幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

不思議の勝ちあり

2012-01-31 02:47:26 | テニス
 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言ったのは野村克也ですが、実はこれ、松浦静山の剣術書『剣談』からの引用だそうです。まあ数多くの勝負の修羅場をくぐり抜けてきた勝負師・野村だからこそ、この言葉にピンときて広めたのでしょう。先日の日曜日、僕もこの「不思議の勝ち」を経験してしまいました。

 恒例になっている山本麻友美プロとその妹分の元インカレダブルスチャンピオンT村さんとの最強女ダブにオジサンが挑戦するシリーズ。昨年は何回チャレンジしてもボコボコにやられてしまい、ゲームすらなかなか取らせてもらえませんでした。今年の目標は何とか1勝なのですが、圧倒的な実力差を考えると現実味は感じられません。

 日曜日のメンバーはいつものM原准教授と、山本プロとの練習会初参加のH金くん。このM原&H金の両名は同い年なのですが、見た目は片や小柄軽量、片や大型重量でプレイスタイルも対照的。走り回って拾いまくるM原くんに対し、体重を生かしたパワーショットで攻撃的に押しまくるH金くん。特にH金くんは年末に肉離れをして1ヶ月テニスを我慢しての参戦なので、余計に動きは遅くなっています。まあ今回は勝ち負けよりもH金くんに山本プロの凄さを感じてもらえれば良いかなと思っていました。

 最初のゲームはクリタ・H金組。頑張ったものの当然のように0-4。ただ4ゲームで7ポイントくらい取れたので善戦かなと思ったら、M原くんから「最初がチャンスなんですけどねぇ。温まってくると後はガンガンきますから」と言われてしまいました。確かにいつもそうなので、7ポイントで満足していてはいけません。実際、次のH金・M原組は4ゲームで3ポイントしか取らせてもらえずに早々にやられてしまい、こりゃ今日もゲームを取るのも大変かなという雲行きでした。

 ところが次のM原・クリタ組が2ゲームも取れたのです。一時は2-2と追いついて「おっ!」と思ったのですが、そこからさすがに山本プロがきちんと締めて2-4。でも久々にまともなゲーム展開になったのでこちらの意気は上がります。逆にミスが目立ったT村さんは首を捻っています。

 そしてまたクリタ・H金組。トスに勝ったのでサービスは僕から。このゲームを何とかキープできました。次に山本プロもキープ。H金くんもキープ。T村さんもキープ。さらに僕がキープ、山本プロがキープで、なんと全部サービスゲームをキープしての3-3です。別に僕たちのサービスが急にフェデラー並みになったわけではなく、なぜか相手がミスをしてくれるのです。特にT村さんのリターンが合っていません。リターンだけではなくストロークも、得意なはずのボレーまでミスが目立ちます。

 ここまでゲームが競るとは思いませんでしたし、僕は自分のサービスゲームを2つもキープできたので、この時点でもうかなり満足していました。ゲーム1つ取れれば御の字の相手にタイ。しかも全てサービスキープなんてきちんとしたゲーム内容です。いつもなら強力なリターンで「あれ~」とやられているのに、なぜかキープできているんだから不思議な気分です。

 そしてH金くんのサービスゲームも、T村さん、山本プロ、T村さんと立て続けにリターンミスで瞬く間に40-0とトリプルマッチポイント。一体全体今日は、いやこの試合はどうなっているのかと変な気分でした。H金くんがそんなに凄いサーブを打っているわけではないのに、なぜかポイントがこちらに転がり込んでくるのです。そして最後のポイントも山本プロがセンターに打ってきたリターンが甘くなって僕がボレーしてあっさりそれが決まりました。これだっていつもならラケットを弾かれてミスショットになりそうなものなのに、こういう時はキレイに決まっちゃうんですよね。結局全部キープの4-3で最強女ダブに初勝利。よくわからないうちにあっさり勝ってしまいました。まさに「不思議の勝ち」です。

 もっともその後のH金・M原組はまたあっさりやられてしまいましたから、結局あの試合の時だけ「勝負の神様」が気まぐれを起こしたとしか思えません。テニスはほとんど実力通りの結果が出ますが、たまにこういう「何をやってもうまくいく(相手からすれば何をやってもうまくいかない)」時があります。負けた方にしてみれば納得のいかない本当にイヤな気分なのですが、勝った方も勝ったのに達成感が少ない妙な気分です。実力で勝った実感がありませんから当然なのかも知れませんが、山本プロの強さはこの2年でイヤと言うほど知っているので、少々のラッキーくらいでは勝てる相手ではないだけに不思議としか言いようがありませんでした。

 できたら次は「不思議」じゃなく勝ちたいものです。もしかしたら一生無理かも知れませんが、「諦めたらそこで試合終了だよ」と安西先生も言っていますしね。ま、きっと今度はいつも以上にボコボコにやられてしまう可能性の方が高いですけど。


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6時間全力で戦えますか?

