岸田首相が自民党総裁選不出馬を表明しました。うん、まあそうでしょうと思いました。岸田が再選を目指すならもっと早い時期に解散総選挙をして、負けるにしても自公で過半数を維持するしかなかったと思うのですが、もう７月総選挙ができなかった時点で「詰み」です。あとはどのタイミングで勇退宣言をするかだと思っていました。このまま任期満了の総選挙を行って負けて責任を取るよりも、自ら引退した方が傷が浅く今後の党内での影響力を保てるからです。
お盆を選んだ理由は政治日程の都合なのでしょう。総裁選を行って新しい自民党の「顔」を選んでから解散総選挙となると、これ以上遅くなるわけにはいかなかったのかも知れません。自民党としては何としても選挙で勝たなければならないし、そのために顔を変える必要があります。実際には顔が変わっても自民党は変わらないのですが、これまでそうやって何度もピンチを切り抜けてこられましたから、今回もその作戦で行こう、その伝統的手法に縋ろうということです。
では自民党の新しい選挙の顔に誰が相応しいかですが、これは世論調査通りに石破茂が一番人気で間違いありません。大差の２位以下に小泉進次郎や高市早苗、河野太郎となりそうですが、こういう危機的状況を自民党が打開したいなら石破以外に適任者はいないと思います。ところが石破は総裁選に必要な20人の国会議員の推薦が確保できないと言われています。総裁選に出馬することすら叶わないようでは、仮に石破がトップになっても誰もついてこずに変革の「へ」の字もできなくなりそうです。
とは言え、石破以外の人間が総裁になったところで、今のダーティイメージがどこまで払拭されるかは疑問が残ります。そうなると選挙に弱い議員の中にはなりふり構わず石破を担ぎあげる奴らも出てきます。自民党はかなりのジレンマを抱えながら総裁選に突入していきそうです。
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