河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1633- 雇用問題に直面している大オーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニック

2014-05-22 20:55:04 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラの合間に新聞記事からの拙訳です。
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オリジナル記事はこちら
自力訳をするひとはこちらからコピーを
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ポイントとしては、
・結構な数の引退、退職者。
・予算。
・これからオケをどうやって変えていくか。
・ホールの改修。
といったあたりのことです。
以下、拙訳です。
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NYT2014年5月15日
雇用問題に直面している大オーケストラ、ニューヨーク・フィル
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フィルハーモニックの変容。団員のことからミッションのことまで
2014年5月14日マイケル・クーパー 記
最近のニューヨーク・フィルは第2次世界大戦来行ってきている、演奏者、首席奏者やセクション・リーダーの入替といったことよりも、引退や予期せぬ退職での椅子取りゲームをしている。
 ニューヨーク・フィルは5人の新たな首席のオーディション、雇用、突発事項への対応を始めたところです。この5人の中には30年以上に渡りオーケストラのサウンドに磨きをかけてきたグレン・ディクテロウ引退に伴う替りのコンマスも含まれます。
お隣のメトからコントラバスのティモシー・コッブ、クラリネットのアンソニー・マックギルの二人の首席を奪い取ってニューヨーク・フィルに入れることから始めるでよ、と音楽監督のアラン・ギルバートは最近のインタビューで答えた。
マックギルはオバマ大統領の就任式で演奏した昇り竜で、国内いたるところのコンサート・ホールでソリストとして活躍。今年の秋からニューヨーク・フィル初のアフリカン・アメリカンの首席奏者になる予定。
アメリカで最古のオーケストラであるニューヨーク・フィル、ここの奏者入替の登録リストは、おそらく現在進行中の変容のなかでは一番可視的でわかりやすいものだ。
今日、定期コンサートの予約チケットの売れゆきが芳しくない中、一つのコンサートでどうやってホールを満員にしようかといろいろ考えている。上海とカリフォルニアで教育的な役割のパートナーシップ拡充、今月末には2年に1度、新たなクラシック音楽をギルバートのもと紹介していく、今年はその初年。そして静かに進行中なのがリンカン・センターにあるエイヴリー・フィッシャー・ホールの遅れに遅れている改修のこと。
 今、アメリカ国中のオーケストラが金銭面と文化面で運営がうまくいくような取り組みをしている。ロサンジェルス・フィルは魅力的な若い音楽監督グスターヴォ・ドゥダメルと新たなコンサート・ホールで成功をおさめている。クリーヴランド管弦楽団はマイアミ、ウィーン、ニューヨーク、スイスでレジデンスのシリーズ(K注:居座りじっくり型コンサートですね)をスタートさせた。デトロイト交響楽団はウェブで無料のライブコンサートを流すという大きな計画に乗り出した。シカゴ交響楽団はリッカルド・ムーティ大御所のもとでうまくいっている。一方でフィラデルフィア管弦楽団は2011年の自己破産のあと、財務健全化をめざし、精力的な若い指揮者ヤニック・ネゼ・セガンをかついだ。今年、音楽業界の目はミネソタ管弦楽団に注がれた、今、16か月におよぶロックアウトを経て再生中だ。
 ニューヨーク・フィルは、両親がこのオーケストラの団員だったアラン・ギルバート47歳、ネイティヴ・ニューヨーカーが変わりつつある周りの環境を乗り切ろうとしている。エイヴリー・フィッシャー・ホールにある彼のステューディオでインタビューに答えた。「雇用は私の最大の責任事項です、伝統を維持しながらも、アンサンブルを活力あるものにするプレイヤーを探し続けているのですよ。」また、数十年遡るディミトリ・ミトロプーロスやレナード・バーンスタインの時代、彼ら音楽監督がこのオーケストラをリードしてきて以来、オーケストラはマーラー演奏の影響を受け続けていることについても話した。
 ギルバートは続ける、「その時代にそこにいたプレイヤーは今はほとんどおりませんぜ。でも、それは昔からある禅問答みたいなもんかもね。ナイフを持つなら、刃を壊して刃を取り換えよ、そして柄を壊して柄を取り換えよ、それは同じナイフと言えるのか?、たとえ全てが新しくなったとしてもナイフというものの特性が変わらずにそこにあるのだよ、それはまさしくオーケストラと同じなのさ。」
 ギルバートは、改修されるであろうコンサート・ホールがどのようになるのかヒントをくれた。ロサンジェルスのウォルト・ディズニー・コンサート・ホールやベルリンのフィルハーモニーのようにオーケストラを聴衆が取り囲むようなデザインは好きではない。昔からあるシューボックス型のほうがいい。そのほうが音響的な利点があり、我々のオーケストラにとって、映画、プロジェクション、舞台芸術、パペット、踊りなどを含めてマルチメディア・イヴェントを提供できるようにもなるし。