2012-01-30 01:50:48 | テニス
 昨日の日曜日はいろいろと忙しく、山本麻友美プロとテニスをしたり、サックスの発表会に向けてのリハーサルでバンドでの合わせ練習をしたりしてバタバタしていました。それぞれに楽しかったので、また改めて明日以降に書きますが、やはり昨日のハイライトは全豪男子シングルス決勝のジョコビッチvsナダル戦でした。

 ランキング1位と2位、そしてグランドスラム3大会連続の同一カード決勝対決。まさに現在の男子テニスの最強の2人ががっぷり四つに組んでの対戦です。ただし、この2人はジョコビッチがナダルをカモにしている状態がずっと続いています。ジョコビッチはナダルの強力なエッグボールと呼ばれるトップスピンのショットを苦にしていません。フェデラーはナダルにこのエッグボールをバックに集められていつも苦しんでいますが、ジョコビッチはそのボールをバックハンドの高いところで叩いてきます。得意ショットを逆に叩き込まれてはナダルもたまったものではありません。その結果、ナダルはジョコビッチに6連敗中と「カモネギ」な関係になってしまっています。

 ただ相性的にはジョコビッチが有利ですが、日程的にはナダル有利。ジョコビッチはマレーと5時間近い熱戦を準決勝で戦って中一日。ナダルはお得意様のフェデラー戦をジョコビッチよりはずっと短い時間で終わらせている上に中二日。たまっている疲労の大きさではずっとジョコビッチの方が大変なはずです。試合が長引いてナダルのペースに持ち込まれたら、さすがに相性が良いジョコビッチも苦しいかなと思っていました。

 そして案の定、試合は大熱戦になりました。1セット目だけでも80分。その後もお互いに一歩もゆずらずファイナルセットにもつれこみました。最終セットはナダルが押し気味で試合を進めていました。ジョコビッチはさすがに疲労の色が濃く、このままずるずると体力負けをするのかと途中では思いました。ところが最後のところでジョコビッチは復活しました。ナダルよりはるかにフラフラしている癖に、一段とギアを上げたのです。

 もうそうなるとお互いの体力勝負というよりは気力の勝負になってきました。負けず嫌い同士の究極の我慢大会。絶対に自分から「まいった」は言わないぞ、という気迫が画面越しにも伝わってきます。試合は約6時間という、とんでもない記録的な長さになりました。その間だ、2人はずっと全力で走り、ボールをひっぱたき続けたのです。最後は紙一重の差でジョコビッチが勝ちましたが、本当にベタながら「2人とも優勝だよ」と言ってやりたくなるくらいの大熱戦でした。

 彼らの試合を見ているうちに、僕ももっとテニスがうまくなりたいという熱い思いがこみ上げてきました。歴史的な一戦だっただけに、テニス愛好家ならそれくらい思って当然でしょうけど。


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女子テニスの世代交代

2012-01-29 00:30:59 | テニス
 全豪女子シングルス決勝はアザレンカがシャラポワを圧倒して、あっさり優勝を決めました。これでアザレンカは初のグランドスラムタイトルを獲得するとともに、ランキング1位の座も勝ち取りました。全豪前の僕の予想では、昨年ウィンブルドンを制したランキング2位のクビトバがこの全豪も勝って1位を奪うのではないかと思っていましたが、3位につけていたアザレンカが先にナンバー1を取ってしまいました。

 長い間、女子テニスの世界はウィリアムズ姉妹とベルギー勢(エナン、クライシュテルス)が君臨し続けてきました。しかし、ウィリアムズ姉妹は30才を越え往年の強さもさすがに陰を潜めました。エナンは引退、そしてクライシュテルスも今年で引退を示唆しています。世代交代の時期にきているのに、なかなか若手が台頭してこなかったので、昨年は混沌とした覇権争いでした。

