幹事クリタのコーカイブログ

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寺尾逝く

2023-12-19 23:52:11 | 大相撲
 大相撲の元関脇寺尾(錣山親方)が亡くなりました。まだ60歳という若さです。力士は短命なのが宿命とは言え、寺尾のようなソップ型の力士はそれなりに長生きするかと思っていましたが、人の寿命はわからないものです。寺尾は元関脇鶴ヶ嶺の三男で元十両の鶴嶺山、元関脇逆鉾とともに「井筒3兄弟」と呼ばれ、逆鉾とともに大相撲史上初の兄弟同時三役にもなりました。細身の体ながら回転の良い激しい突っ張りで、横綱にも大型力士にも真っ向から立ち向かっていく気風の良い相撲で人気力士でした。

 39歳まで土俵を務め「鉄人」の異名もつけられたほどで、「花のサンパチ組」(双羽黒、北勝海、小錦、琴ヶ梅ら)の中でも最後まで土俵に上がり続けたので、10歳年上の千代の富士とも9歳年下の貴乃花とも、世代を超えて何度も対戦して名勝負を繰り広げてきました。千代の富士に土俵中央で吊り落としで叩きつけられた相撲と、貴乃花に土俵際で逆転負けを食らって花道でさがりを叩きつけて悔しがった相撲が印象的でした。ともに負けた相撲ですが、それが印象に残っているあたりが通算敗戦数が歴代2位の寺尾らしいところです。

 常に真っ向から全力勝負で立ち向かう寺尾の相撲は本当に気持ちが良くて、単に美男でソップ型だったから人気があったというわけではありません。勝っても負けても良い相撲を見せてもらったと感じる力士が寺尾でした。僕が60年近く相撲を見てきた中で、寺尾より強い力士はたくさんいますし、寺尾より見ていて面白い相撲を取る力士も何人もいますが、未だに寺尾よりも気持ちの良い相撲を取る力士を知りません。ご冥福をお祈りいたします。
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