河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1533- ブリテン、夜想曲、ギルクリスト、ピーター・グライムズ、ベートーヴェン8番、ノリントン、N

2013-10-19 22:34:58 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2013年10月19日(土)6:00pm NHKホール
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ベートーヴェン エグモント、序曲
ブリテン 夜想曲
 テノール、ジェームズ・ギルクリスト
ブリテン ピーター・グライムズ、4つの海の間奏曲
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ベートーヴェン 交響曲第8番
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ロジャー・ノリントン 指揮 NHK交響楽団
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なんとも頭でっかちのバランスの悪いプログラム構成。前半の3曲だけで1時間越え。せめてエグモントを後半、8番の前に持ってくるとか策があると思うのだが、このアンバランス、何か理由があるのかしら。
夜想曲のギルクリストは細めの美しい声で、でかく歌わなくてもホールに響きが充満。昔のタリアヴィーニの鼻声を少し思い出しました。(といっても生ではなくCDですが)
このホールで夜想曲を歌うのは歌い手からすると厳しいのではないかと思いましたが、事前の準備、きっちり段取りしていたのでしょう。
PG間奏曲は独特なモノローグ風な静かなところが美しかったと思います。オペラ全曲だともう少し劇的なところが強調されるような気がするだけに静かさが目立つと言った部分があるのですが、前曲の夜想曲含め2曲並べられるとその静かさの連続にちょっとしんどくなる。ここらあたり諸外国の指揮者やオーケストラが外国で自国ものをやるときの陥穽。日本の団体が外国でやるときの演目についても同じ、この日のような並べ具合はしないとは思いますが。
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後半の8番は短い曲でノリントン棒だとさらに短く。あっという間の出来事でした。この曲独特の粒立ち、その良さをN響からは聴くことが出来ました。伸ばし音符のフレーズ句についても対比が良くわかる演奏。ノリントン速度だとアクセルそのものがもう一個別の個体の様にアドレナリン注入されパースペクティヴに優れた迫力が出てくる。この前の田園もそんなところがありました。ユニークな演奏様式ですね。
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最後は、「振り向きフィニッシュ・ドヤ顔さらし」
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1532- ブルーノ=レオナルド・ゲルバー、月光、3番、田園、熱情、2013.10.19

2013-10-19 22:23:45 | インポート

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2013-2014シーズン
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2013年10月19日(土)2:00pm 東京文化会館小ホール
オール・ベートーヴェン・プログラム
第14番 月光 (1801年)
第3番      (1795年)
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第15番 田園 (1801年)
第23番 熱情 (1804-06年)
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ピアノ、ブルーノ=レオナルド・ゲルバー
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ゲルバーは随分と昔から聴いてきた。1970年代後半からだから少ないとは言えそれなりに聴いてはいる。身体のことでいうと最初の頃は両杖で割と元気にばたばたとピアノに向かっていたような記憶がある。そのあとちょっと記憶がさらにあいまいなのだが杖が無かった時代もあったと思う。今回は介添えの人の腕をつかみながら。それでも色つやがいいし、とても72才とは思えない。
月光の神秘にいきなり入っていった。歯切れよくピュアなサウンド、伸縮しない正確な音の長さ、ぶれない。これはよほど気持ちが安定していないとこのようにはならない。雑念皆無の音楽集中。この小ホールはちょっとガラスが割れたような小さい割には拡散系のサウンドホールだと思いますが、音楽への集中力が上回る。静かさと激情、その両方に眼が光る。
第3番はまともに面と向かって聴いたのはこの日が初めてだと思う。大規模な曲でした。形式感がありあまるほどキッチリした曲のはず、でもそこまで見通せなかった。聴くので精一杯。ゲルバーのピアノ、この日、白眉、会心の演奏だったように思います。曲自体をあまり知らなかった自分としてはほとぼりが冷めてから、最近のアリス=紗良・オットのCDを取り出して聴きたいと思います。
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後半の最初の曲は、冒頭の月光の次のソナタ田園。
田園はこれまた古い話だが、ポリーニのザルツブルクでの放送録音(1976.8.24ザルツ)が印象深く、静かで精神の安定を感じることができる演奏であった。ゲルバーのこの日の演奏も静かで造形に優れ、ブレない表現が印象的。見事なフォルムだと思いました。
この日はプログラムの入れ替えがあり、もとは、田園が先で月光が後半一曲目の順番でした。変えた理由はわかりませんが、こっちのほうがいいように思いました。
最後の熱情はこの日の曲で一番後期の作品。最初は運命が鳴りっぱなしで、どうしても音価が均質かといったあたりに耳がいってしまいます。ゲルバーは最初の月光から、乱れのない演奏でそこらあたりのことは心配無用なのでしょう。楽しめばいいとわかりました。
最近では泊真美子さんのを聴いておりました。両方ともうるさくならずいいですね。
糸がもつれないでメビウスの輪のようになり先へ先へ進んでいく、空中を絶えず動きながら浮かんでいる糸のような、ピアノの一つずつの音であるはずのものが連続連鎖していく様は見事と言えます。
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アンコールもなく、きっちり4曲。ファンで埋め尽くされたホール。久しぶりにゲルバーを聴いて満足しました。ありがとうございました。
おわり