 昨年の王者は全豪クライシュテルス、全仏リーナ、ウィンブルドンはクビトバ、全米がストーサー。若手はクビトバだけで、後は20代後半のベテランばかりでした。しかし、ランキング1位には無冠ながらも若手のウォズニアッキが座り続け、彼女と同世代の選手が徐々にグランドスラムでも上位進出をしてベテランを脅かしていました。いよいよ今年は世代交代がはっきり進むのではないかと思っていただけに、今回のアザレンカの優勝は時代の歯車を一気に回した感があります。

 ちょうどこれは10年ほど前の男子テニス界の世代交代に似ています。サンプラスやアガシ、ラフター、イバニセビッチなどの1990年代のチャンピオンたちが衰えを見せ始める中、「ニューボール世代」と言われたヒューイット、ロディック、フェデラー、サフィン、フェレールらがぐんぐん伸びてきて次々とタイトルを獲得して旧世代を追い落とし、そしてその中から頭ひとつ抜け出したフェデラーが時代を築き上げました。

 同様にいま女子もウォズニアッキ(21才)、クビトバ(21才)、アザレンカ(22才)、ラドワンスカ(22才)、リシツキ(22才)、パブリチェンコワ(20才)ら、20代前半の若手が急成長をしています。特にクビトバとアザレンカは身長も180センチ台の大型選手。この2人がこれから数年間、女子テニスを牽引していくのではないかと睨んでいます。うまく育てばかつてのエバートとナブラチロワのようなライバル関係になれそうなだけに、大きな故障がないことを願います。

 ちなみに今回決勝で負けたシャラポワ。彼女はデビューが早かったのでもうベテラン扱いされていますが、実はまだ24才と若手に近い年齢です。相変わらず考えなしのハードヒット一本槍ですが、その威力はさすがに他を圧倒しています。新しい世代の大きな壁となって今後も活躍して欲しい選手です。
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娘の同級生はアイドル

2012-01-28 02:33:34 | AKB&乃木坂
 昨晩の「ミュージックステーション」にSKE48が初登場しました。ここのところオリコン1位を連発している人気グループだけにMステ初登場は遅すぎたくらいのタイミングですが、名古屋のご当地アイドルがここまで売れるとはさすがにデビュー当時は思いませんでした。

 うちの娘が3年前に高校に入学した時、同級生にSKE48に入っているという子がいるということで少し家族の中では話題になりました。当時はまだ松井珠理奈ですらあまり名前も知られていない頃で、「SKE?ふーん」ってくらいでしかありませんでした。その子はSKE48の中でも中心メンバーではなかったし、娘も「クラスでもそんなに目立つタイプじゃない」というくらいで、まあその程度の子かなと思っていました。

 娘が2年生に進級した時に、1年から同じクラスだったのがそのSKEの子で、特に仲が良かったわけではなかったけど何となく一緒にいたそうです。2年生になってすぐに修学旅行の班を決めたため、流れでその子と一緒の班で修学旅行も行くことにもなっていました。

 ところがSKE48はその頃からどんどん売れて彼女も忙しくなってきたために、結局修学旅行を仕事で欠席。SKE目当てで娘と同じ班に入ってきた子たちとは全然気が合わず、娘としては最悪の修学旅行になってしまいました。もちろんSKEの子が悪いわけではないのですが、それを契機に娘はその子とは疎遠になっていったようです。

 3年ではさすがにクラスが違ったので、最近ではほとんど話題にもならなかったのですが、今回発売されたニューシングル『片想いFinally』の選抜メンバー16人の中にその子が初めて選ばれたのです。これまでは目立たない存在だったのに、なぜ今回いきなり抜擢されたのかは秋元康ではないのでわかりませんが、娘としてはさすがにこれはビッグニュース。テレビ雑誌で紹介されているのを見ただけでも「おー!」と驚いていたくらいですから、昨晩のMステ出演はさらに驚きで、カメラで抜かれるたびに「映った!」と大騒ぎ。さすがに疎遠になっているとは言え応援はしているようです。

 首都圏に住んでいれば芸能人が身近にいることもあるでしょうが、名古屋では同級生がアイドルをやっているなんてさすがに珍しいので、きっと高校でも話題になっていることでしょう。もっとも3年生は卒業間近でもうほとんど学校にも行かなくてもいい時期なので、話題になっても学校に来るのは卒業式くらいかも知れませんが、平凡な地方の公立高校としてはなかなかのホットニュース。高校時代の思い出話がひとつ増えて良かったんじゃないかと思います。

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こじはるは有名か?

