河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1536- リッカルド・ムーティ conducts ヴェルディ、東京・春・音楽祭 特別公演2013.10.31

2013-10-31 23:52:47 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2013年10月31日(木)7:00pm トリフォニー
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東京・春・音楽祭 特別公演
ヴェルディ生誕200年記念
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「シチリア島の夕べの祈り」より、
  序曲  9′
第3幕よりバレエ「四季」  31′
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インターミッション 20′
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「運命の力」より
  序曲 8′
第2幕より「天使の中の聖処女」 9′
 グワルディアーノ、加藤宏隆(Bsbr)
 全員、東京オペラシンガーズ
 レオノーラ、安藤赴美子(S)
 (in order of appearance)
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「マクベス」第4幕より、「虐げられた祖国」 7′
  スコットランドの亡命者の合唱、東京オペラシンガーズ
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「ナブッコ」より
  第3幕より「行け、わが想いよ、黄金の翼にのって」 6′
   ヘブライ人たち、東京オペラシンガーズ
  序曲 7′
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指揮 リッカルド・ムーティ
管弦楽 東京春祭特別オーケストラ
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ムーティは1941年生まれ、バレンボイムやレヴァインと同年代。もう70越え。なのに髪は黒々と長く、身のこなしもまだまだいい感じだ。それにオーラがあり、このホールの人数ぐらいなら簡単に魔術にかけられるのだろう。カリスマとオーラ。
この年代で女性客にいまだ人気絶大なのは恐れ入る。
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それとは裏腹にというわけではなく、全く正論的に音楽は厳しい。
シチリア島の序曲が動き出して、おや、チェロの音が一段持ち上げられていると感じ、もしかしてピッチ高めに設定なのかなと感じた。響きがより明瞭になっている。ここらあたりの事情はわからない。ピッチなのかプレイヤーの充実度、集中力なのか。
ただ、音楽は後半最後の曲の方でようやく自由度が増してきた。その前までは、硬いというかムーティをこわがっているのは明白で、上手から水が漏れることはないとはいえ、そこらあたりにいるチャラチャラ踊り系の指揮者たちとはまるで異なるということを当然ながら皮膚感覚でわかっているのだろう。聴いている方でもよくわかる。ムーティにはそう感じさせる何かがもともとあるのかもしれない。ミラノ、シカゴ、フィラデルフィア、ベルリン、ウィーン相手でも同じような雰囲気がある。とはいえ、この日のオケ、一言で言うと、委縮。
ヴェルディ特有のダッダッ、ダッダッの足なみ、艶のある歌といったあたり足りない。俄作りのオーケストラ編成だから呼吸が合わないのか。アンサンブルの鳴りではなくマスサウンドでなんとか音楽を造っている。
後半、合唱がはいって来たところでようやく、この日はもしかして合唱のための一夜だったのではあるまいかと感じさせてくれた。肌触りのいい合唱の響き。黄金の翼はあの時の(1988.9.10)永遠に鳴り続けたと思われたスカラ座公演にははるか遠くおよばない、全く別物のような感じだ、とは言え、合唱はオーケストラよりはよく応えていた。
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最後のナブッコ序曲でようやくヴェルディの熱が出てきた。ここからスタートすれば素晴らしいヴェルディ・ナイトになっていたことであろう。
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最後にこの「東京・春・音楽祭」というお祭りのタイトルはもう少し何とかならないかな、特にこの日は、秋。
おわり