河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1634- カヴァレリア・ルスティカーナ、パリアッチ、レナート・パルンボ、東フィル、新国立劇場2014.5.24

2014-05-24 21:15:06 | インポート

2013-2014シーズン観たオペラ聴いたコンサートはこちらから
2013-2014シーズン
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ジルベール・デフロ、プレゼンツ
マスカーニ作曲
レオンカヴァッロ作曲
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美術・衣装、ウィリアム・オルランディ
照明、ロベルト・ヴェントゥーリ
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ニュー・プロダクション
カヴァレリア・ルスティカーナ
パリアッチ
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2014年5月24日(土)2:00-5:00pm 新国立劇場、初台
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マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ
 シーン:53′ 間奏:5′ シーン:15′
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キャスト(in order of appearance)
サントゥッツァ、ルクレシア・ガルシア
トゥリッドゥ、ヴァルテル・フラッカーロ
ルチア、森山京子
アルフィオ、成田博之
ローラ、谷口睦美
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Intermission 25′
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レオンカヴァッロ パリアッチ
 前口上7′ シーン42′ 間奏4′ シーン21′
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キャスト(in order of appearance)
トニオ(タッデオ)、ヴィットリオ・ヴィテッリ
カニオ(パリアッチョ)、グスターヴォ・ポルタ
ネッダ(コロンビーナ)、ラケーレ・スターニシ
ペッペ(アルレッキーノ)、吉田浩之
シルヴィオ、与那城敬
村人、岩本識 塩入功司
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以上
レナート・パルンボ 指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団
TOKYO FM少年合唱団
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初日2014.5.14に続き2回目の観劇です。
初日の公演は、ここ
やっぱりヴェリズモはリアリスティックで生々しい。
パルンボの指揮がいいと思います。
前半のカヴァレリアと後半のパリアッチをきっちり振り分けていますね。
情緒的でウェットな表現のカヴァレリア、ドラマチックでドライ系なパリアッチ。表現の対比の妙が光ります。また舞台美術も同じ感覚の動きや色彩感。ストーリーにマッチした納得の表現は高く評価するべきものと思う。(評論家ではないが)
これらオペラ独特の組み合わせの妙をうまく表現できていたと思います。リアリスティックでありながら、さざ波のような静かな感動が押し寄せてきました。前後半別々のキャストですので、歌い手たちも普段の半分だけ歌えばよく、思いっきり歌えて演技も全開で体当たり。テンションあげたまま突き進める程度のデューレーションです。
美術も含めるとパリアッチかなとも思いますが、個人的にはカヴァレリアのウェットなしとしと感が気に入りました。初めの合唱はこれ以上ないぐらいスローなもので、そのようにしてまで表現したかったものはなにか、という話ですね。インストゥルメントと同じようにスローな中に緊張感が保持され総じてしなやかな表現となっておりました。ソロパートの楽器はもっとビブラートをかけて美しさの極みを表現してほしかったというのはあります、あまりの美しさはこれらストーリーのように破滅に向かうから抑制したのではなく、ここは表現能力を持っているかどうかということでしょう、オーケストラが技術的伝統的なものをどのように保持熟成してきているか。そこらあたりが本場ものとの違いと言えば言えるかもしれない。パルンボもそれはわかっているからそこまで要求はしない。聴いているほうとしては概ね満足ではありましたが。
トリッドゥとアルフィオ、自分のイメージではアルフィオのほうが決闘うんぬんは別にしても、力強さが上という印象があったのですが、このキャストの公演では、見た目、アルフィオのほうが少しよわよわしい。歌う困難さとキャスト配置の一致はなかなか簡単にはいかないとは思いますが。
愛と憎しみはおもてとうら、しとやかさのなかに秘められた残酷な美しさをこの指揮者は表現したかったと思います。
トリッドゥのフラッカーロは最初のアリアであぶない個所ありましたが、うまく持ちこたえてあとは思いっきり。それからサントゥッツァのガルシアは若い馬力で、なによりも気持ちがこもっている。劇ストーリーへの理解があり、聴いているほうにも説得力ありました。
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後半のパリアッチは粒ぞろいでバランスがとれており、なによりも役どころがきっちり見える。モヤモヤ感がない。それは劇中劇のシーンでも同じ。クリアなキャスティングは観るほうとしてはありがたいですね。
カニオのポルタはちょっといいのかそうでないのか部分的にわからないところがありますが、前回の初日公演よりは深みに達していた。全力投球の歌です。
ヴィテッリのトニオ、冒頭の前口上はものすごく安定感がある。最初と最後を締めるトニオ、適役です。
ツン系ネッダは地で行くような雰囲気。これも役どころがきまっている。かなりキンキン言いますが違和感ありません。男に嫉妬を抱かせる女の典型ですか、ね。
パルンボはカヴァレリアとうって変わって、迫力あるサウンド、ドラマチックで、メリハリよくバンバン鳴らす。明確に違う表現。それに、クリアで見ようによっては少しどぎつい美術が印象的。原色モードのドライな色彩と激しい演奏がマッチしている。これも残酷なエンディングをむかえるわけですが、カヴァレリアでは殺し合いの場面は見えない、パリアッチでは舞台中央で敢行しますね。この違いです。
おわり
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