2012-01-27 01:04:34 | AKB&乃木坂
 先ほどフェイスブックを眺めていたら、資生堂TSUBAKIのCMに出ている女の子で知らない子がいる、AKB48の子らしいけど有名なの?ということを書いている人がいました。僕の学校の10年くらい後輩に当たる男性で、いま40才くらいだと思うのですが、当然コメントで「こじはるです。有名ですよ」という突っ込みをされていました。もちろんコメントを付けている中には同じように「知らない」という人もいました。

 さて、中年男性にとって小嶋陽菜はどれほど「有名」なのか、これはなかなかに難しい問題です。僕はもともとアイドル好きな上に、職業柄今でもある程度芸能人はチェックをしているので、AKB48の主だったメンバーはわかります。顔と名前が一致するメンバーは20人くらいはいるでしょう。「推しメン」を聞かれたら、峯岸みなみかな、くらいの答も用意しています。

 しかし、広告代理店の40~50代ならAKB48はわかっても、公務員や銀行員や弁護士の同世代に聞いたら「全然わからない」という人も結構いそうな気がします。では、野田内閣の閣僚で顔と名前が一致するのはどれだけいるでしょう?野田総理、岡田副総理、枝野経産相、細野環境相あたりまでは何とかわかるとして、川端総務相、小川法相、玄葉外相、安住財務相、平野文科相、小宮山厚労相、鹿野農水相、前田国交相、田中防衛相、藤村官房長官、松原国家公安委員長、自見郵政改革担当相、古川国家戦略担当相、平野震災復興相。さて、何人わかりますか?僕が名前を見て顔が思い浮かぶのはやっと10人です。大人としてはいかがなものか。

 AKB48なら30人わかっても、閣僚は野田と岡田と枝野の3人しかわからないという広告マンはいくらでもいそうです。逆に霞ヶ関のお役人ならAKB48は篠田麻里子しか知らなくても、閣僚は全部わかるという人が大多数ではないかと思います。じゃあ大相撲の幕内力士なら何人わかりますか?僕が1月場所42人の幕内力士のうち、番付だけ見て顔と名前が一致するのは30人弱でした。さすがに役力士は全員わかりますが、幕内下位にいる力士は名前は知っていても顔がすぐに思い浮かばない力士がたくさんいました。八百長問題でガラッとこのあたりの力士が入れ替わっているせいもありますが、相撲好きを自認していたのに我ながら残念です。

 こじはるは有名ですが、古川元久国家戦略担当相も有名だし、隆の山も有名です。これは僕が3人とも知っているからそう言えるだけで、知らない人にしてみれば「え、誰それ?」になります。じゃあ舞川あいくは有名か?と言われると、これは僕も返答に困ります。名前は千原ジュニアのお陰で最近覚えましたが、顔はまだ認知していません。僕が知らないくらいだから、50才男性での知名度はまだかなり低いと思います。でもきっと20代の女の子に聞いたら「超有名じゃん」と言い切られることでしょう。

 有名か有名じゃないか、なんて所詮そういうものです。世代や性別や環境で有名無名の基準は大きく変わります。だから自分の常識が世間の常識ではないのに、自分が知っていることを知らないという人を見ると「常識ないなぁ」「バカじゃないの」と思ってしまう自分がバカなんだということを改めて考えてしまいました。

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半年後の錦織が楽しみ

2012-01-26 00:23:20 | テニス
 NHKが地上波で緊急生中継した昨日の全豪準々決勝の錦織vsマレー戦。それだけ日本中から注目された試合でしたが、残念ながらさすが4強の力を見せつけたマレーの完勝に終わりました。ポイントは競っていました。錦織が全てにおいて圧倒されたわけではなく、試合内容は互角の部分も多々ありました。しかし結果は3-6、3-6、1-6のストレート負け。「ここぞ」の部分で集中力を高めて確実にポイントを取りにくるマレーのテニスの質の高さに「さすが」と唸るしかありませんでした。

 今の男子テニスはトップ100の選手なら、個々のショットの質はそれほど100人の間に大きな差はありません。しかし、1本のショットは互角でも1ゲームの中でのプレーの質の高さ、さらに1セット、1試合、1大会と枠を広げていけばいくほど、1位と100位の間で差が大きく開いていきます。錦織のテニスは1本はおろか1ゲームの中でもマレーら4強に劣ってはいません。しかし1セットとなるとちょっと開きがあって、1試合ではまだまだかなりの差があります。

