、サントリー

ブーレーズ  デリーヴ1 (1984)  7′

メシアン  7つの俳諧(1962) 2′2′4′2′2′6′2′
   ピアノ、藤原亜美

Int

ベネド・カサブランカス  6つの注釈(2010)  2′2′1′3′2′3′

リゲティ  ヴァイオリン協奏曲(1990/92)  4′9′2′7′8′
   ヴァイオリン、神尾真由子

板倉康明 指揮 東京シンフォニエッタ


サントリー サマーフェスティヴァル2016 スバラシイ・演奏。
昨晩のサーリアホに続き今日は、耳の愉しみ、スバラシイ・演奏、色々と副題が忙しいプロデューサー・シリーズ。充実のプログラムですね。

デリーヴ1
6つの楽器によるもの。ブーレーズのポツポツとエキスのみが舞う姿とは少し異なり音楽は割と豊穣。レポン創作の際の派生もの。
比較的ゆっくりと演奏されたデリーヴ、ブーレーズの凝縮された音楽。なにかの手がかりのように聴こえる。

7つの俳諧
演奏に少し問題があった。第1ピースのイントロダクション。かなりこんがらかったもので、揃っていない。次のピースからすぐに取り戻しましたけれども。
4曲目の雅楽がわかりやすいと言いますか、プレイヤーにも日本人のDNAを感じました。このノリは良かったです。少しはずれてもいい、みたいな雰囲気ある曲ですしね。リラックスでした。やるほうは大変だとは思います。6曲目の鳥はいつものメシアン寄りになるものですが、他の曲は苦労していじくりまわしている様がわかるもので、メシアンが外から吸収したものを自分なりに創作している。よくわかります。演奏はバランス感が優れていたと思います。1963年ブーレーズが初演。

6つの注釈
パーカッションの独り舞台の感がある。テクストはプログラム冊子と別に配られて、至れり尽くせり。オランダの作家ノーテボームのテクストによる作品。リズミックな動きが面白く飽きさせない。

ヴァイオリン協奏曲
この日のメイン演目。神尾さん弾くヴァイオリンお目当ての方々たくさんいたとみました。全睡眠、この曲だけ起床。おりましたね。
いきなりのソロ開始、どこからともなく伴奏の弦がざわめく。ユニークな響きに耳を奪われる。
どことなくバルトークを感じさせる第2楽章。疑似民謡旋律はそこらへんに拠っているのかもしれない。神尾の鋭い味わい。
3楽章は滑らかなソロから。充実のヴァイオリンで、たっぷりと弾き込まれたリゲティの旋律。
最後の2楽章は合わせて全体の半分におよぶ規模。少しずつエスカレートしていく色模様が素晴らしい。一瞬のゆるみもない。最後の爆音に向けての緊張の糸がホールを支配する。リゲティ・ワールドにはまってしまった。
神尾さんの演奏は見事というほかなく、ものすごいコンセントレーション。演奏が進むにつれ自然に加熱、熱演、力演、快演。素晴らしい演奏で、東京シンフォニエッタの演奏ともども、リゲティのともするとエキセントリックな面よりもむしろ、思いの外、柔らかな面に浸る感じで、リゲティのもう一つの表情を聴かせてくれたように思います。よかったです。

東京シンフォニエッタは昨日のアンサンブルシュテルンのような若者メンバーではなく、かなり年齢があがっている。しなやかな演奏でした。リハをもっと積んでいればさらに良かったと思います。こなれた演奏とまではいかなかった。

総じてこの日のプログラムには満足しました。ソリストもお見事でした。貴重体験ありがとうございました。
おわり