河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1635- アラベッラ、ベルトラン・ド・ビリー、新国立2014.5.25

2014-05-25 23:31:00 | コンサート・オペラ

2014年5月25日(日)2:00-5:45pm オペラパレス、初台
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リヴァイヴァル上演
フィリップ・アルロー、プロダクション
リヒャルト・シュトラウス、作曲
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衣装、森英恵
ヴィジュアル、ヴァルター・ヴィンマー
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アラベッラ 全3幕

ACTⅠ 59′

 Int.

ACTⅡ 47′

 Int.

ACTⅢ 53′


キャスト in order of appearance
アデライデ、竹本節子
カルタ占い、与田朝子
ズデンカ、アニヤ=ニーナ・バーマン
マッティオ、マルティン・ニーヴァル
アラベッラ、アンナ・ガブラー
エレメル伯爵、望月哲也
ヴァルトナー伯爵、妻屋秀和
マンドリカ、ヴォルフガンク・コッホ
ドミニク伯爵、萩原潤
ラモラル伯爵、大久保光哉
フィアッカミリ、安井陽子


ベルトラン・ド・ビリー 指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団


前回観た公演はこちら
2010.10.11
2010.10.14


マンドリカ役のヴォルフガンク・コッホはバイロイトで活躍しているようだが、この劇ではどう見てもミスキャスト。見た目もそうだが歌も第1幕からあぶなかった。ワーグナーならこの一本調子、語りみたいな箇所なら許せるところもあるが、アラベッラでは厳しい。見た目と歌いっぷりともに、ヴォータンのよう。まるで合わない。
このオペラは他愛もないストーリーで、極上ウィスキーのその上澄みにちょっと口をつけてあとは全部捨てる、みたいなところがある。だからむしろそこを徹底的に追及していって客を夢見心地にさせてそれでいいと思うのです。彼が出てくるたびに現実に引き戻される。
ド・ビリーはまるで逆で真っ当。ホルンなどを思いっきり飛び跳ねさせたりしている割には全体が張りのあるテヌート系の演奏に終始し、シームレスで底の見えそうな小川のような滑らかさ、ブルーともパープルともつかない舞台の原色イメージそのままのような良い表現、品のある演奏を最後まで聴かせてくれました。この日の出来は他の歌い手たちもさることながらこの指揮者の表現が完全に上を行っていたと思います。良いことはしばしば気がつかない。

2010年の公演ではカウネに品があって良かった。今回のガブラーもよかったと思います。見た目の雰囲気はちょっと、ジュリア・ミゲネス・ジョンソンに似ているところもあります。
スキニーで上背があり見栄えが良い。ズデンカも同じような体躯。二人とも足が長い。
このズデンカ役のバーマン、かなり思いっきり声を張り上げての熱唱。ちょっとすると姉を食うぐらいの迫力なのだが、シュトラウスのオタマジャクシが巧妙にできているのか、それぞれうまく歌が分離されていますね。デュエットのところは別のツボの美しさ。
この姉妹の歌、本当にこの劇場によく響く。

最後は取って付けたようなエンディングですので、もう、音楽の美しさに浸るだけでいいのではないかと思います。
ところでこのオペラ、ふしが一つしかないような気がするのだが。
おわり

 


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