 ただ未だ成長中の錦織のことですから、今はマレーとこれだけの差があっても、半年後、1年後にこの差が必ずや詰まってくるはずです。今シーズンは始まったばかり。これから春のアメリカでのハードコートシーズンは錦織が得意の季節です。そこから晩春のパリ、初夏のロンドン、そして初秋のニューヨークと転戦する間に、今大会以上のパフォーマンスをきっと見せてくれるはずです。大会ごとに成長していく錦織を見られる今シーズンは、日本のテニスファンにとってはたまらなく美味しい1年になると思います。

 さて、大会の方は男女のベスト4が出揃いました。男子はさすがの4強揃い踏みです。4人が4人とも好調で、誰が勝ってもおかしくない、まさにガチンコのドリームマッチ。これほどレベルが高い準決勝は滅多に見られません。順当に行けばジョコビッチとナダルの決勝になりそうですが、フェデラーがナダルを破ることができれば、そのまま久々に優勝することも十分考えられます。優勝予想は敢えてジョコビッチを外してフェデラーに二重丸としておきます。

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「モテる」という言葉が効かない時代

2012-01-25 01:22:43 | 男と女
 昔々、僕たちがまだハタチくらいだった頃に、日本には空前のテニスブームが訪れました。本当に誰も彼もがラケットを小脇に抱えてテニスウエアで街を闊歩していました。テニスコートは若者で溢れかえり、赤土のコートの上でウッドラケットを握って白いボールを追いかけていたものです。

 僕の新入社員の時に、同期入社のほぼ9割が「趣味:テニス」と書いていました。今となっては22才の90%がテニスを嗜むなんて考えられませんが、実際にいまのアラフィフに聞けばわかります。あの頃の若者は誰もがテニスコートに立ってラケットを振り回した経験があったのです。

 なぜ、みんなテニスをしたのか?それはテニスをすれば「モテる」からです。いや、9割がテニスをする以上、もはやそれは「モテる」からではなく、しないことで「モテない」(と言うか、論外)になることを恐れたからと言った方が正確だったかも知れません。とにかく、男女の恋愛に必須アイテムとしてテニスがあったということです。

 同様にスキーとクルマも「モテる」ためには必要でした。要は夏はテニス、冬はスキー、そしてどちらもクルマで行かないとカッコがつかないということで、みんな「モテる」ために必死でお金を貯めてクルマを買ってテニスラケットやスキーの板を積んでリゾート目指して走っていたわけです。若者の恋愛はリゾートで大量発生していました。『リゾラバ』って歌があったなぁ。

 「若者の○○離れ」が叫ばれて久しいわけですが、テニスもスキーもクルマも若者が離れていったと言われる典型的なものです。それはつまるところ、これらが「モテる」ために必要じゃなくなったことを示しています。テニスやスキーをするのは単なるスポーツ趣味の人になり、クルマも恋愛にとってマストアイテムではなくなりました。いまどき「クルマはガイシャじゃなきゃ。軽なんてありえない」なんて言っている女性はバブル世代だけです。

 そしてもっと言えば、イマドキの男の子は「モテる」こと自体を目指していないケースが増えました。彼らは女性受けするかどうかよりも、自分の価値観を優先しています。結果として同じ嗜好の女性がいれば良いですが、最初から女性受けを考えてはいません。これをすれば「モテる」よ、という煽り文句が効かないのです。昔はこの言葉が絶大な効果を発揮しましたから、そりゃ広告も今よりずっと簡単でした。

 何が言いたいのかと言うと、広告屋としては難しい時代になりましたが、消費者としては今の方が成熟していて進んでいるということです。自分が何が好きで何が必要なのか、それをきちんと見極めて不要なものを買わない。結果それはゴミも増やさない環境にも良いライフスタイルということになります。

 こんな傾向が進む限り、もうバブル時代のようなバカ騒ぎの再現はあり得ないでしょうね。ま、あれはあれで面白かったから経験者としてはもう良いのですが、バブルを知らない世代は「ちょっと悔しい」らしいです。