新たなホールは現在の2700席よりもくつろげるようにするべきとギルバートは言っている。「私がもっとも失いたくないものは、聴衆との真のつながりの感覚なのです。かなり遠いイースト・サイドにいるほうが心地よいと感じる席があるんだよね。(K注:エイヴリー・フィッシャー・ホールはウェスト側にあります、でも何を言いたいのかよくわからない)」
改修の話が10年以上だらだら続いているが、最近ではホールを良くしようよという努力もほとんどない。音楽的にホールの音響にずっと不満がある一方で、もっと差し迫った問題というのが妖しげな赤字なのかもしれない。茶色のカーペットと四角っぽい見た目は音楽の殿堂というより学校のばかでかい講堂のように感じる時もある、このホールが徹底的に改修されれば、1回券のチケットで来るような聴衆にも心地よく、オーケストラの財政にとっても良いこと。聴衆はちょっとだけ増えましたが、昨シーズンの定期会員は40パーセントぐらいで、一昔前の57パーセントから大幅ダウン。
 ただ、リンカンセンターで計画されている改修はオーケストラにとってどのくらいお金のかかるものなのかそれが深刻な問題。ニューヨーク・フィルはここ10年は毎年赤字で、先シーズンは最大の赤字。7千100万ドルの予算に対して610万ドルの赤字。昨年末時点での寄付は1億8700万ドル相当(K注:それにしてもデカイ、要確認か)。いまだ景気後退前の姿に戻っているわけではない、また、長年支えてきた努力というものが、改修のための一時的な援助募金のために終わりになってしまいかねない。
 それから、改修の期間、オーケストラはどうやって過ごすのかという問題、ニューヨーク市のどこかほかのところで演奏会をやるのかとか、この1回の改修期間、ギルバートは継続的に舵取りとして残るのかどうか、といったあたり。正式には改修がいつから始まるか言ってませんし。また、ギルバートは現在、音楽監督5シーズン目で、契約は2016-2017シーズンまである。「もし、この改修が私のいる間に行われるのであれば、それは大変に誇らしいことだよな。」
エグゼクティヴ・ディレクターのマシュー・ヴァンビザンは、新しいホールが新たな世紀に相応しく、再び興隆するようなものであれば「大いに重要」であるといっている。
それから他の企画として、アンサンブルのメンバーが9月に上海に飛んで、上海オーケストラ・アカデミーで第1級クラスで教える予定、これは上海音楽学院と上海交響楽団との4年におよぶ共同教育の一環。まず来年、ニューヨーク・フィルは8日間にわたるコンサートと教育を上海で行う予定。
それから先月、カリフォルニアのサンタ・バーバラにある西地区音楽学校との協力関係を発表した。そこで教育と演奏の両方を行う。「変化のときです、しかしリニューアルのときです。」とヴァンビザン。
短期間ながら、ホールの問題に加えて最も緊急な課題はオーケストラを再構築することなのです。次のシーズンまでに、ギルバート氏は106人のメンバーに17個のアポを取る予定。
 今年オーケストラを去るメンバーのほとんどが何十年も務め上げた後の引退によるものです。ディクテロウは34年間務め上げました。首席トランペットのフィリップ・スミスは36年、第2ヴァイオリンのマーク・ギンズバーグは44年間です。
でも、ビックリするような退職が2,3ありました。
昨年、シカゴ響から呼んだクラリネットの新首席スティーヴン・ウィリアムソンは、シカゴに戻るよ~ん、だって。これはここのところのニューヨーク・フィルにとって、このポスト絡みで2回目のペケだったのです、長年クラリネットの首席を務め上げたスタンリー・ドラッカーが2009年に引退、フィラデルフィア管弦楽団からプレイヤーを雇ったのですが、家庭の問題で契約違反でいなくなった後だったのね。
ベルリン・フィルとミネソタ管でつましく暮らしていて2012年にニューヨーク・フィルの首席となったFora Baltacigilも、コントラバス・セクションにすき間を露呈させながら、この冬去った。最近になって、Baltacigilはこんなイーメールを送ってきた。自分が以前いたオーケストラで見つけた「ハーモニーとピース」をニューヨーク・フィルで見つけることが出来なかったので吾は去ったのよ、だと。
このような退職についてギルバートは「や、や、うまくいかなかったなや」と。さらに付け加えてメトから採用者に関しては、より満足の出来るものではなかったんだが、と。
そのメトからのコッブは今月コントラバスの首席になる、マックギルのほうは新たなレパートリーを演奏できる機会ができて興奮しているとインタビューに答えていた。彼らは最初の年はメトから「休暇扱い」みなし処理ですね、オーケストラにおける採用の常識的な話ではあるのですが。
最も重要な事項は新たなコンサートマスター選びです。コンマスはオーケストラの音を作り上げ、キーとなるヴァイオリン・ソロを演奏し、指揮者の意図を奏者たちに伝える役割を持つ。ミネソタ管弦楽団のエリン・キーフは今シーズン、2週間のトライアルをしました。ギルバートが言うに、彼女は「アブソリュートリー・グレイト」だった、でも、首席ということに関して、もっと多くの奏者のトライアウトが済むまで誰ともアポはとりたくないと。ニューヨーク・フィルにとってふさわしい奏者を見分けることを楽しんでいると。オーディションからオーケストラメンバーで構成される委員会との議論まで、楽しんでいると。
「まぁ、その基準となるものは明白なのね、」「メイビーというのはノーということさ。」
おわり