河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1297- ブロムシュテット ドレスデン シューベルト&ブルックナー1981.7.6

2011-09-19 08:15:00 | コンサート

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昔の演奏会から。


1981年7月6日(月) 7:00pm 東京文化会館

シューベルト 交響曲第8番 未完成

ブルックナー 交響曲第4番

ヘルベルト・ブロムシュテット 指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団


それでは例によって昔のメモをそのまま書き写します。みっともない文章ですが手を加えない方が、臨場感があるような気がしますので。
巨大にして強固な演奏であった。
ブルックナーの「ロマンティック」が、こんなに巨大な曲であったなんて、知らなかった。
巨大音響がまるで壁画みたいに鮮烈に鳴り響いたとき、なんというベートーヴェンとの違い。
このような強固な表現は後にも先にもこれが初めてだ。
ブロムシュテットのブルックナーは既に3年前に5番を聴いていてある程度は知っている。知っているつもりであった。それにしても「ロマンティック」がこのように響くとは思ってもみなかった。
金管群のものすごい咆哮。巨大にして完璧なオルガン的音響建築物である。まさにブルックナー的音響のたわむれの極限をいった金管群の圧倒的にして完璧な表現だと思う。
そしてその金管群に全く負けていない弦がすごい。特にヴィオラ、チェロ、コントラバス群が表現能力の最上部をいっている。第1ヴァイオリンと同一の表現と力強さでせまってくる。第2楽章における弦楽器の強力な表現能力、一瞬、バロックでも聴いているような錯覚に陥った。とにかく「ロマンティック」が楽章ごとに独立性をもって、かつこれだけ巨大にして完璧に鳴ったのは、少なくとも自分の音楽体験の中では初めての出来事である。
第1楽章の第1主題から最終楽章まで、忘れろと言われてもそんなに簡単に忘れることのできるような演奏ではなかった。後頭部をハンマーで殴られたような圧倒的ショックを受けた。
第8番と同等の巨大さがせまってきた。といってもうそにはならない。
ブロムシュテットのこの演奏だけは忘れはしないだろう。

といったかなり興奮した内容のメモですっかりシューベルトのことは忘れてしまっている。
ブルックナーの4番はレコードで聴いてもかなり強力なサウンドで、第4楽章のように長調が完全にすっきり抜けきるまで吹きすさぶ感じがあって気持ちが良い。それを実演で圧倒的なサウンドで押しまくられたものだから聴衆の方も完全に打ちのめされた。ブルックナーの中では人気曲ではあるものの、今みたいにいつでもどこでも聴ける曲ではなく、ましてまるでホルン協奏曲なみの難度、名手がいないとまともにできないのも事実。当時東ドイツのホルンの名手はペーター・ダム。この日もきっちり生真面目な雰囲気でトップを吹きまくっていたと記憶する。だから我々も曲にどっぷりと漬かることができたわけだ。
おわり