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錦織が日本のテニス史を書き替えていく

2012-01-24 01:12:08 | テニス
 この「コーカイ日誌」では長年いろいろな話題を取り上げていますが、だいたいアクセスが伸びるのはテレビ番組の話とか政治絡み、時事ネタ。アクセスが落ちるのはテニスの話題と相場が決まっています。それはわかっていますが、今日も今日とて全豪オープンの話、というか、錦織圭の話題です。まあ仕方ありません。日本のテニス史上に残る記録的な快挙を錦織が連日達成しているのですから、テニスファンがここで錦織の話をせずに月9の話題とか、野田首相の2年前の演説への突っ込みとかしてられないです。

 昨日の快挙(なにせ連日快挙ですから)は、大会前から僕が期待をしていたように、錦織がフランスのツォンガを破ってベスト8に進出したこと。全豪での日本人男子8強は80年振り、そして日本人男子選手がオープン化以降グランドスラムで8強に進出したのはあの1995年ウィンブルドンでの松岡修造以来です。錦織自身としても全米16強を上回ったわけで、本当に素晴らしい結果を残しました。これで大会後のトップ20入りも確実でしょう。

 ツォンガはツアー屈指のパワーとスピードを兼ね備えた素晴らしいファイターで、今大会も第6シード。現在の4強を脅かすとしたらツォンガかデル・ポトロかというクラスの選手です。しかし、なぜか錦織はツォンガと相性が良く、昨秋の上海と今回の前哨戦で勝っています。それが裏目に出てツォンガに研究されてしまうという怖さもあったのですが、昨日の試合では相性の良さの方が上回ったみたいでした。

 しかも今回もまたフルセットの逆転勝ち。どうも錦織は相手にフィットするまでに時間がかかるようですが、ちゃんと合ってくれば無類の強さを発揮するだけに、5セットマッチのグランドスラム向きの選手なのかも知れません。ただこんな試合ばかりでは疲労が残って後半体力切れを起こしやすいですから、今後はもっと省エネな試合運びも学んで欲しいとは思いますが。

 もちろん、それはこれからの話で、まだ今はチャレンジャーなのですから、どんどん強豪にぶつかっていけば良いと思います。次はいよいよ準々決勝アンディ・マレー戦。まだまだ4強相手となると厳しいかも知れませんが、ここから先はもう少年マンガの世界のように強い相手が順番に登場してくるわけで、まだ4人の中ではマレーが一番戦いやすいはず。昨秋のリベンジを錦織も強く思っていることでしょうから、ぜひ胸のすくような戦いを見せて欲しいと願っています。

 それにしても日本男子が世界を相手にここまで勝ち上がるなんて、本当に夢のようなことです。松岡の時は運も味方してのベスト8だと感じましたが、錦織は実力通りのベスト8。松岡と違ってこれから何回もここまで到達してくれそうなだけに、ますます期待が膨らみます。

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伊達と錦織のドリームペア快勝

2012-01-23 00:24:06 | テニス
 連日のテニス観戦日記となっていますがご容赦ください。なにせこれほどまでワクワクするシーズンはテニス観戦歴30ウン年にして初めてかも。昨日の全豪ハイライトは何と言っても伊達と錦織が組んだミックスダブルス1回戦でした。2人ともグランドスラムのミックスは初出場。今年はロンドン五輪でミックスダブルスが正式種目に採用されたので、各国の有力選手がにわかにミックスに色めき立っています。スイスのフェデラーは引退したヒンギスに誘いをかけて断られてしまいましたが、アメリカのロディックはセレナ・ウィリアムズと組んで、今回の全豪にもエントリーをしていました(結局ロディックの故障で欠場)。

 伊達と錦織が今回ミックスのペアを組んだのも五輪を視野に入れてのことでしょうが、お陰でファンとしてはドリームペアの遊びではない真剣勝負を見ることができました。そもそもWOWOWはシングルス中心で男子ダブルス、女子ダブルスすら滅多に放送しないのに、ミックスを録画とは言え放送するなんて、この2人が組まない限り考えられません。我々アマチュアプレーヤーはダブルス中心で日頃プレイしていますし、ミックスもよくやりますから、たまにはプロのミックスを見てみたかったので、楽しめただけではなく勉強にもなりました。

 伊達・錦織組の相手はアルゼンチンのドュルコ・シュワンク組。シングルスでは中堅クラスですが、ダブルスは強国アルゼンチンでもエースクラスで、ミックスでも昨年の全米で準優勝している強敵です。即席ペアの伊達・錦織組では正直厳しいかもと思いました。解説の杉山愛も言っていましたが、ミックスはやはり男性のプレーが鍵を握ります。これはプロもアマも同じ。いかに男性が相手の女性を上手に攻めて崩すかです。女性に遠慮してしまう優しい男性はテニスが上手くてもミックスは弱いと相場が決まっています。

 錦織はまだ若いし、いかにも女性に甘そうな顔をしているので、ベテランの伊達がどれだけ支えられるかなと思ってみていたら、これが全然心配ありませんでした。錦織はドュルコのサイドにも強打を何本も放ってエースを取りますし(さすがにボディショットは打ちませんでしたが)、サービスもきちんとエースを取っていました。遠慮も手加減も一切なしです。むしろ相手のシュワンクの方が伊達に遠慮しているのか、甘いボールを打つことが多かったくらいです。

 また伊達も極めて男前なテニスで、シュワンクの強打にも真っ向から打ちあって負けてないし、ポーチにも積極的に出ていきます。伊達の駆け引きでミスを誘ったポイントが何本もありました。男子のボールが怖くないのかな?と思うほど気が強くて、錦織のボールに腰が引けていたドュルコとは大違いでした。40才過ぎたオバサンが20代の男子プロと本気で打ち合って打ち勝つなんて真似ができるのは、世界に伊達公子ひとりでしょう。

 しかも2人とも最初から最後まで笑顔でリラックスしてテニスを楽しんでいました。強打や強気のプレーだけではなく、巧みなテクニックも随所に見せて観客を驚かせたり楽しませたりしながら、自分たちもどんどん乗っていっていたのは、テレビのバラエティ番組で松岡修造に鍛えられた効用なのではないかと思いました。

 試合は6-4、6-1と完勝。わずか58分で終わったので心配された錦織の疲労もほとんど残らなかったことでしょう。しかも本来なら次に当たるはずの第1シードが敗れてしまい、2回戦の相手はロディックの欠場で急遽参加を決めたイタリアペア。なんだかツキまであります。このまま勝ち進んで優勝なんてことになったら、史上初の日本人ペアによるグランドスラム制覇の快挙です。その可能性も十分に感じさせた伊達と錦織のミックスダブルスでした。

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錦織の快進撃はどこまで続くか

2012-01-22 00:26:31 | テニス
 全豪オープンも1週目が終わりベスト16が出揃いました。その中に日本の錦織圭が勝ち残っているのが嬉しいです。全豪の男子シングルスが128ドローで行われるようになった1982年以降、日本選手の4回戦進出は初、そして全豪で日本男子が3勝したのは佐藤次郎(当時は32ドロー)以来80年ぶり、史上2人目だそうです。素晴らしいことです。

 ただ、ここまでの勝ち上がりは決して楽だったとは言えません。1回戦こそフランスのロベルトに3-0と快勝しましたが、2回戦は地元オーストラリアのエプデンに2セットを先に奪われてからの大逆転。そして3回戦もフランスのベネトーに1セット目を先取され、さらに2セット目、3セット目もタイブレークを辛うじてものにしての3時間半の逆転勝ち。苦しい勝ち上がりでかなり体力を消耗しただろうと思います。

 そしていよいよ月曜日には4回戦でまたもフランスのツォンガに当たります。昨秋の上海、そして今大会直前のエキジビでも勝っている相性の良い相手とは言え、今大会第6シードの強敵。疲れが残っている中での対戦はかなり厳しいものになるでしょう。しかし、ここでツォンガに勝つようなことがあれば、もう錦織の実力は完全にトップ10のものです。まさに今季の飛躍をかけた一戦となりそうです。そして、ツォンガに勝てばいよいよ四強の一角マレーとの対戦になります。夢は膨らむばかりです。

 心配であり楽しみでもあるのは、クルム伊達公子と組んで出場するミックスダブルス。ファンとしては親子ほども年齢が離れたこのペアは、日本男女の人気者同士が組むドリームペアだけに大いに楽しみなのですが、反面それで錦織の疲労が蓄積されてしまいツォンガ戦に影響が出るのではないかと心配にもなります。これだけタフな試合をこなしてきている錦織はミックスなんかやっている場合じゃないだろうと思いますが、でもきっとWCをもらった以上頑張るんでしょう。

 今日の午後に行われるこのミックスも絶対に見逃せません。錦織が疲れないように伊達がうまくリードしながら戦って、そして勝ってくれると良いのですが。いやぁ、それにしてもこれほどWOWOWに加入していて良かったと思える大会はありません。

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